お笑いコンビ「マシンガンズ」滝沢秀一さん
お金持ちエリアのゴミは「ぜんぜん違う」
「外出自粛が始まったころは、体感でゴミの量が1.5~2倍に増えた気がしますね。そのゴミの量と言ったら……人手不足もあり、とにかく大変でしたね」
「そのころはウイルスの恐怖からマスクだけでなく、ゴーグルもつけて収集にあたっていたんですけど、汗はダラダラかくし、むしろ熱中症のほうが危険なので、いまはマスクだけです。手洗いやうがいをしっかりすることで、感染は防げています」
「お金持ちのエリアでは、そういったゴミはほとんど見かけません。実は、一般庶民とお金持ちの家から出るゴミは、ぜんぜん違う。たとえば庶民のゴミで目立つのは、100円ショップの商品やファストファッションの衣類。しかもそれほど着ていないようにみえる新品同様のものばかり。ワンシーズン着たら簡単に捨ててしまうんでしょうね」
「高級住宅地ほど収集はスムーズに終わります。お金を持っているからこそ、欲しいものをじっくり吟味して買うんでしょうね。愛着がわくから大事に使う。安いからと適当に買うと、ちょっと使っただけで捨てたり、使わなくても安いからいいか~と安易に捨てるのではと」
「モノを買うときは思い入れを込めて買う、ゴミになるようなものは極力買わない、生ごみはコンポストで肥料にする、洋服も毎月レンタルで借りる。食べ残しを出さないように、冷蔵庫の中もしっかり管理しています。こうやってごみを減らしていくことで、ムダが減って、お金も貯まるようになりましたね~。そしてなにより、ゴミを捨てないのって心地いいんですよ」
小さな結び目で出すのはやめてほしい
「ゴミ袋にそのままお味噌汁が注がれていたことがありますねー。どうして流しに流さずに?ってびっくりしました」
「世の中にはいろんな人がいるのを実感しています。液体関係は、清掃車の回転板に挟まると飛び散るので、僕らが悲惨なことになります……」
「袋の口を結ばずに出す人がいますが、中身がでちゃうと、いまはウイルスをぶちまけてしまう可能性もあるので、やめてほしいです。あと、袋にめいっぱいゴミを入れて“どこで持つの?”ってくらい小さな結び目で出す人も(笑)。8割くらいにしてもらって、しっかりと二重に結んで出してほしいですね」
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
最新刊『日本全国 ごみ清掃員とゴミのちょっといい話』(主婦の友社)
入れ歯を資源として回収する新宿区など、全国の自治体が進めるゴミの工夫をゴミ清掃芸人の視点から紹介。