夕陽ハンター VOL.12 ~ 二子島の夕景と神峰山から望む瀬戸内海の夕陽!/大崎上島の夕陽(広島県大崎上島町)
キャンピングカー『ソーラーキング号』で日本全国を自由気ままに旅しながら、通算2,000ヵ所以上の観光地を撮影してきた松岡ヒロノブ。とくにお気に入りのシチュエーションは、様々な絶景スポットで出会う感動的な『夕陽』です。 瀬戸内海には美しい夕陽スポットが数多くあるといわれます。
本シリーズは、フォトライター松岡が瀬戸内地域の夕陽名所を発掘し、その時々の季節や気象条件のなかで最適なタイミングを狙って感動的な夕景をものにしていくコーナーです。
人は生涯にいったい何回くらい夕陽を見られるのでしょうか? そう考えると松岡はいても立ってもいられず、『夕陽ハンター』に変身してしまうのです…
大崎上島の沿岸部から眺める二子島の夕景
大崎上島は、広島県南部の瀬戸内海に浮かぶ離島。橋は架かっていませんが、竹原やしまなみ海道・大三島などから複数の定期航路が就航していてアクセスは比較的便利な島です。また、大崎上島の西岸一帯には瀬戸内海とそこに浮かぶ島々を望めるポイントが多く、年間を通して夕陽を眺めるのに適したロケーション。
今回は、その大崎上島で夕陽ハンティングをすることにしました。
大崎上島でもっとも有名な夕陽名所は、島の北西部に浮かぶ『二子島(ふたごじま)』を望む海岸エリア。
二子島は、本州の竹原港と大崎上島を結ぶフェリーが到着する白水港のやや南方の沿岸部から見える小さな島。周辺には漁港もあり、その防波堤からも二子島がよく見えます。
季節によって太陽が沈む位置は変化しますが、大崎上島の沿岸部には歩道が整備されており、基本的にどの季節でも二子島の背後に夕陽を配置することが可能です。
ただし、二子島の島影に鉄塔や煙突など夕景の邪魔となる被写体が入る場合もありますので、日没位置を予測しながら慎重に夕陽ポイントを定めなければなりません。
夕陽ハンター松岡の見立てでは、余計な被写体がもっとも少ないベストな位置に沈むのは5月下旬~夏至ぐらいの時期です。
今回、大崎上島を訪れたのは10月上旬。
この時季は漁港の防波堤から眺めると、ちょうど二子島の背後に夕陽が沈み、鉄塔もギリギリ邪魔になりません。
とはいえベストな時季ではないので、ちょっと消化不良気味……
大崎上島の最高峰・神峰山から望む絶景の夕陽!
そこで、大崎上島でより素晴らしい夕陽が見られる場所がないか、島内を巡って探すことにしました。
地図とにらめっこしながら目をつけたのが、大崎上島の最高峰である『神峰山(かんのみねやま)』。
神峰山の標高は452.6mで、山頂近くまで車道が通じていますが、駐車場から山頂までは30分ほど登山道を歩いて登ります。山頂にはお堂があり、その奥に木製の展望台が設けられています。
ちなみに、登山道の途中には瀬戸内海の絶景が満喫できる三つの展望台がありますが、残念ながらいずれも夕陽の方角は望めません。山頂のみ西側の展望が開けています。
神峰山の山頂から、『安芸灘とびしま海道』の島々を一望!
瀬戸内海がまるで大河の流れのように見えます。
10月上旬にはちょうど『安芸灘とびしま海道』の下蒲刈島(しもかまがりじま)と本州を結ぶ『安芸灘大橋』の背後へ太陽が沈みます。
神峰山から望む日没間際の夕陽。
先ほどまでの強い日差しが弱まり、島々の左手側(南側)に細長く伸びる四国(愛媛県)の佐田岬半島の陸地もクッキリと見えます。
狙い通り『安芸灘大橋』のちょうど背後、本州の陸地へと太陽が沈んでいきました!
日没間際の淡いオレンジ色が、なんとも言えない美しさです。
晴れ渡った日の夕景は、日没後の夕照も見逃せません!
しばらくその場にたたずんでいると、空が一段と明るく輝き、瀬戸内海もオレンジ色に。
『安芸灘とびしま海道』の島々のシルエットがよりハッキリと浮かび上がり、目の前に幻想的な光景が!
「暗くなる前に下山したい…」という考えも頭をよぎりましたが、「日没後の余韻にひたっていたい!」という気持ちが上まわりました。ただし山道には灯りが全くなく、日没後はあっという間に真っ暗になりますので、下山時の懐中電灯は必須アイテムです。
「ついに大崎上島の夕陽をモノにできた!」
二子島もさすがの夕陽名所でしたが、大崎上島の最高峰である神峰山から望む夕景は格別でした!
二子島(ふたごじま)
住所/広島県豊田郡大崎上島町東野2609-16
電話/0846-65-3455(大崎上島町観光協会)
駐車場/あり(無料)
http://osakikamijima-kanko.moon.bindcloud.jp/navi/travel/mobility/futago-jima-no-yuuhi.html
神峰山(かんのみねやま)
住所/広島県豊田郡大崎上島町中野
電話/0846-65-3455(大崎上島町観光協会)
駐車場/あり(無料)
http://osakikamijima-kanko.moon.bindcloud.jp/navi/travel/mobility/kannomineyama.html
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