「何か楽しいことはないかなぁ……」と思う時ってありますよね。だけど、どうやって探せばいいのか分からない、探してみたけれどイマイチどれもピンとこない、とお悩みの方も多いのでは。
今回は、心理カウンセラーの観点から、楽しいことの見つけ方をお伝えします。楽しいこと探しをしている皆さんの、お役に立てたらうれしいです。
■「楽しいことがしたい」ってどういう心理状況?
まずは、私たちが「楽しいことがしたい」と思う時、どんな心境にあるのかを確認していきましょう。
◇(1)毎日が同じ繰り返しで退屈に感じている
同じことの繰り返しが続くと、私たちの心は刺激に慣れて飽きてしまいます。
心は退屈を嫌う性質があるため、退屈を感じると気持ちが憂鬱になり「何か楽しいことはないか」と探し始めるのです。
◇(2)「生きがいが欲しい」と思っている
「自分らしく生きたい」とか「生きがいが欲しい」と感じる時、私たちは自分が楽しめることを探す傾向にあります。
人間は感情のある生き物なので、ただ安全で安心な生活を送るだけでは心が満たされないのですね。
◇(3)人生の切り替わるタイミングにいる
私たちは、より良い生き方に変えていきたいと思う時期に差し掛かると、今まで楽しいと感じていたことが急に楽しめなくなったり、自分が何に楽しみを感じるのか、どう生きていきたいのかを見失ってしまったりすることがあります。
変化のプロセス自体は喜ばしいことですが「楽しみを探さなくては」という焦りが出やすい時期でもありますね。
■楽しいことが見つからない理由
前述した状況から「楽しいことを見つけたい」と感じても、そもそも楽しいことが思い付かなかったり、見つけられなかったりするのには、実は心理的理由があります。
◇(1)完璧主義になってしまっているから
「こうあるべき」「こうするべき」と自分をルールで縛り付けていたり、完璧であることに意味を感じていたりする時、私たちは物事を楽しむことができません。
また、楽しみへのハードルも高くなってしまうため、楽しいことが何もない、思い付かないと感じやすいのです。
◇(2)心身共に疲れているから
睡眠不足や肉体疲労が重なると、私たちの体はもちろん、精神的にも余裕が無くなってしまいます。
楽しみが思い付かない、したいことが分からないと感じている時には、心や体が疲れていて楽しむどころじゃないという状態かもしれません。
◇(3)必死になり過ぎているから
楽しいことを探すという行動に必死になっている時、私たちの心は楽しさを感じにくくなってしまいます。
気負い過ぎず「そのうち楽しみが見つかるといいな~」くらい気楽な気持ちでいる方が、楽しいことは見つけやすいです。
◇(4)やりたくないことばかりをやっているから
「本当は定時で帰れるのだけれど、先輩に気を使って残業に付き合う」、「本当は愚痴を聞きたくないのに我慢して聞いている」など。
やりたくないことを我慢してやり続けている状態で楽しみを探すと、「楽しいことを探している時に楽しさを感じるだけで、結局やりたくないことを我慢してこなす日々」が続くため心が満たされません。
結果「何か楽しいことないかな〜」と楽しみを探し続けることになります。
■楽しいことの見つけ方10選
それでは、ここからは具体的に楽しみを見つける方法をお伝えします。ぜひ、試してみてください。
◇(1)何気なくやっている「やりたくないこと」をやめる
まずは、あなたが「やりたくないな」と感じることの中で、やめてもあまり支障がでないことからやめていきましょう。
楽しみを見つける前に、自分の中に新しい楽しみを入れる余白を作ってあげることが大切です。
◇(2)ゆっくり休息を取る
また、楽しむことにもエネルギーは必要です。
「休むことも、楽しむことの1つ」と捉え、きちんと休息を取ることが大事ですよ。
◇(3)「面白そう!」というインスピレーションを大切にする
「面白そう!」「やってみたい!」という興味や好奇心が、「楽しみ」を見つける最大のヒント。
「楽しめなかったらどうしよう……」とか「私なんかにできるかな?」という不安でかき消さず、あなたのインスピレーションを信じて行動してみてくださいね。
◇(4)興味があることをInstagramやYouTubeなどで調べる
動画や写真など、「視覚」に働きかける方法で脳に刺激を与えると、楽しみを見つけやすいです。
興味があるものだけでなく、いろいろなジャンルの写真や動画を見てみるのもおすすめ。きっと「楽しい」のヒントが見つかりますよ!
