運転免許証とマイナカードが統合へ
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政府は、運転免許証とマイナンバーカード(通称「マイナカード」)を統合する方向性で調整しています。
マイナンバーは全ての国民にすでに通知されていますが、身分証明書として使える「マイナカード」の作成は強制ではありません。全員に送付されるのは「マイナンバー通知カード」およびその書類であり、マイナカードを作成するには別途申請手続きが必要となります。
しかし、運転免許証がマイナカードと統合されるとなれば、マイナカードを持っていなければ運転できないことになります。
つまり、現在および以降も車を運転する人は、マイナカードを作成する必要が出てきます。(マイナンバー通知カードは身分証明書として有効でないケースも多く、また免許証との統合はなされません)
2026年予定が2024年に前倒しの可能性も
2020年10月の時点では、免許証とマイナカードの統合は2026年を目処にしているとの報道がありました。
しかしその後、政府は「マイナンバーカードを持つメリットを高めるために、運転免許証とマイナンバーカードの一体化はできるだけ前倒しにする」と表明。これにより、統合は2024年に前倒しされる可能性が高くなったのです。
公的書類にマイナンバーの記載が必要になってしばらく経ちますが、現時点では「マイナンバーさえわかればOK」という事情が多いため、わざわざマイナカードを作成せずとも、通知カードさえ手元にあればじゅうぶんという人が多いようです。
そのためマイナカードを申請・作成するメリットはほとんどなく、普及率は10~15%程度でした。
これを危惧した政府は2020年7月、マイナカード普及策として、カードを持つ人を対象とした食事や買い物に使える最大5,000円分の「マイナポイント」を還元する申込み受付けを開始。これによりマイナカード申請率は急増し、普及率は25%を超えたといいます。
政府は、免許証との統合が実質的なマイナカードを持つメリットのひとつとなり、普及率アップにつながるとしています。
マイナカード、免許証、保険証3つが統合へ
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政府は免許証のほかに、保険証もマイナカードと統合させる予定で動いています。将来的には、マイナカード(身分証明書)、運転免許証、保険証の3つの情報が、1枚のカードに集約されるようになる予定です。
さらには、マイナカードの機能をスマホに搭載することも検討しており、2020年11月には検討会が開催されています。
マイナンバーカードには「署名用電子証明書」「利用者証明用電子証明書」という2種類の電子証明書が格納されているのですが、これらを本人確認書類として、内閣府の電子申請サイト「マイナポータル」へのログインやオンライン申請が可能になります。
現時点ではこの手続きのたびにスマホなどでマイナカードを読み込む必要があるのですが、スマホにマイナカードを登録できるようになれば、2回目以降はスマホのみでログインが可能になるのだとか。
まだ仕組みは検討中ということですが、流れだけ聞くと実現可能な内容ではないでしょうか。
マイナンバーカードが免許証の代わりになるとどうなる?
免許証とマイナカードが一体化することのメリットは、以下の通りです。
- 運転免許証の住所変更はオンライン申請へ
- 免許更新時の講習はオンラインで受講へ
- 交通違反時等、警察官の運転免許証の確認はマイナカードのICチップで
いずれもオンライン手続きがスムーズになり、ペーパーレス化や人員削減などにもつながるでしょう。
一方で、スマホまたはPCの所有やオンライン環境の整備が必須となるため、環境が整えられない事情がある人や、IT機器に詳しくない人などへの配慮という点で不安があります。
運転免許証の住所変更手続き方法マニュアル|運転免許Q&A
【運転免許証の更新マニュアル】いつ?どこで?何が必要?早く済ませる方法は?|運転免許Q&A
運転免許証のどこにマイナンバーが記載されるの?
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現在、免許証にはマイナンバーは記載されていません。免許証とマイナカードが統合されると、マイナカードのみが手元に残ることとなります。
つまり、「運転免許証にマイナンバーが記載されるようになる」といった単純な話ではなく、現在持っている免許証そのものが手元から無くなるということです。
マイナカードにはICチップが付いていますが、免許証と統合された際は、「免許証交付年月日」「有効期限」「免許の種類」「免許証番号」などがマイナカードのICチップへと登録されることになります。
運転免許の取得日の確認方法・履歴書の書き方・交付日との違い【運転免許Q&A】
免許証やマイナンバーカードの写真はどうなるの?
