クリス・ヴァン・アッシュがアーティスティック・ディレクターに就任したベルルッティの今季。前任のハイダー・アッカーマンのロマンティックなクリエーションが好きだったがゆえにどうなるかと思ったが……!
ストリートなコーデができるのもポイント。いずれもニューカマーのスニーカー「グラビティ」が映えるスタイリング。左:ブルゾン ¥446,000、シャツ ¥120,000、パンツ ¥83,500、靴 ¥130,000 右:ブルゾン ¥515,000、カットソー ¥78,000、シャツ ¥69,500、靴 ¥242,000〈すべてBerluti/ベルルッティ・インフォメーション・デスク〉
正直、蓋をあけてみるまでは不安でした。しかしそれは杞憂もいいところだった。箱の中には男なら素通りできない宝物がぎっしり詰まっていたのです(笑)。勝因はおそらく、テーラード・ベースのブランドであることがひとつ。これまでの仕事からも明らかですが、クリスは一貫してテーラードを愛してきた男ですからね。まさに水を得た魚のようでした。そしてもうひとつにはレディ・トゥ・ウェアの歴史が浅いメゾンだったことが挙げられます。歴史が浅かったということはすなわち、デザイナーの裁量が大きいということです。クリスは自由にみずからのアイデアを試すことができた。こんなに生き生きとしたクリスをみたのは久しぶりでした」
クリスはパティーヌ、スクリットといったベルルッティのアイコンに、クリスならではの男を美しく魅せるシルエットを掛け合わせた。そのデザインワークは〝奇をてらっていない〟という形容がぴったりで、ラグジュアリー・ストリートの新たな可能性を感じさせた。森口が合いの手の隙も与えず(笑)、一気にまくし立てたのも納得。新生ベルルッティからはしばらく目が離せそうにない。