SF時代活劇『虹色とうがらし』が8月28日(土)に東京・あうるすぽっとで開幕する。初日公演に先立ち、公開ゲネプロが行われた。
同作は、1990~1992年に連載されたあだち充の漫画「虹色とうがらし」が原作。“ある国”の“ある時代”に似た舞台設定なのだが、これは地球とよく似た星の未来の話。「時代考証口出し無用」のSF時代劇が描かれていく。
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七味(演:長江崚行)は、母親の他界をきっかけに、異母兄弟6人が暮らすからくり長屋を尋ねる。
紅一点の菜種(演:伊波杏樹)をはじめ、胡麻(演:桂鷹治)、芥子の坊(演:熊野利哉)、陳皮(演:木村風太)、山椒(演:猪股怜生・岡田悠李※ダブルキャスト)、そして旅に出ているという麻次郎(演:荒井敦史)。七味を含む7人全員、将軍・秋光(演:松田賢二)が若かりし頃に訪れた村々で出会った女性との子どもたちだった。
その事実を知らない本人たちだったが、秋光の隠れた庇護の下、平和な日々を過ごしていた。七味は菜種とだけはお互い素直になれずにいたが、長屋の生活には慣れていった。そんな矢先、「1人だけ血の繋がらない者がいる」という噂が舞い込む。
それぞれが身寄りをなくし、異母兄弟ながらも力を合わせて暮らしてきた彼らにとっては受け入れがたい話。一同はそんな噂話を一蹴し、それぞれの故郷と母親の墓参りを巡る旅に出ることに。
しかし、剣客の浪人・浮論(演:沢村玲)の暗躍、異人・バン艦長(演:富山バラハス)が持ち込んだ科学技術、秋光と弟・光宣のお家騒動とさまざまな問題に巻き込まれて…。
SFながらも時代劇という同作。兄弟それぞれ異なった武器を使った殺陣のシーンが多数盛り込まれており、迫力満点。また麻次郎と浮論、実力が拮抗する剣術の達人同士の対決が描かれるなど、緊張感のある場面も。
長江はひょうひょうとした雰囲気ながらも年頃の少年・七味を等身大に演じ、伊波は時には母親代わりになって兄弟たちを支えていく菜種の強さとしなやかさを表現。
また、貴光の息子ながら盗賊として暴れる省吾(演:釣本南)、無邪気で愛嬌のある琴姫(演:トミタ栞)、兄弟たちを常に気にかける忍者・半蔵(演:松原凛)の活躍にも注目だ。
ラブコメ要素や“メタ発言”の再現から、あだち充の世界観を感じられるSF時代活劇『虹色とうがらし』。9月5日(日)まで東京・あうるすぽっとで上演されるほか、9月5日(日)16:00公演は「PIA LIVE STREAM」でライブ配信が予定されている。
撮影:ケイヒカル