スズキの3列シートSUV「XL6/XL7」をご存じだろうか。日本では売られていない海外市場向けの戦略モデルで、コンパクトミニバンとSUVの魅力を併せ持ったスズキらしい1台なのだ。日本でもなかなかの需要がありそうなXL6/XL7の魅力についてご紹介する。
スズキ ランディが安全装備を充実、一部仕様変更し3月4日より発売
日本ではなぜか売っていないスズキのグローバル戦略モデル
スズキのグローバルサイトを覗いてみると、しばしば「あれ、日本でなんで売っていないんだろう」と思わせる魅力的なラインナップを目にすることがある。今回ご紹介する「XL6/XL7」もそんな1台。
スズキ XL7は、現行型で3代目となる3列シートレイアウトのクロスオーバーSUV。インドネシアのスズキ工場で生産される世界戦略モデル。日本で売られていないのがモッタイナイ! と思わせる絶妙な仕立てのクルマとなっているのだ。
初代・2代目XL7もなかなかの異端児だった
歴代モデルはそれぞれ異なる特徴を持っていた。初代XL7は日本でも2000年に「グランドエスクード」として売られていたモデル。2代目XL7は、2006年にカナダに設立されたGMとの合弁会社CAMI(カミ・オートモーティブ・インク)で生産されアメリカとカナダ市場で販売された、「シボレー エクイノックス/ポンティアック トレント」との兄弟車だった。
ベースはフリードクラスのコンパクトミニバン
インドネシアで2020年5月に発表された3代目XL7は、全長4450mm×全幅1775mm×全高1710mmの比較的コンパクトなボディサイズ。2018年にグローバルで先行発売されているコンパクトミニバン「ERTIGA(エルティガ)」をベースに、SUVとクロスオーバースタイルを取り入れたモデルだ。
インド市場向けには2019年に先行発表されており、エルティガの上級モデル「XL6」として売られている。シート地は本革が採用され、2列目席はキャプテンシートレイアウトとなっている点がXL7とは異なる。ちなみにホンダのコンパクトクロスオーバーミニバン「フリード クロスター」は全長4265mm×全幅1695mm×全高1710mmだからそれより少しだけ大きく、日本の道でも扱いやすいボディサイズ。写真で見る限り室内もなかなか広そうで、インパネ回りなどの質感も上々だ。
マイルドハイブリッド仕様も設定
搭載されているのはK15型1.5リッターガソリンエンジンで、XL6の場合、小型リチウムイオン電池を積んだマイルドハイブリッド仕様となっている。最高出力77kW/6000rpm、最大トルク138Nm/4400rpmを発揮し、5速MTもしくは4速ATと組み合わされる。
200万円台で国内販売したら人気を集めそうだ
ミニバンとはひと味違う3列シート車を求める層に人気のクロスオーバーSUV「マツダ CX-8」だが、300万から400万円クラスとなかなか高額。コンパクトクラスのXL6/XL7が日本でもし200万円台で売られたとしたら、これはなかなか話題を呼びそうだ。[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]