丁字路とT字路の違いはなに?
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丁字路(ていじろ)とT字路(てぃーじろ)という2つの言葉があります。どちらも直角に交わる三叉路を指す言葉で、意味の違いはありません。
今回はなぜ2つの言葉が存在するに至ったのか、その違いも含めて解説していきます。
丁字路(てい)は古くからある言葉
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丁字路・T字路を示す標識
©藤田 豪/stock.adobe.com
丁字路は、まだアルファベットが日本に広まる前から用いられていた表現です。
修行僧の持つ六種の仏具について図解する『六物図抄』(1508年)という文献では、以下のような文章が確認されています。
丁字(テイジ)にぬうは鳥足縫の事也。これを三叉の相(サウ)とも云ぞ。鳥の爪を前へ三つかけてつかむが如し
このことから、少なくとも500年前には既に丁字という言葉を使用していたことが分かります。六物図抄では丁字について「鳥足縫」や「三叉の相」と説明されています。
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鳥足縫のパターン
一つ一つが丁字のように見える
「鳥足縫」も「三叉の相」は3つの筋に分かれているという意味で、現代の丁字と同じ用法であることが分かります。また、「三叉路(さんさろ)」という丁字路に近い言葉もあります。
T字路(ティー)は新しい言葉
一方でT字路は丁字路よりも新しく誕生した言葉です。
正式な由来は不明ですが、 「丁」と「T」の形状が似ていることや、発音も「テイ」と「ティー」と近いことから、T字路という言葉が生まれたと考えられます。
近年はアルファベットが広く普及したこともあり、T字路という言葉も一般的になってきました。
そのため、放送用語では「丁字路」と「T字路」、どちらも用いて良いことになっています。
本来は「丁字路」が正式な言葉
丁字路とT字路、どちらも間違いではないのですが、日本における法律上(道路交通法など)の用語としては「丁字路」が正式なものになります。また、丁字路は明治時代の小説にも頻繁に登場します。
交差点 十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。
一方で「T字路」という表記が見られるのは最近になってから。つまり、本来は丁字路の方が正しいということになります。
現代はどちらでもOK
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トの字になっている道路も「丁字路」または「T字路」と呼ぶ
©Masaharu Shirosuna/stock.adobe.com
長々と説明してきましたが、丁もTも三叉路を表すことに変わりはなく、今ではどちらも正しいという認識が浸透しています。
ただし、道路交通法においては明確に丁字路を用いているので、そこだけ気をつけるようにしましょう。
丁字路・T字路をもっと詳しく知るにはこちら
丁字路(てい)と T字路(ティー)正しいのは?交差点の優先道路や事故の過失割合は?
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