日本のサッカー漫画の代表作といえば『週刊少年ジャンプ』で連載された『キャプテン翼』だろう。
日本では今でもロングランヒットを誇り、世界各地でも翻訳出版され、アニメに至っては世界100カ国以上で放映されている。
アレッサンドロ・デルピエロ、フランェスコ・トッティ、リオネル・メッシなども『キャプテン翼』のファンで、現在はJリーグのヴィッセル神戸でプレーしているルーカス・ポドルスキやアンドレス・イニエスタも『キャブテン翼』に憧れたという。
ただ、韓国では『キャブテン翼』のファンは少ない。韓国でも『キャプテン翼』は『ナルアラ(翔べ)、キャプテン』というタイトルで、1996~1998年にソウル文化社から翻訳出版されているが、大ヒットすることはなかった。
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韓国でサッカー漫画といえば、『蹴球王シュットリ』である。1993年から韓国のテレビ放送局SBSで放送されたアニメ番組で、当時は1994年アメリカW杯のアジア予選最中だったこともあって高視聴率を誇った。
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-1904/rssitem-5067209/b2789bddfa1b067aa471d8718a503f575c1db4e7.jpg)
韓国SBSで放映された『蹴球王シュットリ』
韓国人も知らない人が多い「シュットリ」の真実
この『シュットリ』に影響されてサッカーを始めたというKリーガーも多い。まさに韓国の『キャプ翼』なのだ。
では、どんなストーリーなのか。
幼い頃から天才的なサッカーセンスを誇った主人公シュットリは、世界最高の選手になるべくイタリアに渡るが、名門クラブに入団できず弱小チーム“コロンブス”で活躍する。
そんななか両親を飛行機事故で失い、サッカーで生きていくことを誓ったシュットリは、伝説の選手アルバートの指導を受けながら数多くのライバルと対戦して成長を重ね、やがてヨーロッパサッカー界で素晴らしい活躍を遂げていく……。
ちなみに、シッュトリとは、「シュート」と「ドリ(男の子を表すときに使われる固有語)」を組み合わせた造語。アニメの反響もあって、当時はサッカー小僧を見つけると、「シュットリ」とあだ名をつける場合も多々あったという。
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-1904/rssitem-5067209/59ca8a354649d9ea04cb020e3728a908c54a9414.jpg)
韓国SBSで放映された『蹴球王シュットリ』
韓国で抜群の人気を誇ったわけだが、実はこの『シュットリ』、元は日本のアニメなのだ。
元のタイトルは『燃えろ!!トップストライカー』。1991年10月から1992年9月までテレビ東京系列で放映されたテレビアニメなのである。
当然のごとく、主人公の名前はシュットリではない。主人公の名前は吉川光だ。そのほかの登場人物も異なる。韓国ではアルバートという名だった恩師も、本来はロブソンという名前だった。
いずれにしても、韓国では今でもサッカー少年を表す言葉としても使われる「シュットリ」。KBSの人気バラエティ番組『ハッピーサンデー』では、平凡なチビッ子たちを集めたサッカーチームの成長を記録した『ナルアラ(翔べ)、シュットリ』というコーナーもあったほどである。
もしかしたら韓国では今日もどこかでシュットリがボールを蹴っているかもしれない。