風水で運気アップできるなら実践したいけど、実際に何をどうすればいいのかわからない……という女性は多いはず。
恋愛運や結婚運、金運を上げるには、どんな色や方角、行動を意識すればいいの? そもそも風水って何?
そんな素朴な疑問に応えてくれるのが、テレビや雑誌などさまざまな分野で活躍する風水師の李家幽竹先生。
まずは風水の基礎知識からじっくり学び、自分のほしい運を呼び込みましょう!
■風水とは何か
風水を実践するには、正しい基礎知識が不可欠です。風水と占いの違いや、期待できる効果などをまずは知りましょう。
多くの女性に支持される李家幽竹先生ならではの風水の基本を教えていただきます!
◇占いとは違う? 風水って何?
風水とは、自分の環境を整えて運を呼び込むたのめのマニュアルです。
風水では、運は生まれ持ったものではなく、後天的に得るものだと考えます。たとえば、「男運がない!」と思っている人は、男運がない環境をつくっている自分に原因があるのです。
筋肉を鍛えるための筋トレと同じですね。風水も実践しなければ運が身につきません。
風水と占いをよく一緒にされがちですが、違うものです。大きな違いは運を得るために行動するか、しないか。
占いの場合は「今年11月に素敵な出会いがありますよ」と言われたら、みなさん何もせずに待ちますよね。ところが風水の場合は、出会い運がほしければその運を得るための行動をします。行動する人にしか運がやってこない、そこが大きく違います。
◇風水の効果とは
風水を実践した人は、ほぼ100%に近い確率で自分のほしい運がやってきます。ただし、そのスピードは人それぞれ。
たとえば旅行風水というものを実践して、出会い運をアップさせようとしたとします。同じ期間に同じところへ行ったのに、出会いがある人とない人がいるはずです。それは生きてきた過程の違いなんです。
みなさんは“運のコップ”というものを持っていて、すでにコップの中身の運がどれだけ溜まっていたかによって同じことをしても結果は変わります。それまでの生き方や考え方、環境で溜まっている量はひとりひとり違います。それがいつ溢れるか、つまり運気を得るかという違いとなって現れるのです。
自分の運にとってのマイナスをなくし、自分のほしい運に特化した行動をすれば、いずれ必ず自分の望む効果が現れますよ。
◇李家幽竹の風水の特徴
李家幽竹の風水は、韓国における李朝時代の風水がベースになっています。
風水は約5000年前に中国で生まれた学問で、もともと良い土地を探し出して家や墓を建てたり、街づくりや国づくりのために使われてきました。国土面積の広い中国では、その土地の都合が悪ければ別の場所へ家を引っ越したり、都の遷都をしたりすることも可能でした。
しかし国土面積の狭い朝鮮半島では、今ある生活や環境をどう活かせばいいかという身近なところから、運を鍛える学問として進化していったのです。
そうした李朝時代の風水が、同じように国土面積の狭い日本でも取り入れやすかったのだと思います。
現在は主に、家族の幸せや一個人の生活にフューチャーして、衣・食・住・行動全般にわたるアドバイスを行っています。
■風水の基礎知識。風水と五行
風水を実践する前に、まず知っておきた基礎知識を学びましょう。
風水の考え方のベースである「陰陽五行説」や、ほしい効果が期待できる色、方角とは?
