伊那市創造館は、市内にある弥生時代と古墳時代の遺跡から出土した装飾品「勾玉(まがたま)」を展示している。ヒスイ、水晶などさまざまな材料で作られた七つの勾玉を紹介。この地域を治めていた有力者が身に着けていたとみられ、同館は「伊那の歴史を知るきっかけにしてほしい」と来場を呼びかける。5月20日まで。
同市西春近の中村遺跡から出土したヒスイ製勾玉は、長さ約3センチ、重さ約13グラム。光を当てると緑色に輝くのが特徴だ。1977(昭和52)年、農地整備事業に伴う発掘調査で発見。遺跡では弥生時代後期(約2千年前)の住居6軒の跡が見つかり、勾玉は中でも最大で有力者の住まいとみられる場所で出土した。
担当の学芸員、浜慎一さん(47)は「貴重な材料を使っており、集落をまとめる有力者が自身の権威、財力を示すために身に着けたのだろう」と話す。この他、同市美篶と西春近の古墳から出土した勾玉も展示。これらはメノウや碧玉(へきぎょく)、水晶が使われている。
観覧無料。午前10時~午後5時。火曜休館。展示を見た人に中村遺跡のヒスイ製勾玉の写真や解説が載った「まが玉カード」を無料配布している。
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