アン・ハサウェイ主演の『プラダを着た悪魔』(2004)で俳優デビューを果たしたジゼル・ブンチェン。ファッションエディター役としてカメオ出演した彼女が、役柄が決まるまでの奇跡的な出会いと経緯について明かした。
Photo: Everett Collection Inc / Alamy Stock Photo錚々たるメゾンのランウェイを闊歩し、2000年代初頭にモード界を席巻したトップモデルのジゼル・ブンチェン。モデルとして第一線で活躍し続けながら、アクティビストとしても顔を持つ彼女は、2004年に俳優デビューを飾った。映画『プラダを着た悪魔』(2004)でランウェイ編集部のファッションエディター、セリーナを演じ、アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)とともにアンディ(アン・ハサウェイ)の変貌を目の当たりにした。
厳密に言うとカメオ出演だが、ウィットに富んだ彼女の登場シーンは今もアイコニックな一場面として語り継がれている。しかし、この出演は偶然に実現したものだったと、ジゼルはUK版『VOGUE』のYouTubeで次のように明かした。
「ある時、ロサンゼルスから乗った飛行機に、映画の脚本を手がけたアライン・ブロッシュ・マッケンナが近くに座っていたんです。彼女は『プラダを着た悪魔』という作品を進めていて、ファッション業界にまつわる話だと説明してくれました。出演するモデルを探していて、私に話を持ちかけてくれたのですが、モデルとして毎日を生きているから映画で演じなくてもいいと、最初は断ったのです」
その後、ジゼルのための役柄が書き加えられ、見事カメオ出演が叶った。俳優デビューということもあり、彼女はとても緊張して撮影初日を迎えたそうだ。「私は俳優ではないですし、一度も演技レッスンを受けたことがなかったのです。メリル・ストリープ、エミリー・ブラント、そしてアン・ハサウェイと、才能に溢れる俳優陣が集まっていたので、失敗しないように!と自分にとにかく言い聞かせていました」
わずかな出演時間だったが、多くの『プラダを着た悪魔』ファンにとって記憶に残る場面だ。トム・ブレイディとジゼルの愛娘も、彼女の出演シーンを気に入っているそうで、こう明かしてくれた。「ある友人の家で娘がこの映画を観たそうなんです。帰ってきたら、真っ先に私のところにきて『ママ、映画に出てた? メガネをかけてたよね」と話してくれて。娘が映画に出た私に気づいてくれるなんて、本当にうれしかったです」
Text: Emily Chan Adaptation: Sakurako Suzuki
From VOGUE.CO.UK
CELEBRITY / SCOOP知ればもっと楽しい! アン・ハサウェイ主演『プラダを着た悪魔』に関する10のトピックス。世代を超えてファッションラバーたちに愛され続けている映画といえば、2006年公開の『プラダを着た悪魔』だろう。ジャーナリスト志望のアンディがファッション誌の編集長のアシスタント職に就き、無理難題に応えて成長していく姿に元気や活力をもらった人は多いはずだ。タイムレスな名作だが、主演のアン・ハサウェイをはじめ、キャストたちにとっても特別な映画だったことをご存知だろうか。ファンなら知っておきたい撮影秘話や後日談など10の事実を今一度おさらいすれば、きっと新たな視点で楽しめるはず。
CELEBRITY / SCOOP『プラダを着た悪魔』の公開から15年──アン・ハサウェイら出演者&スタッフが明かした舞台裏エピソード5。『プラダを着た悪魔』(2006)の主要キャストやスタッフたちが15年ぶりに再集結! 『エンターテイメント・ウィークリー』によるリユニオン企画で、[アン・ハサウェイ](https://www.vogue.co.jp/tag/anne-hathaway)や[メリル・ストリープ](https://www.vogue.co.jp/tag/meryl-streep)、そして監督や原作者、脚本家らがオンライン上で集まり、当時のさまざまな思い出を振り返った。編集長ミランダの役作り、ヒロイン・アンディと恋人との別れのシーン、そして続編の可能性まで。気になる彼らのエピソードとは?