せっかくスポーツジムに入会しても、なかなか時間が作れなくて通えない。そうした理由から、トレーニングが三日坊主になってしまう人は多いことでしょう。確かに時間がなければ筋トレのモチベーションも上がらず、サボればサボるだけどんどんジムから足が遠のいていきます。
でも大丈夫! 時間がないときでも、効果的に筋肉を鍛える方法はあります。今回はトレーニングが続かないという忙しい人に向けて、時短テクニックを紹介しましょう。
1.行く前にトレーニング内容を決めておく
ジム前に種目、負荷、順番をチェックするべし
ジムに到着してから「今日はどのエクササイズをしよう」「どのくらいの負荷でやろうか」などと考えていては、時短できません。ジムに行く前から、どのエクササイズをどの順番で、どのくらいの負荷でとり組むか頭の中に入れておくようにしましょう。時短はトレーニング前から始まっているのです。
2.インターバル(休憩時間)を短くする
セット間の休憩は10~30秒以内
トレーニング時間の半分以上は「休憩」です。セット間やエクササイズ間のインターバルが長すぎれば、その分だけ全体の時間も伸びてしまいます。
インターバル中にスマホをいじったり、ジム仲間と長話をしていないでしょうか。そのような行動は一切やめて、トレーニングに集中するのです。インターバルは短くて10秒、長くても30秒以内にとどめ、エクササイズをどんどんこなすようにしてください。
3.分割法を取り入れる
鍛える部位を分けてトレーニングの頻度を小刻みに
初心者の場合、1回のトレーニングで全身を鍛えるという人も多いでしょう。しかし1度に全身を鍛えるには、時間がかなり必要です。そんなときは、鍛える部位を分割してみてください。
「胸」「背中」「肩」「下半身」「腕」というように大まかに分けます。あくまでもこれはひとつの例であり、人によっては胸と肩を一緒に行うという人もいるでしょう。あるいは腕を上腕二頭筋と上腕三頭筋に分割して、毎回交互に行う人もいます。
分割法を取り入れるときに気をつけたいのが、グループ分け。胸と肩は“押す動作”となり、腕の裏側である上腕三頭筋も一緒に使うことが多いでしょう。逆に背中のエクササイズは“引く動作”となり、腕の表側である上腕二頭筋を一緒に使うことが多くなります。
そのため、胸と背中をひとまとめにしてしまうと、次の日に肩のトレーニングを行うとき上腕三頭筋が筋肉痛になっている可能性があります。
4.一気に追い込めるトレーニング方法を活用する
“時間より質”のトレーニングを重視
トレーニングは、やる時間が長ければ効果があるというわけではありません。短時間で一気に筋肉を追い込めるトレーニングテクニックを活用しましょう。
コンパウンドセット法
同じ部位を鍛えるエクササイズを2つ連続で行う方法を「コンパウンドセット法」といいます。たとえば大胸筋を鍛えるならダンベルベンチプレスとダンベルフライ、肩の筋肉ならばダンベルショルダープレスとアップライトロウというような組み合わせです。コンパウンドセット法はエクササイズ間の休憩を入れずに行うので、以下のように2つのエクササイズを連続で行い、それで1セットという形になります。
ダンベルベンチプレス10回×1セット
↓
(休憩を入れずに)ダンベルフライ10回×1セット
↓
インターバル
↓
ダンベルベンチプレス10回×1セット
↓
(休憩を入れずに)ダンベルフライ10回×1セット
さらにハードに行いたい場合は、同じ部位のエクササイズを3つ連続させるトライセット法、4つのエクササイズを連続させるジャイアントセット法というやり方もあります。
スーパーセット法
同じ部位ではなく、拮抗した筋肉(筋トレ時に反対の動きをする筋肉)をインターバルを入れずに鍛える方法を「スーパーセット法」といいます。たとえば上腕二頭筋を鍛えるアームカールの後に、上腕三頭筋を鍛えるトライセプスキックバックを連続して行うといった方法です。
アームカール10回×1セット
↓
(休憩を入れずに)トライセプスキックバック10回×1セット
↓
インターバル
↓
アームカール10回×1セット
↓
(休憩を入れずに)トライセプスキックバック10回×1セット
1回のトレーニングで上半身(下半身)を一度に鍛えたい、あるいは全身を一気に鍛えたい人にとって、スーパーセット法はかなりの時短になります。
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5.予定通りメニューが終わらなくてもやめてみる
完璧を目指さなくてOK。大事なのは習慣づけ
時間が限られているのであれば、予定していたトレーニングメニューを全部こなせなくても終わるというのも一つの手です。トレーニングは実施時間よりも頻度が大事。途中で終わりにしたとしても、短い時間でもトレーニング頻度を多くすれば、トレーニングが習慣づいて結果的に効果も高まります。完璧を目指さず、時間が空いたときに軽くトレーニングする習慣になれば完璧です。
短い時間でも高頻度で継続すれば問題ない
短時間でも高頻度で取り組むことで、トレーニングが習慣づきやすくなります。どれだけハードなトレーニングでも、1回でカラダが変わることはありません。長期的に継続できるよう工夫しましょう。
[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
【HP】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada
<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>