東山紀之と森光子
10月からテレビ朝日は毎週日曜日の朝に、情報番組『サンデーLIVE(仮)』をスタートさせるという。同局の“ニチアサ”といえば、長年、戦隊モノと仮面ライダーシリーズが定番だったが、それらの放送時間を変更するほどの気合の入れようだ。
「朝5時50分から8時半までの2時間40分という長丁場。そのメインキャスターを東山紀之が務めることが発表されました。裏番組には関口宏や中山秀征など、長年、情報番組で司会をこなしてきた人がずらりとそろう激戦区。キャスター未経験の東山がどこまで切り込めるか、見ものですね」(スポーツ紙記者)
ジャニーズ所属のアイドルとして、近藤真彦とともに事務所を支えてきたヒガシ。今では嵐の櫻井翔やNEWSの小山慶一郎など、後輩たちがキャスター業に進出している中で、満を持しての参戦だ。
「東山はオファーがあったとき、生放送の司会ということに不安があったそうです。でも、“芸能界の母”と慕っていた森光子さんのアドバイスを思い出して受けたそうですよ」(芸能プロ関係者)
森さんといえば、午後のワイドショー『3時のあなた』(フジテレビ系)の司会を'74年から14年間も続けてきた。彼女と親しかった舞台関係者は、当時の苦労を振り返る。
「森さんは『3時―』のとき、“どんなニュースでも、生放送だからピンとこないとダメ”と言って、朝起きてスポーツ紙を含めた新聞全紙と、その日発売のすべての週刊誌に目を通すのが日課でした」
苦労はしたものの、情報番組の司会をしたことは女優業にもプラスになったという。
「東山さんと食事をしたとき芸能界の先輩として常々アドバイスしていました。“時代劇をしなさい”と言い『必殺仕事人』が決まったときは自分のことのように喜んでいました。そして“勉強になるから、情報番組の司会をしなさい”とも言ってました。彼はそれを思い出したんでしょうね」(前出・舞台関係者)
だが、東山本人にも、“キャスター”という肩書にはひとかたならぬ思いがあるようだ。
「木村佳乃と結婚した'10年に、事務所はある民放局に東山を主演にしたキャスターものドラマのリメイク企画案を持ちかけた。しかし、局側は“イメージに合わない”“オリジナル版を大切にしたい”などの理由をつけ断ったんです。
それに怒った事務所サイドは、その局のドラマに主演が決まっていたタレントを引き上げさせた。そのことは、彼に少なからずトラウマになっていたようで、'15年にドラマ『○○妻』(日本テレビ系)でキャスター役が来たときは喜んでいましたよ。それだけに、今回は役でない本物のキャスターで見返してやろうという思いは強いでしょうね」(テレビ局関係者)
しかも、今回、決まった情報番組はライバル番組を意識しているようで「視聴率のよい情報番組のスタッフが参加します。朝8時からは他局の報道番組もかぶってくるので、内容自体もかなり真面目なものになるそうです」(芸能プロダクション幹部)とのこと。
意外かもしれないが、東山は自伝本の中で差別への反対や殺人事件などに対し率直な意見を述べている。テレビでも同じように“ヒガシ節”を出せれば、名キャスターが誕生するかもしれない。