広島カープを、プロ野球を、いやいやスポーツ界をこよなく愛するイラストレーター、オギリマサホ。その愛ゆえか、職業柄か、なんだか気になる、なんとも魅かれる、スポーツ選手たちの顔、顔、顔……見渡せばスポーツ界にはイケてる顔面が大豊作。愛すべきその面々、ちょっと斜め下から分析しちゃいます!
球界一ちょんまげの似合う男前、キャラメル王子・祖父江大輔への期待〜祖父江大輔(プロ野球選手)
そぶえ・だいすけ●1987年、愛知県名古屋市出身。愛知大学、トヨタ自動車を経て、2013年のNPBドラフト会議5巡目で指名され、中日ドラゴンズに投手として入団。現在にいたる。
野球選手としては小柄ながら、速球のストレートと縦に変化するスライダーを武器に、中継ぎ投手として活躍し、2018年は51試合、2019年は44試合に登板した。
イケメンとは、どういう顔のことを言うのだろうか。
そんなことを改めて考えてしまったのは、スカパー!が全国20~79歳のプロ野球ファン2000人に実施した「プロ野球に関する調査2020年版」の結果を見たからであった。
この中に「イケメン(かっこいい)と思うプロ野球選手」という質問項目があり、結果は、1位坂本勇人(巨人)、2位小林誠司(巨人)、3位柳田悠岐(ソフトバンク)となっている。我がカープからはベスト10に鈴木誠也1人(8位)しかランクインしていない、ということはさておいて、そもそも坂本と小林と柳田の顔は随分方向性が異なっているではないか。
こうなると「イケメン」投票と言いつつも「贔屓のチームの選手だ」とか「好成績を残している」とか、顔の造作以外の要素が影響していそうな気もする。
そもそも、スポーツに没頭する選手達の姿というのは、誰であってもかっこいいものである。
「イケメン」とはそうした「雰囲気的なかっこよさ」も含めた言葉だとするならば、「スポーツ界のイケメン」でカバーできる範囲はとてつもなく広くなる。
では、これを「男前」としてみるとどうか。
とたんに昭和の香りが漂い、カバーされる範囲も狭まるように思う。
スポーツ界においては、イケメンの定義は難しく広い
「男前なスポーツ選手」。
たとえばラグビー界なら、平尾誠二、野球界なら定岡正二(元巨人)や蓑田浩二(元阪急、巨人)といった顔が浮かぶ。森脇浩司(元近鉄、広島、南海)などは、打席に立つと「森脇、森脇、男前! 南海の草刈正雄!」という声援が飛んだという、誰もが認める男前だ。
彼ら「男前」の共通点を挙げるならば、目が大きく鼻筋が通って彫りが深く、濃い顔立ちということだろうか。
思えば現在の芸能界においても「イケメン」は多数いるが、「男前」な俳優は少数派なのではないだろうか。それを最も感じるのは時代劇だ。総髪髷ならまだしも、月代を剃ったちょんまげ姿は、現代風の可愛らしい顔立ちのイケメンだとどうにも違和感がある。
やはりちょんまげが似合うのは「男前」であり、片岡千恵蔵や長谷川一夫など昭和の俳優はいずれもちょんまげが似合っていた。おそらく蓑田や森脇もちょんまげが似合うことだろう。
というわけで、現在のスポーツ界で「男前な選手」を探してみようと思う。
基準はただ一つ、「ちょんまげが似合うかどうか」。
こうした目線で選手を眺めていたところ、実によくちょんまげが似合うであろう「男前」を発見した。中日ドラゴンズの祖父江大輔である。
◇イケメンなのに変顔でキャラメルで王子
中日の中継ぎとして活躍する祖父江は、眼力の強めな整った顔立ちで、女性ファン向けのイベント「ガールズシリーズ」で行われる「イケメンコンテスト」の常連でもある。
しかし、同じく常連のチームメイト・髙橋周平や堂上直倫らに比べると、明らかに顔が濃い。
それはやはり、「イケメン」というよりも、ちょんまげの似合う「男前」である。
さらに祖父江は身長175㎝と、プロ野球選手としては決して背が高い方ではない。その体格もまた着物が似合う「男前」感を高めている。
このような男前で、マウンド上では鬼気迫る表情で打者に立ち向かう祖父江ではあるが、本人やチームメイトのSNSでは常に変顔で写真におさまっている。
また、祖父江の実家はキャラメルを主力商品とした菓子メーカーであり、入団時にはスポーツ新聞に「キャラメル王子」というキャッチフレーズで紹介された。
苦みばしった男前と変顔とキャラメル。そのギャップがまた素敵である。
いつかシーズンオフのファン感謝デーで、祖父江がちょんまげのカツラを被って仮装をしてくれないだろうか……ということを密かに期待しつつ、何よりもまずは6月19日に決まったという今シーズンの開幕を心から待ちたいところである。