酷道とは?
みなさんは酷道(こくどう)をご存じですか?
酷道とは、文字通り「酷(ひど)い状態の国道」を指し、同じ読みの国道(こくどう)に掛けた言葉です。みなさんも「この道路酷だな」「この道路危な過ぎるな」と思った経験があるかもしれません。
今回は、そんな酷道を日本にあるものに絞ってまとめてみました。
険道とは
同様の意味で使われる言葉で「険道」というものがあります。これは通行が困難な道が国道であった場合は「酷道」県道であった場合は「険道」という使い分けであり、意味としては同じです。
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日本三大酷道と呼ばれる国道
まずは、マニアの間では密かに有名「日本三大酷道」と呼ばれる「国道」を順番にご紹介します。
日本三大酷道① 国道439号線
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日本三大酷道の1つ目は、徳島県徳島市を起点とし、高知県四万十市を終点とする国道です。
439という数字から「ヨサク(与作)」とも呼ばれる国道で、テレビや雑誌などでも紹介されたことがあります。四国きっての酷道として知られている439号線は、そのほとんどが自動車一台分しか通ることができません。
またコケや落ち葉が路上を覆っていたり、崩れやすく脆い崖があります。
日本三大酷道② 国道425号線
出典:https://ja.wikipedia.org/ Author:Kansai explorer CC 表示 – 継承 3.0/CC BY-SA 3.0
日本三大酷道の2つ目は、三重県尾鷲市を起点とし、和歌山県御坊市を終点とする国道です。
ガードレールが設置されていないうえにとても細い道が続いており、落石や路肩崩落などの災害も多い国道で、御坊市から田辺市にかけてほとんど整備が進んでいません。道沿いにはお店やガソリンスタンドもほとんど見当たらないため、運転に慣れている方でも通行が非常に危険な国道です。
日本三大酷道③ 国道418号線
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最後にご紹介する日本三大酷道は、国道418号線です。
福井県大野市を起点とし、長野県飯田市を終点とする国道で、国道157号線の重複区間である温見峠から尾並坂峠、平谷峠、売木峠などの峠を越えていく線形になっています。
この国道418号線は「キングオブ酷道」とも呼ばれていますが恵那・八百津間に通行止めとなっている区間があり、ここは事実上の廃道となっています。通行止めになる前の区間であっても道路はとても細くなっています。廃道となっている部分は、今ではもう国道の見る影もありません。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第10位 国道152号線
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第10位は国道152号線。長野県上田市を起点として、茅野市を経由し静岡県浜松市を終点とする国道です。
静岡県と長野県の境にある青崩峠、長野県内の大鹿村と飯田市の間にある地蔵峠は行き止まりとなっています。その代わりに舗装された林道がつながっていますが、車一台分ほどの幅しかなく、そのうえ冬季は閉鎖されています。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第9位 国道166号線
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第9位は国道166号線。大阪府羽曳野市を起点として、三重県松阪市を終点とする国道です。
この国道はなんと住宅街のなかを抜けていく道です。また南阪奈道路が自動車専用道路になっているため、旧道が国道指定のまま残っています。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第8位 国道352号線
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第8位は国道352号線。新潟県柏崎市を起点として、栃木県河内郡上三川町を終点とする一般国道です。
豪雪地帯のため冬季は通行止めになっています。また断崖絶壁に沿った細い道路や、道路と川が平面交差している「洗い越し」がたくさんあります。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第7位 299号線
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第7位は国道299号線。長野県茅野市を起点として、群馬県多野郡上野村、埼玉県秩父市を通り、埼玉県入間市を終点とする国道です。
長野県茅野市から麦草峠を越えるルートはメルヘン街道と呼ばれる高原道路で、観光道路となっています。しかし、長野県と埼玉県の境にある武州街道と言われる十石峠は、道路幅がとても狭く、自動車一台通行するのがやっとです。観光道路から酷道まである299号線は話題に富んだ道と言えます。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第6位 471号線
