移住したい人と受け入れる地域との仲介サイト「SMOUT(スマウト)」を運営するカヤック(神奈川県鎌倉市)は、同サイトで調べた2023年度の人気移住地域の市区町村別ランキングで、伊那市が2年連続の1位になったと発表した。同社は、市内に一定期間滞在して、働きながら暮らしを体験するイベントなどが関心を集めた要因―と分析している。
23年度にサイトで移住体験イベントなどを発信した国内外527地域について、利用者から「興味がある」と反応があった件数を集計。伊那市は4396件で、2位の島根県海士(あま)町(1664件)、3位の鹿児島県和泊(わどまり)町(1246件)などに大差をつけた。
伊那市が発信したイベントの中では、市内でコメの自然栽培を体験しながら暮らす「ふるさとワーキングホリデー」が215件と最多の反応を集めた。森林に関わる仕事を体験しながら学ぶ「伊那谷フォレストカレッジ」も143件と人気だった。
市の年間の移住者数は22年度に244人に上り、過去最多を更新。市地域創造課によると、23年度の人数はまだ確定していないものの、200人を超えて過去2番目の21年度(163人)は上回る見通しだ。スマウトの情報をきっかけに市に移住相談する人もいるという。
同課の田中久課長は「いきなりの移住はハードルが高い。体験イベントで地域とのつながりをつくり、移住後をイメージしたいと考える人の関心を集めたのではないか」とし、「今後も移住への『ステップ』となるような情報を発信したい」と話した。
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