◇陰陽五行説(五行思想)とは
風水の考え方の基本は、「陰陽五行説」にあります。自然界のすべてのものは「木・火・土・金・水」の5つの要素(五行)に分類され、「陰」「陽」いずれかの性質を持つという考え方です。
☆五行
たとえば、「木」は木製のもの、「火」はプラスチック製品や化繊類、「土」は陶器、「金」は金属や鉱物、「水」はガラス製品(暗い場所に置いた「陰」に属するガラスは「水」、明るい場所の「陽」に属するガラスは「火」になる)などに当てはまります。
物だけでなく、人間も女性は「水」、男性は「火」に属すると考えます。
☆陰陽
「陰・陽」は互いに相対する性質を持ち、互いに支え合いながら成り立っています。
たとえば、男性は「陽」、女性は「陰」。また、「明るい」「暖かい」「昼」「天」などは「陽」、「暗い」「寒い」「夜」「地」などは「陰」に属します。
陽が良くて陰が悪いというわけではなく、陰陽のどちらも大切な要素。このバランスが物事の調和を保つと考えるのが「陰・陽」なのです。
◇五行の相性
「木・火・土・金・水」の五行には、それぞれお互いを生かし合いながら運気を強めていく「相生(そうじょう)」と、お互いが対立し合って運気を低下させてしまう「相剋(そうこく)」という関係があります。
たとえば、金属は土から生み出されるため、「金」と「土」には「生まれる」という気が生じます。これは「相生」ですね。
一方で、「水」は「火」を消してしまうため、生み出す力が存在せず、互いの気を消滅させてしまいます。この関係は「相剋」です。
風水を実践していくためには、こうした「相剋」となる関係を避け、「相生」の関係を上手く使っていくことが大切なのです。
◇五行思想における方角
風水では、方角についても「五行」をベースに考えます。それぞれの方角の持つ運気を理解し、上手に利用してみましょう!
☆北(水)
悪い気を流す作用あり、愛情や性をつかさどる方位(恋愛運/金運/セックス運/信頼/秘密を守る力)
☆北東(土)
高い山を示し、大きな変化と継続を表す方位(相続/不動産運/貯蓄運/転職/転居/良い変化)
☆東(木)
太陽が昇る東は、若さや発展運を象徴する方位(仕事運/発展運/勉強運/若さ/情報/音)
☆東南(木)
発展を促し、縁を引き寄せ風を呼び込む方位(結婚運/恋愛運/旅行運/縁全般/香り)
☆南(火)
美や知力をつかさどる方位(人気運/ビューティー運/知性・直観力/芸術/別離)
☆南西(土)
畑のような低い土地を示し、土の気が最も強い方位(家庭運/健康運/不動運/安定/努力)
☆西(金)
豊かさや楽しみごと、全般を表す方位(恋愛運/金運/商売運/楽しみごと)
☆北西(金)
仕事運や援助運をつかさどる。別名・主人の方位(出世運/玉の輿運/事業運/グレードアップ運/人からの援助)
☆中央(土)
これまでの結果を表し、今後の土台をつかさどる方位(総合発展運)
◇五行思想における色
色についても、各方位の運気をつかさどる相性の良いカラーがあります。
ただし、こちらの図に表示される色は「五行」の方角自体の色ではなく、その方角を生かす色が配置されていることを知っておきましょう。
たとえば五行における本来の色は、南は「火」なので赤色。だからといって南に「赤色」をもってきてはいけません。インテリアで南に赤いものを置けば、「火」のある方角にさらに「火」を加えてしまうことに。燃え上がって大変なことになりますよね。
南にライトカラーのグリーンなどを用いることは、木をくべて火を生かすという「相生」の効果が期待できるからです。
同じく北は「水」なので五行では黒色なのですが、方角を生かす色はピンク。
ピンクは女性の「水」の気を豊かにしてくれます。水の流れが豊かになれば、女性的な気や愛情、恋愛などの運が深まりますよ。
ちなみに、西は白色、東は青色が、五行の色です。
それぞれの方角をつかさどる気を良くするための色が、風水的に良い色となるのです。
方角別・運気の高まる色一覧
・北(水)……ベビーピンク/シルバー/白
・北東(土)……白/赤/ブラウン/オレンジ
・東(木)……赤/ペールブルー/ターコイズ
・東南(木)……オレンジ/ミントグリーン
・南(火)……白/ベージュ/ライムグリーン
・南西(土)……ベージュ/コーラルピンク/パステルイエロー/ライムグリーン
・西(金)……アイボリー/パステルイエロー/ピンク/ゴールド
・北西(金)……クリーム/ベージュ/オペラピンク/シルバー
・中央(土)……パープル
■風水の歴史
風水の発祥から現在に至る歴史を知れば、いかに人々に与える影響が偉大であったかがわかります。
中国や日本の名だたる偉人たち、そして国を動かした歴史とは?
