RUF(ルーフ)とは?
RUF(ルーフ・オートモービル)とは、ドイツ南部のファッフェンハウゼンにある自動車メーカーです。
RUFの名前が世界に知れ渡ったのは1987年。「RUF CTR(通称:イエローバード)」が、米 Rord&Track誌主催の最高速テストにて、333.6km/hという当時の歴史的記録を打ち立てたのがきっかけでした。さらに1989年には、独Auto Motor und Sport誌主催の最高速テストにて342km/hを達成*。以降も、あくまでポルシェのシルエットを崩さず、ハイパフォーマンスを追求したモデルが次々と輩出され、現在に至ります。
*ちなみに、最高速テストは直属ファクトリーのサポートを受け、市販仕様よりもパワーやスペックを向上させて参加するメーカーがほとんど。しかしRUFはアロイス・ルーフ社長の自走で登場し、そのままの状態で最高速度を記録。RUF CTRは当時の公道車として世界最速モデルであることを証明しました。
ポルシェからパーツやコンポーネントの提供を受けており、リスペクトをふんだんに込めながらも、独自のスタイルに基づくクルマ作りを徹底。提供されたパーツをすべて1から吟味し、RUFのスポーツカー構築の方程式に沿って、完全に別の自動車モデルに仕立て上げるのが特徴です。
RUFのモデルはコアなスポーツカー好きには垂涎の的。1台1台手作りの少数生産となっています。
RUFラインナップ最強のターボモデル「RtR」
RUF RtRは、現時点で販売されているRUFラインナップの中で最強のパワーを誇ります。「RtR」は、「RUF Turbo Rennsport」の略。「Rennsport(レンシュポルト)」はドイツ語で「純粋なスポーツ」を意味します。由来の通り、RtRは純粋にスポーツ走行を愉しみたい人に向けられた、モダンかつスポーティなモデルです。
991型ポルシェ 911カレラの遺伝子を継いでいますが、RUF独自のボディ構造やエンジン、スポーツ走行の最適解を導き出すボディスタイリングが特徴。吹き飛んでいくようなスピード感や、後輪駆動の上質なドライブフィールで限界走行を愉しむのはもちろん、ちょっとした日常のドライブにも刺激が加わる魅力的なマシンです。
RtRのボディ構造やパワートレインの詳細については、以降にて解説していきます。
こちらは現行ポルシェ 911カレラ(911型)。RtRは歴代ポルシェターボの歴史を踏まえ、その延長線上にさらに進化させたモデル。
800馬力を超えるモンスタースペック!
エンジン種類水平対向6気筒ツインターボ排気量3.8L最高出力590[802]/7,300最大トルク990[100]/4,500トランスミッション6速MT駆動方式RR/4WD使用燃料ハイオク[単位]最高出力:kW[PS]/rpm 最大トルク:N・m[kgf・m]/rpm
RtRが搭載するのは、RUF製の水平対向6気筒(通称 フラット6)ツインターボエンジン。最高出力は802馬力で、ポルシェ 918スパイダー(最高出力 887馬力)のようなハイブリッドカーを除けば、歴代を含むあらゆるポルシェのモデルを凌駕するハイパワーカーといえます。
強力なエンジンパワーを手なずける要素として、リアにレイアウトされたエンジンに後輪駆動を組み合わせたRR(リアエンジン・リアドライブ)と、世界一と評されるポルシェのセラミックコンポジットブレーキを採用。
RR方式を採用することで、トラクションの掛かりやブレーキングの安定性に優れた、コントロールのしやすい運転が可能に。フルスロットルで飛ばしたあとは、セラミックコンポジットブレーキが一気にパワーを受け止め、スマートなコーナリングが実現します。
マシン性能を引き出すボディへの工夫も
RtRのボディスペック
全長全幅全高4,491ナローボディ:1,860
ワイドボディ:2,0121,295ホイールベース車両重量乗車定員2,4501,4904[単位]全長・全幅・全高・ホイールベース:mm 車両重量:kg 乗車定員:人
2種類のボデイラインナップ、いずれも堅牢なつくり
RtRには、全幅の異なる「ナローボディ」と「ワイドボディ」の2種類がラインナップされています。ナローとワイドの全幅差は約150mm。この差は、フロントとリアのフェンダーの厚さによるものです。
ワイドボディには、設置幅が広いタイヤを履くことができる、トレッド(左右の車輪の中心間距離)が広がるなどのメリットが。コーナリングでの安定性が向上する効果が得られます。
一方のナローボディは、正面からの外観が少しスリムに仕上がっており、空気抵抗を抑えるアドバンテージが。ワイドボディと比べても遜色ないスポーツ走行に加えて、取り回しの良さも特徴です。
いずれのボディにも、RUF特性の鋼製一体型ロールケージ(integrated roll cage:IRC)が採用されており、ねじり剛性は大幅にアップ。RtRが得意とする高速走行でも、安全性や乗り心地を損なわないように備えられています。
ダクトはリアフェンダーの真上に
全幅以外に特徴的なのは、インタークーラー(※)を効率よく冷却するために必要となるリアフェンダーのダクト位置。ポルシェのモデルにはフェンダー側面にダクト位置があるものが多いですが、RtRはフェンダー真上に丸型の大穴が空いています。
※吸気温度を下げて同じ圧力でもより多くの酸素をエンジンに取り込むための装置
このダクト位置は、リアに強力なターボエンジンを据え置くRtRには重要となるポイントです。これによりインタークーラーを冷却し、ターボチャージャーに安定してパワーを供給することができます。また、リアへのダウンフォースを増加させ、高速走行でも安定した走りやコーナリングを可能にします。
RtRの新車車両価格
RtRの新車車両価格は、国内向け公式サイトの車種紹介ページをご参照ください。