生まれつきほとんど目が見えない清水冴恭(さきょう)さん(18)=茅野市宮川出身=が、松本大(松本市)総合経営学部に今春入学し、社会福祉士の資格取得を目指して勉強に励んでいる。同大によると全盲の学生の受け入れは初めて。清水さんは「障害がある人の相談役になり、共生社会の実現に貢献できる人材になりたい」と意気込んでいる。
清水さんは緑内障でほとんど目が見えず、県松本盲学校(同)の中等部と高等部で学んだ。一般的に盲学校に通う生徒は専門学校などに進学するケースが多いが、周囲の人にも障害のことを知ってもらいたいと大学への進学を決意。地域と交流も多い、松本大を志望し、高等部2年の時から、入学試験の受験などについて大学側と相談を重ねた。入学試験では点字訳されたもので受験し、昨年12月に合格した。
入学後は授業で使う資料は、事前に担当教員からメールで受け取り、専用のソフトで点字訳。授業中も講義を聞きながら、小型点字ディスプレーに表示された点字を読み取ったり、メモを取ったりして学んでいる。
清水さんは同級生などとの交流を通じ、「健常者、障害者が関係なく解け込める社会にしたい。視覚障害のある人も将来の道も増やすことができれば良い」と話している。
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