マイナカードに用いる写真は、独自の寸法や撮影条件が定められています。そのため、免許証との統合を見据えてマイナカードを申請・作成する際は、改めて写真を撮り直す必要があります。
免許証の写真をそのまま使うことはできませんので注意しましょう。
また、マイナカード用の証明写真は条件が厳しいことでも知られています。例えば、以下のようなNG事項があります。
- 太い縁のメガネNG(目や顔を覆う面積が大きいメガネ)
- 眼鏡を浅くかけていてフレームが目にかかっているとNG
- カラコンNG
- 顔の輪郭が隠れる髪型NG(触覚ヘア要注意!)
明らかに免許証の写真よりもNG事項が厳しいのです。マイナカードを申請する際はじゅうぶん注意しましょう。おすすめは、証明写真撮影ボックスで「マイナンバーカードOK」の機種を探すことです。
【マイナンバーカード総合サイト】顔写真のチェックポイント
【運転免許証の写真を100%盛る】持ち込み方法と服装やメイクの規定&おもしろくできるか挑戦!
一体化するデメリットはないの?
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免許証とマイナカードの統合方法について、詳しいフローはまだ決まっていません。それゆえ、いざ一体化するとなった場合の手続き上の面倒事や不具合については、まだなんとも言えません。
しかし、マイナカード、免許証、保険証という、重大な個人情報を1つのカードに統合させることで考えうるリスクや不安としては、やはり紛失・盗難が考えられます。
紛失・盗難に遭ったときのリスクが増える
管理上は、カードの数が少ないほうが紛失する機会は少なくなります。しかし、現在はあまり使用する頻度が少ないマイナカードを、普段は自宅で保管しているという人もいるかもしれません。
免許証と統合された場合、マイナカードを携帯することになりますので、免許証情報よりもさらに重大な個人情報を持ち歩く不安が出てくる人もいるでしょう。
とはいえ、政府もマイナカードの持つ個人情報の重大さには配慮しており、マイナカードの紛失・盗難の際は24時間365日体制で一時利用停止を受け付けています。
また、顔写真入りのためなりすましも困難ですし、マイナカードから個人情報を閲覧しようとしても暗証番号がわからなければログインできません。
紛失・盗難へはじゅうぶん備えられているといえるでしょう。あとは国や行政のデータベースから個人情報が流出しないよう、セキュリティをしっかりしてほしいものです。
スマホまで連携させると利用できない人が出てくるかも…
前述の通り、政府は将来的にマイナカードの機能をスマホに搭載することも検討しています。
スマホやインターネット接続に馴染みがない人は、こうした機能を利用できない可能性が出てきます。
しかし、これによりマイナカード自体の機能が失われるというわけではなく、持ってさえいれば行政や金融機関の手続きは引き続き可能でしょう。
一部の人が不便を被る仕組みではなく、何通りかの利用方法を設けるなど、政府や各種機関には柔軟な対応を期待します。
【運転免許証の紛失・き損 再発行マニュアル】方法・流れ・料金・期間は?|運転免許Q&A
一体化は強制?拒否できないの?
現状、マイナカードの申請・作成は任意となっていますが、免許証と一体化するとなればマイナカードを作らざるを得ない人が急増します。そのため、実質的な強制となってしまいます。
言葉が悪くなってしまいますが、むしろ政府はそれを狙っており、「免許証と一体化させれば皆、マイナカードを作らざるを得ないだろう」ということなのでしょう。
2024年に一体化が実現されるようなら、直前になって慌てないよう、ドライバーの皆さんは早めにマイナカードを申請・作成しておきましょう。
【2021/03/10追記】マイナカードがない人には現行の免許証発行が続けられる
コメントで「マイナンバーカードと統合したくない人は現行の免許証を交付が認められる」という指摘をいただきました。
再度確認したところ、「警察庁は、一体化してもマイナンバーカードを持たない人などを対象に現行の免許証の発行を続ける考え」という内容が確認できました。
つまり、実質的にマイナンバーカードと免許証の一体化を拒否できることになります。しかし「拒否できる」と明言している情報サイトや記事はないようでした。
まだ予定ですが、統合の際はこのようなフレキシブルな対応を願いたいものです。
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