東京在住で台湾の人気インフルエンサー・劉季茹(リュウチジュ)さん(43)が小豆島の美しい景観や食物、アートなど島の魅力をアジア各国に紹介するオンラインツアーが、小豆島町役場を拠点に開かれた。参加者は全編中国語でまとめられた配信動画を楽しみ、劉さんらとの質疑応答を通じて小豆島旅行への期待感を膨らませた。
オンラインツアーは新型コロナウイルス収束後を見据え、中国や香港など中国語圏から旅行先として選んでもらおうと小豆島町が企画し、18日に開催。同町の地域おこし協力隊員・白沢佳倫さん(39)=台湾出身=が、フェイスブックなど交流サイト(SNS)のフォロワー数が計10万人超の劉さんと協力し、7月から動画撮影などの準備を進めてきた。
ツアーには中国や台湾などから約1100人が参加。動画では同町中山地区の田園風景、同町西村地区のオリーブ畑、高さ約17メートル、推定重量1700トンの大天狗(てんぐ)岩が残る同町岩谷地区の天狗岩丁場(国指定史跡)などをメインに紹介。瀬戸内国際芸術祭のアート作品やタイ、マナガツオなどの地魚、オリーブ牛、しょうゆを使った地元の食事、オリジナルのオリーブオイル作りなどの体験型イベントを組み合わせた1本が約5分の動画3本に集約した。
参加者からは動画アプリのコメント欄を通じて「オリーブ牛はどうしておいしいの」「しょうゆアイスは塩辛いのでは」などの質問が寄せられ、劉さんと白沢さんは撮影時のエピソードを交えながら回答した。オリーブオイルやオリジナルバッグなどが当たる抽選会も行われ、参加者からは次々に「オンラインでも楽しい。行ってみたくなった」「家族で1週間くらい滞在したい」などのコメントが届いた。
劉さんは「映像を通じて小豆島のゆったりとした時間の流れを感じてもらえたと思う」と手応えを感じた様子。白沢さんは「季節によって同じ場所でも違った風景に見えるのが小豆島の魅力。今後も新たな企画を考えていきたい」と話していた。