県教育委員会は26日の定例会で、2024年度実施の県立高校入試から、中学校が作成する調査書(内申書)の「出欠・健康の記録」欄を削除する方針を示した。後期選抜(一般入試)について、不登校などで欠席が多い受験生が不利になるのではないか―といった声があることへの対応。7月の県教委定例会で正式決定する。
高校教育課によると、後期選抜の合否は、試験の得点と、調査書に記される必修9科目の評定などを参考に判定している。これまでも後期選抜では中学校での出欠を合否判定で加味していなかったが、不登校の当事者や保護者らの不安は払拭されていなかった。このため、出欠に関する記録の欄を削除することを決めたという。前期試験でも、同様にこの項目を削除する。
内申書ではさらに「総合所見及(およ)び指導上参考となる諸事項」を「総合所見及び特記事項」に変更する。「指導」という言葉がマイナスに捉えられる場合があり、生徒の良い点や努力した点などを記載する項目であることをより明確にする。
松本市にある不登校の子どもらの居場所「子どもの支援・相談スペースはぐルッポ」の西森尚己代表は、不登校の子どもや保護者は欠席日数の記載欄に不安を抱えていると指摘。県教委は高校入試の合否判定で、不登校であることのみで不合格になることはない―としているが、学校から子どもらに周知されていないとし「(出欠の)記載欄を削除することは良いことだと思う」と好意的に受け止めた。
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