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メジャーデビュー5年目となって登場したちゃんみなの3rdアルバムは、『ハレンチ』と名付けられた。“ハレンチ”という言葉に多くの人がマイナスイメージを持つであろうことを重々知りながらも、ちゃんみなは「世界で私が一番ハレンチっていう言葉が似合う。だからタイトルは『ハレンチ』」と笑顔で応えてくれた。
◆ちゃんみな 画像 / 動画
これまでにはなかった作風や新たな雰囲気の楽曲も含め、今のちゃんみなの多面性をそのまま表すアルバム『ハレンチ』は、ちゃんみな本人にとっても達成感を得ることができた充実の作品となったようだ。17歳でデビューして、いま23歳。ちゃんみなが放つ3rdアルバムは、果たしてどのような作品になったのか。
■レペゼンじゃないですけど
■日本を意識した作品にしたくて
──アルバムを作るにあたり、どのような構想を?
ちゃんみな:タイトルから出て来ているんです。
──ハレンチ?
ちゃんみな:まず「ハレンチ」っていうタイトルが出て来ました。今回は私が思うJ-POPに寄りたいと思ったんです。というかJ-POPというものに挑戦したいと思って、2021年の2~3月くらいからゆっくり作り始めて、で、スランプとかもあったりしてやっと完成した感じですね。
──どんなアルバムを作りたいと考え、どんなアルバムができるだろうと思っていましたか?
ちゃんみな:どんなアルバムにしたかったかというと、こういうアルバム。これはちゃんと理想通りにできたなという思いがあります。日本語を上手く使ったり、私が日本に住んでいて感じた感情たちをアルバムにしたいって思っていました。
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──ことさらJ-POPを意識するというのはどういう意味ですか?
ちゃんみな:なんていうんだろうな…これまでよく海外で作ったりしていたので、それを日本でやりたいって思ったんです。アルバム全体として日本の空気感を取り込みたかったから。
──それはどういう心境の変化なんでしょう。
ちゃんみな:今までやってこなかったっていうのもありますし、これからの活動が海外も視野に入るだろうことも考えると、日本をしっかり楽しみたかったんですよね。日本人として、日本のアーティストとして、レペゼンじゃないですけど日本の歴史とか楽曲の感じを意識した作品にしたくて。でも今回はすごいスランプがあったんです。もう自分でも知ってるような、自分も驚かないような曲しか出てこなくなった。“まあ、こういう曲できるだろうな”みたいな。
──自分テイストな感じ?
ちゃんみな:自分自身のっていうものが多くなってきちゃって、それしか作れなくなっちゃったときがスランプでした。新しい自分を見たい、挑戦したかったのに、曲が書けなくなっちゃって。
──それは初めての経験ですか?
ちゃんみな:初めてです。やっぱ「美人」の影響が大きくて、作った後、いつもの状態に戻るまでがすごく長くて、で、作れなくなっちゃった。
──そこからはどうやって脱却を?
ちゃんみな:J-POPも聴かないし向き合ってこなかったけど、“じゃあ自分が思うJ-POPってなんだろう?”って考えながら作っている中で「ハレンチ」っていう曲ができて、それでやっとスランプから抜けたって感じです。結構長かった。5ヶ月くらいスランプあったかな。
──いろいろ聴いたりもしたんですか?
ちゃんみな:いや、自分でイチから作ってみました。最近はいつもトラックメーカーさんと一緒だったんですけど、アルバム『未成年』ぶりに自分でイチからやってみようと思って、ピアノを弾きまくって、“あぁ、これだ”って思って進めた感じですね。
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──曲作りってどうやるんですか?
ちゃんみな:私はピアノです。普段はトラックメーカーさんと一緒にトラックから作っていってメロディをのせるっていう感じですけど。
──ピアノに向かってポロンポロンと?
ちゃんみな:そうですそうです。コンセプトが先にあるんですけど、「ハレンチ」は“♪音沙汰ないから帰ったの”というサビが一番先に出て来ました。
──J-POPと言いながら「^_^」は英詞が多めですけど…「^_^」はなんて読むんですか?
