近所の防犯カメラに映っていた不審人物。フードをかぶり、動きからは若者のように
「3人とも穏やかで仲睦まじい一家だから、人の恨みを買うようなことはないはず。なぜこんなひどいことに……」
のどかな田舎で凶悪事件
「犬の鳴き声が異様だったので、母屋に行ってみたら、両親が血だらけで倒れている」
「単独犯で土足のまま上がり、金品をとった形跡がない。“目出し帽をかぶった人がいきなり刺してきた”と裕子さんが親族に語っていますが、何回も刺したのは怨恨の線が強いと思われます。
何年か前は窃盗が相次ぎ、八千代町内で67件の被害があったといいますが、それとの関連性は低いと思います」
「深夜2時50分ごろ東側からカメラをのぞき込むように歩いて通り、3時過ぎには東側へ全力疾走しています」(捜査関係者)
「確かにここらは施錠せずに寝ていますが、それにしても気味が悪い話ですよ」
近所の住民からの評判は……
「功さんはきょうだいが多く、いちばん上だったので中学校を出て働き、苦労していました。車の免許がないので、徒歩や自転車で通える範囲内の産廃業者や化学製品会社に勤めていました。口数の少ない人で、こつこつまじめに働く人ですよ」
「昔、外国人労働者が数名、働いていたので、コミュニケーションを図るために、仕事が終わったあとにみんなでよく食事に行ったんですよ。ところが、功さんは“妻が手料理を作って待っているのでオレはいいよ”と言って、1度も参加したことがない。それくらい恐妻家というか、愛妻家でした」
「彼女は東京から嫁に来た人。食品加工会社や、金属加工会社などでパートを長くしていた。旦那さんを車に乗せて、いろんなところに出かけていました。2人とも、つれあいの悪口や愚痴は聞いたことがないくらい」
「長男は生まれてすぐに亡くなっているから、戸籍上は次男なんですが、実質は一粒種で、両親から溺愛されて育ってる。まだ独身で、親とも非常に仲がよくて、最近でも仕事を休んで、功さんを車で人工透析に連れて行っていました」(親族)
「都会育ちなので、田舎の老人会の古い因習やしきたりにはっきり反発してね。一時期は対立したこともあったけどさばさばした性格なので、後腐れはなかった」(友人)
浮上してきた父子の「趣味」トラブル
「賭博で儲けすぎた、あるいはトラブルになって、暴力団などに狙われたという話だね。でも、われわれの軍鶏は庭先で3、4人集まってやる闘鶏で、賭けでやっているのではなくて、あくまで趣味。
彼はもともと鳥が好きで、昔からメジロや伝書鳩を飼っていましたから。車の運転ができないので、われわれに隠れて闘鶏場に行くというのも考えにくい」(趣味仲間)
「近くの工場や農家では、外国人労働者が多くてね。連中は釣れても、魚を川に投げ捨てるのよ。それで功さんは“魚が逃げる”などと何度も注意したので、その恨みじゃないかって」(近所の男性)
「功さんの自宅近くの公民館がゴミ収積所だけど、外国人は分別をしないで捨てるの。それを功さんは何度も注意していたみたいだから」
「近所ではバイクに乗る人が3人いてね。それを夜に乗っているから、うるさいと怒っているやつが腹いせにやったんじゃないかと。となると、功さんは巻き添えになったということになるけど」(大里家を知る男性)
「功さんがバイクの運転を叱って、叱られた人物が逆恨みをして襲ったのではないかとも言われているんです」(同)