2022年4月より高校の家庭科で「金融教育」が必修となりました。将来の生活の目標を立て、自分の目指すライフスタイルを実現するために、生涯を見通した生活を設計できるよう資産形成することを狙いとしています。
金融庁は、家計管理や生活設計の必要性や預貯金・保険・クレジット/ローン・投資に関して知っておくべきことをまとめた「基礎から学べる金融ガイド」など、中学生、高校生向けに金融に関する情報をホームページに掲載しています。
金融教育が始まって半年が経過しましたが、高校生は金融教育に対しどう感じており、資産形成に興味を持ったのでしょうか。そこで、金融オンラインスクール「グローバルファイナンシャルスクール」が、金融教育の授業を受けた全国の高校生502人に対して実施したアンケート結果を見ていきましょう。
高校生は金融教育に興味あり
金融教育の授業に満足したか聞いたところ、「満足」(28.5%)、「やや満足」(52.2%)と、80.7%が満足したと回答しており、満足度が高いことがわかりました。授業がわかりやすかったか尋ねると、「わかりやすかった」(22.7%)、「まあまあわかりやすかった」(54.8%)と、77.5%がわかりやすかったと回答。
また、自分のためになったと思ったか、については、「とても思った」(36.9%)、「思った」(51.0%)と、87.9%がためになったと回答しています。このことから、金融教育の授業は高校生にとって興味が高いものであることがうかがえます。
18歳から自分名義でローンやクレジットカードなどの契約ができることに抵抗がある人も多い
自分の学校の金融教育でどのようなテーマを取り上げたかを聞いたところ、「金融トラブルについて」が67.3%で最も多く、次いで「お金を“使う”こと」(50.2%)、「お金を“借りる”こと」(49.0%)が多いことがわかりました。一方、資産形成や金融商品についてといった「お金を“貯める・増やす”こと」は33.3%で最も少ない結果に。どちらかというと、資産形成よりはお金のトラブルに遭わないように注意喚起することをテーマとした授業が多いようです。
ローンやクレジットカード、携帯電話の契約など、18歳から自身の名義でお金に関わる契約を結ぶことに抵抗があるか聞いたところ、45.4%が「抵抗がある」と回答しました。
その一方で、成人になったら自分のクレジットカードを作りたいと回答した高校生は63.7%と多いことがわかりました。25.9%が「親と相談して決めたい」と回答しており、お金に関わる契約に慎重な高校生も4分の1ほどいることがわかります。「作りたくない」と回答したのは9.6%で1割に満たない結果となりました。
金融教育を受けて資産形成に取り組むのは社会人になってから
金融教育を受けて、早速、資産形成に取り組んでみたいと思うかという問いには、「社会人になったら取り組んでみたい」が40.2%で最も多く、次いで「社会人になる前に取り組んでみたい」が22.3%で続きました。また、7.8%が、高校生で資産形成に「早速取り組んだ」と回答しています。
「取り組みたいと思わなかった」は17.1%にとどまり、金融教育を受けて資産形成に取り組んでみたいと思った人の割合は8割以上にのぼるようです。
資産形成に「早速取り組んだ」と回答した高校生が実施したものでは、「ポイント運用」が最も多く、53.8%を占めました。次いで「ポイント投資」「仮想通貨」「株式投資」が同率で46.2%となりました。他にも「投資信託」「国債」「金・プラチナ」など幅広い商品に取り組んでいることがわかります。
以上の結果から、高校生は金融教育に興味があり、資産形成の取り組み意向があることがわかりました。岸田政権は「貯蓄から投資」を目指しており、金融教育の開始はある程度の成果が出ていると思われます。
出典
金融庁 中学生・高校生のみなさんへ
株式会社FreeLifeConsulting 金融教育の授業を受けた全国の高校生へのアンケート(PRTIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部