兵庫県たつの市出身の堀彩音さん(35)が今月、下諏訪町の御田町商店街に手作りの昔遊びの遊具や絵本などを販売する店「夕やけこやけ」を開業した。開店に向け昨年6月に看護師の仕事を辞め、同7月に辰野町に移住して準備してきた。「絵本に描かれた昔遊びを実際に体験できるような今までにない店にしたい」と張り切っている。
店は写真店のスタジオの2階にある。畳敷きの室内には竹とんぼ、でんでん太鼓など堀さん手作りの遊具のほか、絵本が並ぶ。骨董(こっとう)市などで集めた「今にないようなデザイン、色使いが魅力」の昭和期の全国各地の観光用案内も。
堀さんは地元の高校を卒業後、大阪府の看護専門学校に進学。和歌山県の病院で看護師をした後、京都府の書店で働いた。10年前に松本市に移住し、病院で看護師をしながら、イベントなどで昔遊びの遊具を販売してきた。
下諏訪町を訪れた時に町の落ち着いた雰囲気と個性豊かな人たちに魅せられ、何度も通うように。知り合った人の紹介で現在の店舗の場所を知った。堀さんは「開業するまで不安でいっぱいだったが、町の人たちに背中を押され開くことができた」と話す。
店名は、懐かしさを感じてほしいと、同じたつの市出身の詩人三木露風が作詞した「赤とんぼ」から取った。今後、竹製の遊具の作り方などを教えるイベントを開きたいといい「なくなりつつある伝統的なものを伝える『寺子屋』のような場所にしたい。地域の方にも教わり、子どもたちにつなぐ場所にしたい」としている。店は不定休。詳細は夕やけこやけのインスタグラムへ。
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