石橋貴明
なぜ石橋の番組は途絶えないのか
「枠移動での番組リニューアルということですが、『たいむとんねる』も、終了することからわかるように、そこまで人気のコンテンツではありませんでしたから、終了はしかたないことかもしれません。とんねるずのレギュラーは現在0本、貴さんのレギュラーもこれ1本というのは、かつての大活躍ぶりからしたら、少し寂しい現状です」
『オールナイトフジ』(フジテレビ系)や『ザ・ベストテン』(TBS)では過激なパフォーマンスでカメラを転倒させたり、『みなさん〜』では「仮面ノリダー」や「モジモジくん」「食わず嫌い王」「男気ジャンケン」などのヒット企画やコントを連発。『ねるとん』は、番組を飛び越して現在でも「ねるとんパーティー」として通用する、一般的な言葉にひとり歩きした。同番組では「ツーショット」「大どんでん返し」などの流行語も生んだ。
「業界用語やスタッフネタなどの楽屋落ちを多用するのも特徴のひとつですね。スタッフを正式メンバーとして結成した、ダンスボーカルグループの『野猿』などもまさにその延長でした。とんねるずに憧れてお笑い芸人になったという中堅・若手も多く、影響力はダウンタウンに匹敵すると思います」(同芸能記者)
「もちろん一定の需要はあるはずですが、“つながり”という意味もありますね。タレントさんや事務所との関係性を途絶えさせないため、なんらかの形で番組が存続するということはあります。もっとも民放ですから、スポンサーがつかなければなんともならないところはあるのですが」
今の時代に合わせ“無理”はしない
「石橋さんは、後輩芸人やスタッフ、若手女優などをハードにイジることがウケていましたが、今はすぐ『パワハラ』『セクハラ』と言われ、ネットニュースになってしまいます。なので、本領発揮できない部分はあると思います。とはいえ、生き残るためにはキャラ変更や方向性を変えないといけません」(前出・芸能記者)
「時代の流れはしかたないことですが、マイルドな番組では石橋さんのよさを完全に出せるとはいえないでしょう。ロケVTRも、とんねるずさんは基本的に自分たちも参加するロケでしたから、誰かのロケをスタジオで見てコメントするというスタイルの番組は、あまりやりたくないのかもしれません。
「スポーツバラエティーは、全体で見ると、実は数字が取りづらいんです。特番ならよくてもレギュラーは厳しいかもしれません。また、秋以降、オリンピックが終わったあとにスポーツ熱が一時的に冷え込む可能性もあります」(前出・放送作家)
「石橋さんは芸能界に友達も多いですし、仲のいいゲストと、趣味の話をじっくりやるというのが、今のスタンスに合っているということなのでしょうか。ひとりキャンプの流行もあったり、時代の流れでもありますからね。もう、昔のように“無理”をせず、深夜にまったり見るのにちょうどいい番組になるのではないでしょうか」(前出・放送作家)
<取材・文/渋谷恭太郎>