(左から)間宮祥太朗・妻夫木聡・柄本佑 撮影/佐藤靖彦
妻夫木「佑とは何度か共演してるけど、間宮くんとは初めてだよね。同じ作品とはいえ、一緒のシーンがなくて」
柄本「現場で、2人はまったく会えなかったの?」
間宮「そうなんです。共演させていただけるなんてうれしい~って喜んでいたら、まったく同じシーンがなく(笑)」
妻夫木「さっき2人で取材を受けたんです。初めて一緒に仕事するのに、撮影で“(間宮の)肩に手をのせてください”っていきなり言われて、お互い、どうしようってなったよね(笑)」
夏帆との役作りで複雑な気分に
妻夫木「夏帆ちゃんと、関係性をどう築いていこうって考えたときに一緒に料理を作ろうと思ったんです。インする前にキッチンスタジオを借りて、2人だけでシチューを一緒に作って、ごはんを食べて、お酒を飲んで……。たくさん話しました」
間宮「僕は夫役で、奥さん役の夏帆さんと娘役の子と遊園地に行く時間を設けてもらって。ただただ楽しい時間でした。だから、そのあとに妻夫木さんが待つキッチンスタジオに夏帆さんを見送るのが、なんか複雑で(笑)」
妻夫木「同じ日だったんだ、それは複雑だね(笑)」
妻夫木のセリフひとつで“世界”が動く
柄本「プライベートでも飲みに行かせていただいて、人間としても役者さんとしても大好き。だからこそ、目と目を合わせて芝居をするのが怖くて緊張もする。妻夫木さんがひとつセリフをしゃべるだけで、“世界”が動くんです。久しぶりの共演で、“妻夫木聡、さらにすごみが増したぞ”って思いました」
妻夫木「ほんとかよ!?(笑)」
間宮「聞けば聞くほど、共演シーンがなかったことが悔やまれます……!」
妻夫木「人生の選択に迫られたとき、男って“ひよる”と思うんです。そういうとき、女性って強いなって。決断を下せるその強さっていうのは女性ならではなのかも。間宮くんは?」
間宮「そうですね、女性は自分との向き合い方も強い。現状と今後こうしたいと思う願望と、常に自問自答している気がします。僕は今が楽しければいいやってタイプなので(笑)」
柄本「女性って“進む力”がすごいんだよね。決めた方向に、迷いなく行く力っていうのが、すごく強い。そうなったら、止められないもん」
妻夫木「そうならないためには、“我慢せずに、何かあったら言ってよ”っていうしかないのかな。勝手に抱え込んで、それがコップいっぱいになってあふれだしたら終わり、みたいなのは怖い(笑)。男としては、ちゃんと言ってほしい」
間宮「僕は映画の中で、奥さんに“何かあるなら言ってほしかったよ”って言うシーンがあるんですが、“(家族のことを考えて)何も言えないよ。そのほうがうまくいくから”って言い返されますからね。僕、結婚してないのに、身につまされる思いでした(笑)」
妻夫木&柄本「ハハハハ」
結婚観=2人で作り出すもの
柄本「女性は常によく考えてる。クールだよね」
妻夫木「知らず知らずのうちに、女性はいろんなものを我慢しているのかもしれないね」
間宮「僕もいつか結婚したら……いろいろと気をつけます(笑)」
柄本「難しい質問!」
間宮「本質がバレちゃいそうな」
柄本「僕は結婚して子どもがいるので、変化はないな」
妻夫木「間宮くんは今回、結婚してる役だけど、何か、結婚観とか変わったりした?」
間宮「それが、結婚観ってものが、まだないんです。今回演じてみて、そういうのってないほうがいいんじゃないかなって思ったりもして。結婚観って2人で作り出すものだから、ひとりで持っておく必要がないのかなと」
柄本「なるほど。逆に勉強になりました(笑)」
■愛し続けたいもの
妻夫木「生まれたばかりのわが子かな。生まれ変わっても愛したいくらい、愛してます。もう、一生見ていられるくらい(笑)。撮影とかで家を離れるのが多くなることもあると思うんですが、時間が許す限りは一緒にいて、いっぱい子育てしたいと思います」
■結婚には憧れる?
間宮「仲がいい役者の友人が結婚して、醸し出す雰囲気が変わっていくことへの興味はありますけど、僕自身は未知の世界。今回、“夫”という役を演じて、妻も、奥さんである前にひとりの女性であることを忘れちゃいけないなと。そこへの配慮が足りないと、大変なことになるという教訓を得た気がします(笑)」
■モテる男とは?
柄本「僕、高校時代は、ジーパンにTシャツを着て、下駄をはいて文庫本をポケットに差してるのがカッコいいと思ってたら、女子たちが描く“カッコいい”とは全然違って(笑)。自分では100点満点のつもりだったけど、実際には0点! いろいろ学んだ学生時代でした……」
映画『Red』2月21日(金)全国公開
家庭を持ち、経済的にも恵まれ、何ら問題のない生活を送っていた塔子(夏帆)。だが、10年ぶりに“かつて愛した男”鞍田(妻夫木聡)と再会してしまったことで、彼女の運命の歯車は狂いだし──。