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6位は国道471号線。石川県羽咋市を起点として、岐阜県高山市を終点とする国道です。
この区間は豪雪地帯であるため、12月から5月にかけて閉鎖されます。さらに奥飛騨の山岳地帯を通過する富山県富山市から岐阜県飛騨市の一部区間は、自然災害によって被害を受けやすいため、1年の大半は通行止めになっており、「開かずの国道」と呼ばれています。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第5位 339号線
第5位は国道339号線。青森県弘前市を起点として、同県東津軽外ヶ浜町を終点とする国道です。
東津軽群外ヶ浜町三厩竜飛の竜飛灯台付近から帯島付近を結んでいるこの国道は「階段国道」と呼ばれています。日本で唯一階段が国道に指定されている339号線。362段続く階段国道を上ると、竜飛灯台に続く「階段町道」もあります。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第4位 国道265号線
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第4位は国道265号線。宮崎県小林市を起点として、熊本県阿蘇市を終点とする国道です。
この国道の阿蘇山周辺の箱石峠付近では、九州随一の絶景を望むことができます。また「ひむか神話街道」という観光道路もあります。
しかし、もともとは山深い南九州を縦断するための林道として整備されたので、一部の区間でまだ未改良な細い道路が続いています。細い上にカーブも多く、またガードレールもない区間が多いので、観光道路として知られる一方で、九州きっての酷道としても有名です。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第3位 国道291号線
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第3位は国道291号線。群馬県前橋市を起点として、新潟県柏崎市を終点とする国道です。
この区間の、群馬県みなかみ町と新潟県南魚沼市との境にある清水峠は、明治時代に当時の国道8号線として開通した道路です。(現在の国道8号線とは別物です)開通した当時は、まだ自動車ではなく馬車の時代。馬車同士がすれ違うことができる馬車道やトンネルなど、当時としてはとても高規格の山岳道路でした。
しかし、開通からほどなくして自然災害が相次ぎ、トンネルも崩壊。現在では事実上の廃道となっています。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第2位 国道324号線
出典:https://ja.wikipedia.org/ Author: Sanjo パブリック・ドメイン
第2位は国道324号線。長崎県長崎市を起点として、熊本県宇城市を終点とする国道です。
この国道は日本で2例しかないアーケードの国道です。この区間は、午前5時から午前10時までの5時間しか自動車および原付は通行できません。それ以外は歩行者専用の通路となります。ちなみに、もうひとつのアーケード国道は大阪府を通る国道170号線にあります。
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日本三大酷道以上の酷道ランキング第1位 国道157号線
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栄えある第1位は、石川県金沢市を起点として、福井県大野市を経由した後、岐阜県岐阜市を終点とする国道157号線です。こちらの国道は本州屈指の酷道として知られています。
断崖絶壁の細い道路にもかかわらずガードレールやカーブミラーがなく未整備状態なのはもちろん、「川を渡る国道」の代名詞となるほど洗い越しがあります。極め付けは福井県と岐阜県の境にある温見峠入り口にあるこちらの看板。
出典:https://ja.wikipedia.org/ Author:ノリ CC 表示 – 継承 3.0 / CC BY-SA 3.0
なんともインパクトのある看板です。急勾配と急カーブが連続する山岳道路で、洗い越しも数多くあります。
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酷道が人気!でも要注意
趣味で酷道を通行する人々
日本三大酷道以上の酷道をご紹介しました。実は現在、趣味で酷道を通行する人々もいるほど盛り上がりを見せています。酷道を写真や動画に残し、インターネットで配信する人々や、レポートや旅行記のようなものを書いて発信している人々もいます。
また酷道を集めたDVDや単行本も発売されています!酷道は、いつのまにか人々の人気をあつめ、一つの観光名所的な役割を果たしているといえます。
通行する際はくれぐれも気を付けて!
階段国道やアーケードの国道など、観光名所になっている国道もありますが、なかには道路状態が非常に危険な酷道も数多く存在します。酷道を走るスリルや、非日常の道路を走る楽しみはもちろんですが、自動車を運転する以上、危険は伴います。
楽しい酷道ドライブで事故にあってしまったら元も子もありません。通行する際は十分注意して、酷道ドライブを楽しみましょう。
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