◇(5)好きな友達とのおしゃべりを楽しんでみる
誰かと話すことで自分の心を整理したり、情報を集めることが得意な人は、人との対話を大切にしてみましょう。
人と話している時に、「何か楽しみのヒントが聞けたらいいなぁ」と意識をしておくと、良い情報が舞い込んできやすいですよ。
意識的に「最近何か楽しいこととかあった?」と聞いてみるのもいいですね。
◇(6)試しに体験してみる
実際に体験してみることで、楽しめるかどうか分かることも多いです。
特に、その場の雰囲気や実際にやってみた感覚が大切だと感じる方は、まずお試し体験などにいってみることをおすすめします。
◇(7)楽しいことを考えて過ごしてみる
楽しいことを必死に探している時、私たちはあまり楽しさを感じていません。この状態では、目を瞑って楽しいこと探しをしているようなもの。
自分が求めているものとはちょっと違うかもしれないけれど、今少しでも「楽しい」と感じられることを考えながら過ごすことで、楽しそうなものを見つけやすくなりますよ。
◇(8)部屋の模様替えをしてみる
心理学では、部屋の状態は心の状態と一致するといわれています。
ですので、必要が無い物を捨て、家具の配置換えをすると心機一転、心もスッキリして余裕ができます。そして、不要な物が無くなって生まれたスペースに、新しい楽しみを取り入れることができますよ。
◇(8)感動的な映画や物語に触れて感情を動かしてみる
楽しさを感じるのは、「頭」ではなく「心」です。
そこで、積極的に感情を動かし、小さなことに対しても気持ちが揺れる状態を作り、「楽しさ」を見つけていきましょう。
◇(10)自分は何に楽しいと感じるのかを知る
昔、楽しめた趣味などを思い出し「なぜ、あの時楽しく感じたのだろう?」と、自分の楽しさを感じるポイントを探してみましょう。
例えば、ピアノが好きだった人であれば「弾けるようになった時の達成感」「好きな曲を弾ける楽しさ」「人に披露する時の喜び」など、同じ趣味でも楽しさを感じるポイントは人それぞれ違います。
自分を知ることで、楽しみを見つけやすくなりますよ。
■楽しいことは意外と身近にある
今まで一生懸命楽しみを探してこられた方なら、「私にはもう楽しいことなんて見つからないのでは……」と悲しい気持ちになっていらっしゃるかもしれませんね。
そんな方は、楽しみを見つけた時に「このぐらいのことは楽しみには入らない」と、せっかく見つけたものを否定している可能性が高いです。
楽しみは、人に自慢できるような立派なものでなくても良いのです。
他の人から見たら価値が無いことでも、何の変哲も無いささいな日常の1コマでも、あなたの心がちょっぴりでも「楽しいな」と感じたとしたら、それはあなたの人生にとって大切なものです。
今日食べたお昼ご飯がおいしかった。
今日は良い天気で気分が良かった。
今日見たドラマが案外面白かった。
あなたが感じている小さな楽しさを大事にするということは、あなたの感性や心を大事にするということと同じです。ぜひ、そんな小さな楽しさも大事にしながら、楽しいこと探しをしてみていただけたらなと思います。
あなたの心が喜ぶような楽しみが見つかりますように。応援しています!
(服部希美)
※画像はイメージです