“日本資本主義の父”と呼ばれる渋沢栄一の生涯を描く今回の大河ドラマ。第30話では大蔵省で働く栄一が大阪の造幣局に出張。その晩、三井組の番頭・三野村利左衛門(イッセー尾形)が設けた宴席で、女中として働く大内くに(仁村紗和)と出会う。2人は廊下でぶつかり謝るも、後をついて来るくにに「俺の顔に何かついてるか?」と聞き質す栄一。するとくには「堪忍どす」と謝り、栄一が戊辰戦争で行方不明になった夫にそっくりだと打ち明け、足袋の指に穴があることに気づいたくにが「その穴、縫いましょか?」と申し出て、2人は急接近。宴会後も部屋で1人仕事をする栄一のもとに縫った足袋を持ってやってくる場面で艶シーンとなる。
「足袋を枕元に置き、そのまま部屋を出るくにを『あぁ、ちいと』と呼び止め、彼女の左手を握り、部屋の中に一気に引きこむ栄一の素早さに、ネットでは『しっかし栄一め、手が早い』『栄一、それはいかんよ』といった声が上がる反面、妾問題を大河でどんな風に観せるのか気になっていた視聴者からは『大河ドラマ、ちゃんと栄一の不貞の件も描いていて良い』『“あーちと”というセリフと、二度腕をつかんだだけで、何か想像させる脚本とカメラワークが見事。かえってドキドキさせられた』といった声が寄せられました」(女性誌記者)
「大内くにも実在する女性で、栄一はくにを東京に連れ帰り、本妻の千代と一緒に同居させ、やがて栄一の子を産み育てます。こうした史実を大河ドラマとしてどう描くのか注目を集めていましたが、今回は概ね好評のようです」(前出・女性誌記者)
(窪田史朗)