ちゃんみな:「ハッピー」です。これは2000年代のサウンドを意識しているんですけど、こういうのは普通にやりたくてやっちゃってます。
──ちゃんみなは実体験を歌詞にするから、聴き込むととてもヘヴィなんです。洋楽のようにちゃんみなを楽しみたいから、日本語の歌詞も聴き取れないといいなって思うことがある(笑)。
ちゃんみな:いやいやダメでしょそんなの。普通にダメでしょ(笑)。でもそういう皮肉もありますよ。歌詞はすごく頑張って心を込めて書いてるんです。でも文字を読まない人も多いし、言ってる意味が伝わらなかったりとか、私の真意が伝わらないとか、水の泡になってしまうことも多い。そういう皮肉も込めて「^_^」は書いたっていうのがあります。英語をすごく多くして、内容があんまりない。内容として伝わらなくて、それでもいいんでしょって(笑)。
──逆に、「想像力」という曲はどういう位置付けのものですか?
ちゃんみな:元々こういうリーディングっぽい曲調は、ずっとやりたかったんです。いつやろうかずっとうかがってて、で、今回のタイミングだったなって。
──「想像力」も実体験でしょう? しんどい話で。
ちゃんみな:そうですね。もう慣れましたけどね。“ピンクの夢”も見ますけど、もう全然悩んでいないです。何とも思わない感じで。
──夢が作品作りを助けてくれたりもするのかな。
ちゃんみな:今回、こういう曲になりましたけど、私が持っている豊かな想像力のおかげで曲が書けていると思うし、メロディができるんだと思う。だからやっぱり助けられているのかな。この職業じゃなかったらすごくしんどかったんじゃないかなと思いますけど。
◆インタビュー【2】へ
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■売れようとして作る曲って
■ほんと美しくないと思うんですよ
──アルバムを振り返ることで、この5年での変化は感じますか?
ちゃんみな:んー…あんまり変わんないです。いつも自己救済の形で曲を書いているので、誰々に伝えたいとかは特にないんです。ただ音楽がやれてればいい。
──でもスランプというのは苦しかったでしょう?
ちゃんみな:苦しかったです。何も出てこないから、本当に私の中から音楽がなくなっちゃったって感覚。メロディも出てこないし歌詞も出てこないし何も出てこない。人の曲も聴きたくないし、簡単に言うと嫌いになっちゃったみたいな。
──なぜそうなってしまったのかという自己分析は?
ちゃんみな:スケジュールが忙しかったというのもありまして、ほんとに目まぐるしかったんですよ。やらなきゃいけないことがたくさんあったし、クリエイトしなきゃいけない部分がたくさんあったんですね。フューチャリングも結構多かったし、ライブも2部制だったから脚本もいつもの2倍作らなきゃいけなかったし、「美人」のときも10曲くらい作っていたんで、クリエイトする脳みそが疲れちゃって何もできなくなっちゃった。
──休みが必要だったのか。
ちゃんみな:そうですね。でも休めなかったです、はは…(笑)。それでも諦めずにやって、やっとできたなっていうのがあります。しばらくは休みたいな。
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──今回、難産だった曲は?
ちゃんみな:この中ではダントツ「美人」です。あと「想像力」。
──「想像力」は詞の内容ですか?
ちゃんみな:そうです。リーディングでメロディがないから詞の内容にはすごい拘りました。今までメロディっていうフィルターがあったからこそ、素直にしないほうがおしゃれだったり自分の感情が伝わるとかあったんですけど、これは裸だからもっと素直にならなければならなくて、そこが大変だった。
──結果、すごい破壊力のある歌詞で。これはライブでは?
ちゃんみな:やります。
──「想像力」と「ディスタンス」の2曲を比べるだけでも、曲の振れ幅はものすごく大きいですね。
ちゃんみな:振れ幅がすごいっていうのは、結構言ってもらえるんですけど自分ではわかんないんですよね。自分だから。単純にJ-POPという幅を増やしたことによって、もっと広く感じるのかな。そこ以外はあんまり変わってないんで。
──まだまだ隠し玉もありそうだし。
ちゃんみな:やりたいことはいっぱいありますけど、タイミングは伺ってるんで。
──最後に収められた「Never Grow Up」はアコースティックバージョンですね。最後に笑っているのは、何かを狙ったものですか?
