
●生態と習性
Q.なぜ市街地に現れるのか。
A.餌を求めて、山から下りてきている。雑食なので残飯などは「十分なごちそう」。学習能力が高いため、一度餌にありつけると分かると何度も現れる。
Q.山奥から来るのか。
A.高松市なら屋島などの山や荒れた休耕地など人里近くに生息している個体が出て来ていると考えられる。市街地へは人目や車を避け、川沿いや用水路を通って入ってきているとみられる。
Q.夜や未明に多数、目撃されているが。
A.夜行性のイメージを持たれがちだが、人間の活動時間を観察した上で「夜の方が昼よりも安全」として、夜型の生活を送っているだけ。本来は非常に警戒心が強く、臆病な性格。だから人との接触は極力避ける。
Q.でも人を襲ったケースは少なくない。
A.追い詰められて身の危険を感じると、突進してくることがある。ただ、こうしたケースは非常にまれだ。市街地を走り回ったりしているのは、大きな音などでパニックになり、その場から逃げだそうとしているケースが多い。
Q.身体能力は。
A.最高時速45キロ程度で走り、跳躍力もある。泳ぎも得意だ。50キロ程度の重さの物なら、鼻を使って簡単に動かす力を持っている。

●遭遇したら
Q.遭遇したらどうするべきか。
A.慌てず落ち着いて行動することが最重要。刺激を与えると、興奮して向かってくる可能性が大きくなる。イノシシが動かないのならば目を離さず、後ずさりしながら距離をとってほしい。物陰に隠れて、視界から消えるのも一つの手段だ。
Q.突進して来たら。
A.スピードで勝つのは難しいので、ブロック塀や植え込みなど高いところに逃げたい。あまり低いと上がってくる。1・5メートル以上の高さが望ましい。
Q.高い場所がなかったり、体力的に上がれなかったりした場合は。
A.イノシシは横方向の動きを苦手にしていることから、危険を伴うが、左右の動きで突進をかわせられればいいのだが。体当たりを回避できない場合、被害を最小限に抑えるため、頭やおなかなどの急所が守れるよう体を丸め、防御体勢をとってほしい。
Q.撃退はできないのか。
A.基本的に難しい。大声を上げたり、棒で応戦したり、石などを投げたりすると、かえって興奮させる可能性がある。
Q.乗り物の光に反応することはあるのか。
A.バイクや自転車のライトの光にはあまり反応を示さない。光を目掛けて突進してくるというのは考えにくいが、山あいの道路を走行する際は、突然出現することもあるので、ゆっくり走行することが大切だ。
Q.運転中に遭遇した場合はどうすれば。
A.逃げることが最優先だ。クラクションを鳴らすなど追い払おうとするのは危険。車なら路肩に寄せてハザードランプをつけ、イノシシが去るのをじっと待つ。突進してきたら、バイクや自転車の場合は乗り物を盾にして身を守り、高い場所へ避難を。車の場合も突進してくる可能性があるため、車内から出ないようにしてほしい。