『マンガでわかるあなたを傷つけるあの人からの攻撃がなくなる本』より
「愛より平和」をモットーに
「私は典型的なモラハラ家庭に生まれ、毎晩のように夫婦ゲンカを見ていました。冷静に、客観的にモラハラという精神的暴力の実態を見ているうちに、モラハラをする人の心理メカニズムが見抜けるようになり、同時に、被害者がどう反応すれば、モラハラをする人の攻撃欲や支配欲をそぎ落とせるのかもわかるようになったのです。
「私のメソッドは弱者の戦略です。経済的理由や子どもの養育などが理由で、すぐに別れるのが難しい人も多いですし、モラハラを受けて精神的に弱ってしまい、闘うパワーが残っていない人も多いです。そんな人でもできるのがJoeメソッドで、簡単に言えば、相手に自分を見せないようにするのがポイントです」
「モラハラを受けやすいタイプは、いつも相手の機嫌をとろうとしてしまい、優しさを自分にも他者にも求め、誠実で、頑張ればいつか認めてもらえると信じています。夫に怒鳴られてもとっさに言い返せなかったり、自分が悪いと思ってしまうと、モラハラ体質の夫からは“支配できる人間だ”とみなされ、服従しなければ攻撃され、モラハラがエスカレートしていくのです。
「別居や離婚も距離をとる方法ですが、一緒に暮らしながら心の距離をとるには、反応を減らし、接点を減らし、冷めたオーラを出し続けることです。早い人なら実践してすぐに、夫からのモラハラがなくなります」
「モラハラ体質の人は変わることはなく、支配できる相手を見つけるとまた攻撃を開始します。夫にちょっと優しくされたからと、メソッドをやめてしまうと、また夫からのモラハラが始まるでしょう。また、依存体質の人や、孤独感に耐えられない人、服従することがいいことだと思っている人は、メソッドを継続できない可能性があり、万人が成功するわけではありません」
「モラハラ夫に対する態度は、子どもには絶対にしてはいけません。子どもには明るくわかりやすいリアクションを心がけてください。ただし、子どもへの態度=本当の妻の態度だと、夫に悟られないよう、『子どもの教育のために、ふだんの自分とは違う、明るい態度をとっているんだ』というスタンスを夫に示してください」
仕事や親との関係でもメソッドは使える
「モラハラ体質の上司がいる場合、きちんと仕事をこなしたうえで、愛想のいい態度はとらず、心のうちを見せないようにすれば、攻撃されることはなくなります。親からモラハラを受けている人も、反応を少なくしていくことで攻撃が減っていくでしょう」
「昭和の時代は、妻が夫に服従するのが当然とみなされていました。時代は変わったものの、まだモラハラは新しい言葉であり、自分の苦しみがモラハラによるものだとわかっていない人も多い。
「離婚する人もいますし、家庭内別居のような状態を続ける人もいます。ただメソッドを続けると、依存体質から脱却し、何者にも支配されず、自分の足で生きることの心地よさに目覚める方が多いです」
「身近な相手からモラハラをされているけれど、すぐには離れられない事情がある人は、まず私の本を読んでJoeメソッドを実践してみてください。また、今はモラハラを受けていない人も、今後、直面した際に役立つ内容なので、知っておいて損はないと思います」
Joeメソッドを実践したレモンけいさんの感想
「夫と暮らすことに違和感が……」
レモンけい ●漫画家。毒親のもとに生まれ、機能不全家庭で育つ。結婚後、相手がDV夫に豹変し、第1子出産後、モラハラとDVが激化。しかし、モラハラ対処法「Joeメソッド」を知り、関係の“逆転”に成功。現在は別居中。
Joeさん ●モラハラ対策カウンセラー。モラハラ対処法「Joeメソッド」を確立。典型的なモラハラの関係にある両親の元に生まれ、幼少期を過ごす。その経験を通して、モラハラをする人、される人の心理を知り、モラハラへの対処法をアドバイス。
『マンガでわかる あなたを傷つけるあの人からの攻撃がなくなる本』(税込み1200円 飛鳥新社刊)
ブログ・メルマガでも大反響。超・実践的なテクニックで多くのモラハラ被害者を救ってきた「Joeメソッド」の、待望のコミック化。
〈取材・文/紀和静 漫画/レモンけい〉