伊予のストーンヘンジ!?海辺の“ありえない”巨石ミステリースポット/白石の鼻巨石群(愛媛県松山市)
松山観光港の近くにミステリースポットが!?
松山市の北西端に位置する『白石の鼻(しらいしのはな)』。
広島-松山間を結ぶフェリーなどが就航する『松山観光港』から2kmほど北にある小さな岬です。
岬の先端には花崗岩の巨石がゴロゴロとしていて『白石の鼻巨石群』と呼ばれています。これらの巨石は昔から自然にできたものだと伝えられてきたのですが、自然ではとても“ありえない”現象が起こることから人工的に積み上げられた可能性が指摘され、古代のミステリースポットとして注目が集まっています。
ここが『白石の鼻』の入口。岬の先端へ通じる遊歩道が整備されていて、西の沖合いには『興居島(ごごしま)』が見えています。遊歩道は全長100mぐらいなので、すぐに先端部へ至ります。
岬の先端には『白石龍神社(しらいしりゅうじんじゃ)』が鎮座します。古来より、地元では「りゅうごんさん」と呼ばれ五穀豊穣・漁業の神様として信仰されてきました。
人工的に作られた空洞!?亀石と三ツ石
龍神社のすぐ西側には『亀石』と呼ばれる積み重なった巨石があります。一見するととても不安定に見えますが、小ぶりの石がクサビのようにはめ込まれていてビクともしません。
『亀石』の脇をすり抜けて、さらに奥へ歩いていきます。
岩の上を慎重に歩きながら先へ進むと、不思議な光景が!
左側は先ほどの『亀石』。そして、岬から40mほど沖合いにある右側の巨石は『三ツ石』と呼ばれます。
そして、いずれも積み重なった石と石の隙間から光が入る空洞があるのです。
『三ツ石』は5つの巨石が絶妙なバランスで積み重なっており、高さ約6m、総重量は推定約1,000トン!
従来は3つの巨石が積みあがっていると考えられていましたが、海側から眺めると実際は5つの花崗岩で構成されていることが分かるそうです。
さらに不思議なことに、『三ツ石』は春分・秋分の日の前後に岩の隙間から夕陽の光が差し込み、『亀石』は冬至の日の前後に隙間から夕陽が差し込むのです!
(また、夏至の夕陽が差し込む『夏至の三ツ石』という巨石の配列もあります)
近年の調査から、『三ツ石』は岸辺から海上にかけて人工的に巨石を積み上げてできた可能性が指摘されており、古代の太陽観測装置として建造されたものではないか?という説もあります。
この巨石群は伊予のストーンヘンジなのでしょうか? まさに現代に残された古代ミステリーですね!
ちなみに、毎年春分・秋分の日と冬至・夏至の前後には、夕陽の観賞会が開催されています。巨石群に関する説明もあるので、ぜひご参加ください。
『白石の鼻』では、岬の北側でも珍しい巨石が見られます。
写真左側に、崖から今にも巨大な卵状の石が生まれようとしている不思議な光景が広がりますが、これは玉ねぎの皮をむくように風化が進み、内部に残った球状の母岩が姿をあらわすもので、地質学的には『玉ねぎ状風化』や『球状風化』と呼ばれます。
フェリーに乗船して海上から巨石群を眺めよう!
『白石の鼻』の沖合海域はフェリー航路となっていて、呉・広島や小倉などに向かうフェリーや高速艇が頻繁に行き交います。
2019年夏に就航した新造フェリー『SEA PASEO(シーパセオ)』に乗船すれば、開放的なデッキから『白石の鼻』と『三ツ石』『亀石』などの巨石群を海上アングルで眺められますよ!(※双眼鏡か望遠レンズを持参していくのがオススメです)
以上でご紹介したように、『白石の鼻』は松山市近郊にある隠れたミステリースポット。
沖に浮かぶ『三ツ石』はまるで現代アートのオブジェのようにも見えますが、イギリスのストーンヘンジのような古代の太陽観測装置だったのかもしれません。
はたして自然にできたものなのか、人工的に作られたものなのか。あなたはどちらだと思いますか?
白石の鼻巨石群
住所/愛媛県松山市高浜町6
電話/089-952-5235(高浜公民館)
駐車場/なし(付近の道路沿いに駐車帯あり)
http://haku1414.com
https://www.iyokannet.jp/spot/3910
瀬戸内Finderフォトライター 松岡 広宣