「1票の格差」が最大3・00倍だった7月の参院選は、投票価値の平等に反し違憲だとして、四国の3選挙区の有権者3人が選挙無効を求めた訴訟の判決で、高松高裁(神山隆一裁判長)は16日、「違憲状態」との判断を示した。無効請求は棄却した。
二つの弁護士グループが全国の高裁・高裁支部に起こした一連の訴訟で、最初の判決。
2016年の前回参院選(最大格差3・08倍)後に、定数6増(埼玉選挙区2、比例4)の改正公選法が成立し、格差はわずかだが縮小した。今回の参院選は議員1人当たりの有権者数が最少の福井選挙区と、最多の宮城選挙区との格差は3・00倍。徳島・高知選挙区は1・93倍、香川選挙区は1・28倍、愛媛選挙区は1・80倍だった。
原告側は「改正法では選挙区割りの抜本的見直しが不十分で、憲法の人口比例選挙の要求に反している」と主張。被告の3選挙区の選挙管理委員会側は「違憲の問題が生じる著しい不平等状態だったとはいえない」と請求棄却を求めていた。
16年参院選では2県を一つの選挙区に統合する「合区」が導入され、5倍前後で推移してきた格差が縮小。17年の最高裁判決は国会の格差是正を評価し「合憲」と判断した。