5代目カローラに初登場!満を持して誕生したFF車
画像の個体は1984年式「カローラ セダン 1600GT ツインカム16」
5代目カローラは1983年のデビュー。1966年に初代が誕生してから4代にわたり爆発的ヒットを飛ばし、大衆車の代名詞と言っても過言ではない盤石の地位を確立していました。しかし、市場では居住性・軽量化などに有利な前輪駆動車(FF)が台頭。トヨタもタ―セル・コルサに初搭載したのを始まりに、ビスタ・カムリへと幅を広げ、ついにカローラへの搭載を決定。5代目のセダン・リフトバックに採用されることとなりました。また、レビンはスポーツ性重視の観点から従来通り後輪駆動(FR)としています。
5代目カローラのボディバリエーションは、先代まで展開されていた2ドアセダン・3ドアリフトバックが廃止され、4ドアセダン・5ドアリフトバックがラインナップ。さらにカローラレビンとして2ドアクーペ・3ドアハッチバッククーペがラインナップしました。なお、バン・ワゴンも展開されましたが、これらは5代目を名乗らず、4代目のマイナーチェンジとした扱いとしています。5代目カローラは1985年ビッグマイナーチェンジを実施。1987年5月、6代目カローラにバトンタッチをしています。
「5代目カローラ AE82」見た目はノーマルで実にシンプル
5代目カローラには名機と呼ばれるトヨタの4A-G型エンジンを搭載するセダンが存在。そのセダンこそが1984年に一足遅れて追加された「カローラ セダン 1600GT ツインカム16」です。この通称AE82型セダンの誕生には、当時賑わいを見せていた小型ハッチバック市場にトヨタが投入した派生車種「カローラ FX」が深く関わっています。FXに設定されたレビン同等のパワーを持つホットモデル「1600 FX GT」用のエンジンを、セダン型に搭載したモデルがAE82型カローラとなるのです。
AE82型セダンのデザインは、シンプルで硬派なスラントノーズに角型2灯のヘッドランプを持つボクシーなスタイル。バンパーはボディと同色の樹脂製、ミラーもドアミラーが採用されるなどノーマルグレードと変わりなく、唯一、リアに「GT TWIN CAM 16」のバッジが入れられ、他グレードとの差別化が図られました。内装ではFF車のメリットを最大限に利用し、低床化とフラットな床面を実現。室内も広く快適な居住空間を確保しています。
カローラ AE82型は名機エンジン搭載のホットセダン
個体はマニュアルとなるが、クラス初の電子制御式4速ATも装備
カローラ AE82型セダンのメカニズムでの特筆すべき点は、何といっても歴代初となる前輪駆動(FF)が採用されたことでしょう。エンジンは1.6L 直列4気筒DOHCの4A-GELU型。この4A-G型エンジンは、カローラレビンではエンジンを縦置き、AE82型セダンでは横置きとされました。サスペンションはフロント・リアともストラット式で4輪独立懸架を採用。最高出力は130psを発揮するホットセダンとなりました。ちなみに、この記事で使用する画像の個体は、まさに1984年に誕生した「カローラ セダン AE82型」です。
参考までに紹介すると、セダン AE82型が誕生するきっかけとなったカローラ FXのホットハッチである1600 FX GTは、国産初の2ボックスDOHC搭載モデル。当時のグループAレーシングマシンとしても活躍し、全日本ツーリングカー選手権ではシビックと激戦を繰り広げたことでも知られます。1600 FX GTと同じエンジンを搭載したAE82型カローラセダンは、ハイパワーエンジンと居住性の高さを併せ持った名モデルと言えるでしょう。
5代目カローラ AE82は流通するだけで超稀少!
カローラ AE82型セダンは、カローラレビンのようなメジャーモデルと違い、ある意味知る人ぞ知る存在。そのため、解体されてしまったケースも多く今では中古車市場に流通するだけで超稀少なモデルとなっていて、現在、流通している中古車は存在しません。(2019年12月時点)
5代目カローラ AE82のスペック詳細
下記のスペックは1984年発売の「カローラ セダン 1600GT ツインカム16」のものです。
エンジン:1.6L 直列4気筒DOHC(4A-GELU型)
最高出力:130hp/6,600rpm
最大トルク:15.2kg・m/5,200rpm
ボディサイズ:全長 4,235mm 全幅 1,655mm 全高 1,380mm
ホイールベース:2,430mm
車両重量:930kg
トランスミッション:4速AT/5速MT
駆動方式:FF
乗車定員:5人
新車時車両価格:-
*本記事の画像は2019年9月にMEGA WEB トヨタ シティショウケースにて開催された新型カローラ・カローラ ツーリング メディア発表会にて撮影
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