千曲市の屋代高校・付属中学校同窓会は、「屋代高校百年史」を発行した。校史をまとめるのは20年ぶりで、1923(大正12)年に旧制埴科中学校として開校してからの歩みを記録。学ぶ機会が十分に確保されなかった戦時下の学校生活や、戦地に赴いた卒業生も紹介している。31日は校内で最後の編集委員会を開き、出来上がりを確認した。
編さんは100周年記念事業の一環で、同窓会役員を中心とした約40人が10年ほどかけて執筆。卒業生の声を紹介するコラムを多く掲載し、2012年に県内初の公立中高一貫校として付属中学校が開設した経緯も盛り込んだ。
日中戦争に出征した卒業生が戦地で開いた同窓会の写真や、戦地に届いた恩師からの激励のはがきも載せた。第2次世界大戦下の1941(昭和16)年には、食料不足を補うため生徒が志賀高原でササの実を採集する勤労奉仕があったことも伝えている。編集委員長の赤地憲一さん(77)=千曲市内川=は「戦争の犠牲になった若い卒業生たちを忘れてはならない」としている。
A4判、969ページ。810冊発行。1冊6千円。今後注文を希望する人は平日の午後1時半~5時、同窓会事務局(電話026・274・3310)へ申し込む。
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