俳優・円井わんさん独占インタビュー
『うみべの女の子』(8/20公開)、『鳩の撃退法』(8/27公開)など出演作品が続く注目の俳優・円井わんさん。
MOOSIC LAB 2021-2022にて上映予定の『謝肉祭まで』では、出演のみならず企画段階から作品に携わるなど持ち前の行動力を発揮中です。前回映画ログプラスがインタビュー取材をし、国内外の映画祭で高い評価を獲得した主演作『コントラ』の公開から約半年、前回とはだいぶ印象が異なる役への挑戦が続く円井さんの素顔に迫りました!プライベートでは、某大ヒット韓国ドラマにドハマりしているそうです!
円井わんさん写真ギャラリー(全8枚)
―― 前回取材の『コントラ』では主演、今回は主役を引き立てる側でした。印象に残っている役や作品はありますか?
円井わんさん(以下、円井さん)
『鳩の撃退法』はオーディションを受けて、まさかのオーディションの台本とは違う役をいただいたんです。なぜ、タカハタ監督が私を選んでくださったのか、その理由も含めて凄く印象に残っています。初めてオーディションで商業映画の役付きに合格したからスゴイ嬉しくて、“マジか!”って(笑)撮影も凄く楽しかったですし、けい子役を演じるのも楽しかったです。
―― 作品のオープニングに藤原さんと登場したシーンでは、藤原さん演じる津田伸一の堕ちっぷりを見事に引き立たてていらっしゃいましたね(笑)
円井さん
(爆笑)
―― それが狙いなのかなと思ったり、お化粧も少し濃いのでインパクトが強くて印象に残るんですよね。
円井さん
ビックリしたのは小道具さんが、違うドラマの現場でも一緒だった方で、全然私のことに気付いてなくて「えっ、出てた?どこ?」みたいに言われて、「そんなに分からないもんでしたか??」って(笑)
でも、この映画の良さは後々にも効いてくるのはありがたいと思います。あそこだけで終わらなかった…。
―― 作品自体は、堕ちていっている様に見える津田が、その小説家魂を人助けに活かしていくような感じで凄く良かったですし、原作も読んでみたくなりました!一方、『うみべの女の子』では“トイレの向こう側で何しちゃってるのかな?”みたいな、観客に緊張感を煽るシーンがありました(笑)
円井さん
初めてあんなに人々を緊張させる役を演じたかもしれないです(笑)
―― 円井さんの側に我々が立って、覗いているような感じがしました。
円井さん
のらりくらりしちゃうと面白みがないと思ったから、ちょっと遊ばせてもらって。
―― その辺はアドリブも?
円井さん
そうですね。監督も鏡越しの表情を撮るシーンで「もうちょっと変な顔してもらっていいですか?」とおっしゃったり、“遊ぶなぁ、この監督も”って(笑)
―― ある俳優さんが「主役の時は常に現場にいるから緊張しない。主役じゃない場合は、自分が間違えるとぶち壊しになるからメッチャ緊張します」っておっしゃっていたのですが、その辺りについてはいかがですか?
円井さん
確かに1ヶ月間撮っているとしたら、脇役は3、4日の期間。その3、4日をぶち壊してしまってはいけないなとは思いながら、それこそ藤原さんとの共演もメッチャ緊張したんですけど。どっちもどっちかなと思ったりはします。
主演は初日に緊張して、慣れるから段々溶けてきたりする。でも、責任感とか私が何かをしでかしてしまったら映画自体が終わるとかっていう負荷は主演の方が重いかなと思うので、私は主演の方が緊張します。
―― とは言え主演ですと、通しで人物を描ききるわけですけど、脇役だと断片なのでどういう風に作品に入っていけばいいか?どう強調したらいいのか?難しいのではないかと思います。その辺りは藤原さんや監督とも会話されたのですか?
円井さん
衣装合わせの時にちょっと喋りました。あのシーンは最後の方に撮ったので、その前のシーンでも色々話したりしていたから、そこまでは細かい話はなく。ただ、私は長台詞だったので、間違えないようにずっと本を読んでいました。
―― 今回のような印象的な格好と、『コントラ』のようなナチュラルな感じとだいぶ違うと思いますが、どっちの方が円井さんご自身に近いですか?
円井さん
どうでしょ?でも『コントラ』はメチャクチャ地だったので。「演技をするな」って言われていたからメチャクチャ素だったし、当時は一番やりやすい演技だったんですけど。
『鳩の撃退法』もやってみたら楽しい。佐津川さんとは『タイトル、拒絶』でも共演していたんですけど、試写でお会いして「わんちゃん、ああいう役得意だよね、上手だね」って言われて(笑)「ありがとうございます!」って。
―― そして、『謝肉祭まで』もクラウドファンディング中でだいぶ賛同が集まっているようですね!『謝肉祭まで』はまた違ったテイストなのでしょうか?
円井さん
『謝肉祭まで』は企画から関わっているので、もちろん出演作も大事なんですけど、『謝肉祭まで』をやってみて、映画作りがどれだけ人に助けられているのかを思い知っている最中でございます。
【クラウドファンディング】映画『謝肉祭まで』監督:イリエナナコ×音楽:BRADIO 製作プロジェクト!
―― 作品が出来上がるまでを、もうちょっと広い視野で捉えて?