ちゃんみな:狙ったところでいうと、1stシングル「未成年」の最初が笑ったところから入ってるんです。そういうのもあって、今回は笑って終わりたいなって思って。
──笑って終わるというのは、満足度の高さを表しているのかな。
ちゃんみな:いやもうほんとに頑張ったんで、アルバムとしての手応えはめちゃくちゃあります。頑張ってよかったーって(笑)。
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──今では音楽はサブスクを中心に楽曲単位で聴かれ、アルバムというまとまりで受け取られることが少なくなりましたが、その点はどう考えますか?
ちゃんみな:え、どういうことですか?
──アルバムというものを作ることについて。
ちゃんみな:“アルバムの中にあるからいい曲”っていう風に作ってないし、セールスとかも気にしないので、だから気にならないし何も思わないです。なんていうんだろうな…聴くものが変わったっていうか、私自身アルバムで曲を聴くってことをしないし、ひとりのアーティストに熱中できないというか、私も普通にそういうひとりなので、私も期待しない。熱中してほしいと思って曲を作っているわけでもないので、そこは“無”かもしれないです(笑)。
──そこは昔から変わらないですね。商売っ気がないというか。
ちゃんみな:そこは私の仕事じゃないんで。私は曲を作って歌う・表現するので、だからあとはそれをレコード会社にうまくやっていただいて(笑)。というか、アーティストがそこまで気にしちゃうとダメですよね。私、売れようとして作る曲ってほんと美しくないと思うんですよ。
──どういうところでバレるんだろ。
ちゃんみな:精神が行ったり来たりしてるところだと思います。曲が家だとしたら、その人が曲の中に入ってこないんですよ。なんていうんだろ…その人の精神が感じられない。
──そのアンテナは、昔からバリバリに立ってるのかな。
ちゃんみな:昔から持ってますね。
──だから売れようって気持ちにならないんですね。一回降ろして、スゴイ売れる曲書いちゃおっかなって思ったらどうかな。
ちゃんみな:うふふ(笑)、それ、私はできないですね。何が売れてるかも追っかけてないんで、今何が人気とかもわかんない。そこ考えちゃうと私はダメなんだろうな、だから向いてないんだろうなとも思います。もし、すごくリサーチしてそれ中心に作ったとしたら、もうアーティストをやっていたくない。
──やっぱりちゃんみなはちゃんみな、でした。
ちゃんみな:曲を書くって、精神を入れなきゃいけないからものすごく大変なんですよ。だから、どうでもいいことに精神入れたくないじゃないですか。それを“売れる”っていう興味のないことに能力を使うことがストレスなんです。すごく自分勝手なこと言ってますけど、ストリーミング何回再生いきたいとか、どうでもいいってDNAで思っちゃってるから。でも、アーティストってそういうものだと思います。
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■破廉恥っていう言葉って
■すごく芯がある言葉なんです
──アーティストとしての承認欲求はありませんか?
ちゃんみな:承認欲求? もちろんそりゃ売れないよりは売れたほうがいいですよ。でも私は、音楽ができるだけで、息ができるんです。自分が音楽をするっていうことに対して、自分が意味を持つだけでなくて人が意味を持ってくれるでしょう? ちゃんみなの曲って、行き所のない気持ちみたいなところで感じるタイプだと思うんです。お金も必然的に入ってくるけど別に物欲もないし、お金がないときからバイトしてお金貯めてMV撮ってっていうことが楽しいんですよね。その時も楽しかったし今も楽しい。だから、その楽しいことをやりつつ幸せ…ってそれだけなんですよ。それ以上でも以下でもない。
──なるほど。
ちゃんみな:売れていくっていうのは、みんな憧れますよね。高いマンション住んで高級車乗って…でも私は、それをしちゃうと地に足が付けなくなるから生きてるとは言えなくなる。地に足をつけて人と同じ生活をして人に触れて、一般の人にも触れて話をして、それで何を感じるかということが私は生きることだと思うから、それができればいい。だから私にとっての承認欲求というのは、周りとの理解かもしれないです。
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──そんなちゃんみなの最新アルバムには「ハレンチ」というタイトルの楽曲がありますが、どっちが先だったのですか?
