イングランド代表プロップとして59キャップを重ね、1年後のラグビーワールドカップでも活躍が期待されていたジョー・マーラーが、9月26日、インターナショナルラグビーからの引退を発表した。まだ28歳と若く、突然の代表引退表明でラグビー界に衝撃が走っている。
理由は、家族とより多くの時間を過ごすため。マーラーはイングランドラグビー協会を通じ、「自分の国を代表することはとても名誉なことであり、当然のことながらこれは非常に難しい決断だったが、私は家族とより多くの時間を過ごすため、ただちに、インターナショナルラグビーでプレーすることから引退することに決めた」とコメントしている。イングランド代表の活動に集中して責任を果たすためには、合宿やツアーなどで家族との時間を犠牲にしなければならないことが多く、自分にはそれがもうできなくなったという。「イングランド代表に100%注ぐことができないのなら、去らなければならない。いまこそ、自分はチームを離れて、チームに新しい血を集める時。私は妻と子ども(4歳の息子と2歳の娘)にもっと時間を与えることができるのを楽しみにしている」
マーラーは、2015年の自国開催ワールドカップでは全4試合のうち3試合で背番号1をつけたルースヘッドプロップで、2016年はシックスネーションズ(欧州6か国対抗)全試合に出場して全勝優勝に貢献、翌年もフロントローに欠かせない存在で連覇を成し遂げた。昨年は、4年に一度結成されるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズに選出。そして、背番号1を争ってきたマコ・ヴニポラなどと一緒に、この秋のテストマッチに向けたイングランド代表のトレーニングスコッドにも選ばれていたが、今週のキャンプが始まる前に、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチに気持ちを伝え、スコッドから離脱していた。
ジョーンズ ヘッドコーチはマーラーの決断について、「チームにとって非常に残念だ。2015年末に私が就任して以来、もちろんその前からも、ジョーは不可欠なメンバーだった。彼は正直で勤勉な選手。彼の決断を尊重するが、彼はいい男だし、我々は彼を大いに恋しく思うだろう」とコメントしている。
イングランド代表から退くマーラーだが、現在所属するハーレクインズでのプレーは続ける。
イングランド代表は11月に地元トゥイッケナムで、南半球のビッグ3(ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア)と対戦するほか、同17日には日本代表とテストマッチをおこなう。
今年6月23日の南アフリカ戦が、マーラーにとってイングランド代表として最後の試合となった
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