スポーツ庁が24日に発表した2021年度の全国体力・運動能力調査(全国体力テスト)で、県内の小学5年の合計点が男子52・03点(全国平均52・52点)、女子54・43点(同54・64点)で、いずれも08年度の調査開始以降で最低だったことが分かった。特に男子は、測定した8種目中7種目で過去最低を更新。県教委は「新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や、スマートフォンやゲームの長時間利用で日々の運動時間が減ったことが影響したとみられる。子どもの運動意欲を高める取り組みを推進する」としている。
調査は4~7月、全国の小学5年生と中学2年生を対象に実施。握力や上体起こしなど8種目の成績を得点化(80点満点)した。昨年度は新型コロナの感染拡大で中止し、今回は2年ぶりの調査となった。
調査結果によると、県内の小5男子の合計点は男子が前回調査(19年度)から0・99点、女子は0・93点下がり、男女とも全国平均を下回った。全国順位は男子33位、女子30位だった。
種目別でみると、小5男子は握力、上体起こし、反復横跳び、20メートルシャトルラン、50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの7種目で過去最低、女子は反復横跳び、ソフトボール投げが過去最低だった。
中2も合計点は男女とも前回より下がったが、どちらも全国平均は上回った。男子は41・47点(全国平均41・18点)で全国29位。握力、上体起こし、20メートルシャトルランが過去最低だった。女子は49・79点(同48・56点)で、順位はこれまでで最高の全国14位。過去最低の種目はなく、反対に長座体前屈、立ち幅跳びは過去最高を記録し、他の6種目では前年を下回った。
体力テストでは、実技測定と合わせて運動習慣に関するアンケートも実施。県内の児童生徒が1週間に運動する平均時間(体育の授業を除く)は、小5男子では全国平均よりも約30分短い8時間11分、小5女子は全国と同水準の5時間34分だった。中2男子は12時間45分、女子は9時間6分でいずれも全国より長いが、新型コロナで部活動が制限されたこともあり、男女とも前回調査の8割程度にとどまっている。
スマホやゲームなどの利用時間に関する質問では、長時間利用する子どもほど実技測定の得点が低い傾向が表れた。特に、平日1日の利用が「5時間以上」と答えた子どもの平均得点は、小中学校の男女全てで最も低かった。