ちゃんみな:アルバムタイトルです。「ハレンチ」っていう曲は元々「麻酔」っていうタイトルだったんです。この曲が作れたおかげでこのアルバムが出せると思ったので、この曲を「ハレンチ」というタイトルにしました。
──ちゃんみなにとって「ハレンチ」は、どういう意味を持った言葉ですか?
ちゃんみな:なんか…私だと思います。人は破廉恥っていう言葉に対してマイナスイメージを持つじゃないですか。でも破廉恥っていう言葉ってすごく芯がある言葉なんです。恥を恥とも思わないというか恥知らずというのが本来の意味で、それ自体は強いし頑丈。でも破廉恥ではなくハレンチと書かれると日本語なのか?っていう感じで、どこの出身なのか分からないのが私にすごく似てるなって思ったんです。もちろん日本語だし、世界で一番“ハレンチ”っていう言葉が似合うのは私じゃないかなって。“ハレンチ”っていう言葉がずっと好きだったし。
──そういう16曲の姿があるアルバムなんですね。
ちゃんみな:そうです。こう見るとほんといっぱい書きました。すごく満足してます。もちろんコロナがなかったらもっと良かったなとは思いますけど。
──できること・できないことがいろいろありましたか?
ちゃんみな:コロナがあることによって、選択ができないっていうのがキツいです。例えば、誘われて友達とごはん行くってなったとき、普通だったら行くか行かないかの選択ができるじゃないですか。でも今は行けないっていう選択しかなくて、選択できない状態がずっと続いているんですよ。
──なるほど、違う曲が生まれたかもしれないきっかけを失ってきたのか。
ちゃんみな:そうなんです。今回こういう陰な曲が多いっていうのは、その影響もあると思うんですよ。歌詞がちょっと重いですよね、繁華街とかで聴くと。
──コロナが開けたら、出て来れなかった曲がいっぱい生まれてくるかもしれないですね。
ちゃんみな:そうですね。一緒に生きていきたいです。
取材・文◎烏丸哲也 (JMN統括編集長)
撮影◎野村雄治
■3rdフルアルバム『ハレンチ』
2021年10月13日(水)発売
【初回限定盤 (CD+DVD)】WPZL-31896/97 ¥4,620(税込)
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-1713/rssitem-33785420/51a9c7880018f61ada759def25ae4235b57cdf97.jpg)
【通常盤 (CD)】WPCL-13326 ¥3,300(税込)
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-1713/rssitem-33785420/c8d0acaca7d41658f9233ba31934e1503110a186.jpg)
▼CD ※通常盤・初回限定盤共通
01. 太陽
02. Angel
03. 君からの贈り物
04. ハレンチ
05. ボイスメモ No. 5
06. ホワイトキック
07. ピリオド
08. Picky
09. 想像力
10. 東京女子
11. ディスタンス
12. Morning mood
13. ^_^
14. 美人
15. 花火
16. Never Grow Up (Acoustic Version)
▼初回限定盤付属DVD
<THE PRINCESS PROJECT >@Nakano Sun Plaza Hall 2021.05.25
-Day-
01. Angel
02. LIGHT IT UP
03. Very Nice To Meet You
04. Needy
05. 美人
06. ダリア
-Night-
07. Rainy Friday
08. Princess
09. Never Grow Up
10. ダリア
購入リンク:https://chanmina.lnk.to/harenchi
■<THE PRINCESS PROJECT -FINAL->
2021年10月15日(金) 東京・日本武道館
開場 17:30 / 開演 18:30
¥7,800(税込)
チケット一般発売:9月4日(土)10:00〜
http://l-tike.com/chanmina/
■<ハレンチ展>
開催期間:2021年10月13日(水)〜10月17日(日)
開催場所:東京・渋谷PARCOギャラリースペース「no-ma」
開催時間:
・10月13日(水)13:00〜20:00
・10月14日(木)〜15日(金)12:00〜20:00
・10月16日(土)〜17日(日)11:00〜20:00
※最終入店19:30
入場料:500円
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-1713/rssitem-33785420/0de18a95dfe1e325e5185375109805ed4eeb0ef8.jpg)
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