◇風水の発祥
風水は今から約5000年前に中国で発祥したものです。神話上の名君である黄帝が天帝より、方位の吉凶を見定める占術の「奇門遁甲(きもんとんこう)」を記した天書を賜り、中国を統一したことが始まりとされています。
「風水」という名で呼ばれるようになったのは4世紀頃。それまで風水は、「地理学」や「相地」「ト宅」などと呼ばれていました。普の時代に郭璞(かくはく)が書いた「葬書」(墓地の選定書)の中で、「気は風に乗って則ち散じ、水に界れば則ち止まる。ゆえにこれを風水という」という記述がきっかけでした。
風水には中国の江西省で発達した「江西派(形勢派)」と福建省で発達した「福建派(理気派)」という2つの大きな流派があります。
江西派は、山の形など地形を重視するため、一般の生活には取り入れにくい部分があります。
一方、現在の風水のベースにもなっている「福建派」は、地相に加えて天文と地理の相応関係を重視しているのが特徴。五行や九星、八卦、十干、十二支などを用いて吉凶を判断しました。あらゆるものが五行に帰納されるため、時代や社会がどのように変化しても普遍的な原理に基づいて判断できるという利点があったのです。
風水は古代の人々が生きるために、自然を利用しながらより良い環境を探してきた学問なのです。
◇風水発展の歴史
こうして風水は、王都の設営やお墓の設計などを含める高度な環境学に発展していきました。「すべての道は長安に通ず」と謳われた大唐や、現代まで栄え続ける北京など、中国の歴史上栄えた多くの都はすべて風水によってつくられたのです。
風水が特に発展を極めた理由は、戦です。中国で大戦乱を巻き起こした春秋戦国時代に、軍師たちは風水を駆使して戦に臨みました。
風水は衣・食・住すべての環境が自分の運を決定づけます。軍隊にはそれを活用する環境があったわけですね。
『三国志』で名高い諸葛孔明をはじめ、中国史に名を刻む高名な軍師たちは、風水を駆使した兵法を実践してきた風水師でもあったのです。
◇日本における風水の歴史
日本に風水が本格的に伝わったのは、推古天皇の時代である602年頃です。きっかけは暦法を伝えたことでも知られる百済の僧侶・観勒(かんろく)が、風水の書物を日本に持ち込んだこと。
観勒を日本に招いた蘇我氏を通じて、風水は聖徳太子へと伝わることになります。聖徳太子は風水がとても気に入ったようで、風水のメッカである福建省に2人を派遣するほどでした。
そうして法隆寺にある八角形の夢殿から始まり、日本の神社仏閣や都づくりは風水が取り入れられるようになったのです。
藤原京から平安京に至るまでの日本の遷都の歴史も、同じく風水がベース。奇しくも風水を使わなかった長岡京は、災害が多すぎて10年で遷都されたという歴史もありますね。
◇現在の日本における風水
こうして日本に古くから根付いた風水は、戦国時代まで「陰陽道」という形で知識人に親しまれました。しかし、ある時期を境に日本から突然消されてしまったのです。
それは、徳川家康が風水を使って天下統一を果たしたときでした。なんと家康は、別の誰かが風水を使って天下統一を果たすことを恐れ、完全にその知識を封印してしまったのです!
江戸の街はすべて風水をベースにつくられていることが知られていますが、それ以降長い間、日本人は風水を取り入れることはありませんでした。ようやく日本に風水を復活させたのが、李家先生だったのです。
風水はトレンドであり、風水師はその時代のトレンドリーダーでした。それが約5000年も続いてきたカギでしょう。トレンドを無視すると学問は発展せずに消滅します。
李家先生は風水を女性向けに改良してきました。風水も、使ってほしい人たちのために、時代とともに変化していかなければならないのです。
風水の知識を身につけて日常をより良くしよう
風水を実践するかしないかは、運を良くしたいと思うあなた次第です。
風水はみなさんの軍師であり、身近なアドバイザー。正しい知識を身に着けて、自分にとって必要だと感じたものを実践するのが得策です。
魔法の杖があると言われて、振らないのはもったいないですよね。次回からは、いよいよ具体的な実践方法をご紹介します!
(監修:李家幽竹、文:水野久美)
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