円井さん
そうなんですよね。でも、『謝肉祭まで』は絶対にあなたも無理はしないで欲しいし、私たちも無理はしないみたいな、“ハッピーでピースな映画にしたい”っていう感じで動いているので、“皆でカーニバルをするような感じでモノ作りやっていきましょうね”っていうテイストでやっています。
―― ちなみに、ストーリーは三人のうち二人が死んでしまう!?
円井さん
神なんですけど、二人死ななきゃいけないんです。結構社会的でもあり、人間臭さもあり。
実はまだ脚本が完成されていないんですけど、私は初稿を読んだんですけど、号泣しちゃったんですよね。イリエ監督曰く、「そんなに泣ける映画ではないと思うよ」って言っていたんですけど。考えさせられるものも詰まっている感じで、かと言って重すぎるわけでもないし、ファンタジーでもあるしみたいな。新しい作品かなとも思うので、是非観てほしいです(笑)
―― チラシからは円井さんの弾けた感じが伝わってきますが、内側にあるものかないものか??
円井さん
(笑)
昔は結構喋れないキャラだったんですけど。
役をこなしていくごとに、「こんな喋る人だったよね!?」って思い出させてもらって、最近はこんな感じです(笑)
―― ABEMAドラマの『ブラックシンデレラ』もまた雰囲気が全然違いますよね。
円井さん
「ブラックシンデレラ」は人生で初めての役ですね。あのドラマも楽しかったですね。
―― 円井さん自身は、学生時代はどういうタイプだったんですか?
円井さん
ムードメーカーとは言われました。高校の時はバンドをやっていたんですけど、軽音楽部のような感じで部長をやったり。大人しくはなかったかな、むしろ目につきやすい怒られるタイプ。でも、何でその人が怒っているのかまったく分からなくて、「それって何でダメなんですか?」みたいな。ちょっとバグり気味な(笑)社会に出て何となく分かってきたんですけど、あまり理解出来なかったんですよね。先生が言っていることとか。「ダメ」って言われると逆にやりたくなるタイプだから、縛られすぎて、逆に悪さメッチャやっちゃうみたいな感じのタイプで、問題児です(笑)
―― 「うみべの女の子」の感じまでは荒れていなさそうなイメージがあったので、ヤンチャだけど部長だったと聞くとすんなり腑に落ちる気がします(笑)
円井さん
歴史の変わるスピードがメチャクチャ速いんです。中学生の時は本当に「うみべの女の子」みたいな感じで、眉毛もなくてあんな感じだったんです。だけど、高校生の時は落ち着いて部長もやってました。
―― エーッ!中学生の時は「うみべの女の子」!!!?<編集部、驚きました(笑)>
ところで、映画やドラマで円井さんがお好きなジャンルはいかがですか?
円井さん
最近は、Netflixのドラマ「ヴィンチェンツォ」を目が腐るほど観ています。1話1時間半全20話なんですけど、6周しているぐらいハマってしまって(笑)韓国ドラマって何であんなに寝不足にさせてくれるんですかね(笑)
後は、戦争映画を観る方なんですけど、Netflixオリジナルで、アンジェリーナ・ジョリー監督の『最初に父が殺された』というカンボジアの戦争を題材にした映画があるんですけど、それが本当に素晴らしくて何回も観ています。
―― ちなみに、空手も得意ということですがアクションはいかがですか?
円井さん
アクションは挑戦したいんですよね。
清野菜名さんのアクション映画を観た時に、“カッコイイな、やりたいな”って。私も空手は出来るし、柔道も背負投ぐらいなら出来るので。
―― 最後に今後についてですが、グローバルで活躍されたい等々お聞かせいただけませんか?
円井さん
メチャクチャ海外でやりたいんです。結構言っているんですけど。
何でもやりたいタイプなので、日本で撮る海外作品とかもあるじゃないですか。本当にねじ込んで欲しいんですけど、意外と機会があんまりないみたいですね。前にスコットランドの監督と仕事をしたこともあったんですけど、それ以外なくて。私より周りの人の方が海外案件やってない?みたいな、取り残された感があるんですけど、そろそろやりたいです。グローバルに日本でも海外でも出演していきたいです。
―― ありがとうございます!これからの出演作品楽しみにしています!!
円井わんさん写真ギャラリー
Dress designer&Styling 石垣陽輔 (Gakky)
ヘアメイク 白銀一太(TENT MANAGEMENT)
映画『鳩の撃退法』
出演:藤原竜也
土屋太鳳 / 風間俊介 西野七瀬
佐津川愛美 桜井ユキ 柿澤勇人 駿河太郎 浜野謙太
岩松了 / 村上淳 坂井真紀 濱田岳 ミッキー・カーチス / リリー・フランキー
豊川悦司
監督:タカハタ秀太
原作:佐藤正午「鳩の撃退法」(小学館刊)
脚本:藤井清美、タカハタ秀太
配給:松竹
©2021「鳩の撃退法」製作委員会 ©佐藤正午/小学館
2021年8月27日(金)公開
公式HP
映画『うみべの女の子』
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出演:石川瑠華、青木柚、前田旺志郎、中田青渚、倉悠貴/村上淳
原作:浅野いにお「うみべの女の子」(太田出版)
監督・脚本・編集:ウエダアツシ
8月20日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開
配給:スタイルジャム
(C)浅野いにお/太田出版・2021『うみべの女の子』製作委員会
公式HP
映画『謝肉祭まで』
出演:大山真絵子、円井わん、豊満亮
監督・脚本:イリエナナコ
音楽:BRADIO
MOOSIC LAB 2021-2022にて上映予定!