映画「栞」の特報映像が、本日公式サイトにて公開された。三浦貴大演じる理学療法士 雅哉の、患者と向き合う方ことで湧き上がる葛藤の一場面が収録されている。
また、2018年秋の日本公開に先駆け、4月15日から22日まで開催されたアジア最大規模の映画祭である第8回北京国際映画祭 日本映画週間にて、映画「栞」のワールドプレミアム上映を開催した。
オープニングセレモニーのゲストとして榊原監督と、事故で半身不随となったラグビー選手役を演じた阿部進之介、主人公 雅哉と同じ病院で働く看護師役の池端レイナの3名が招待された。
日本作品は「栞」の他「今夜、ロマンス劇場で」、「ケアニン~あなたでよかった~」、「ユリゴコロ」、「不能犯」、「忍びの国」の映画作品が上映された。
レッドカーペットには米国の人気女優クロエ・グレース・モレッツや香港の陳可辛(ピーター・チャン)監督など豪華なゲストが次々に登場し、開幕式を訪れた15,000人の観客からは大きな歓声が上がった。
綺麗な淡いピンク色のドレスを身にまとった池端レイナを阿部進之介がエスコートし、タキシード姿の榊原監督とともにレッドカーペットに登場。会場に設置された記念パネルにサインをした後、3人共にこやかな表情で集まった多くの現地ファン達の声援に応えながら、約50mのレッドカーペットを堂々と歩いた。会場では3人がクロエ・グレース・モレッツと写真を撮るシーンも。
レッドカーペット終了後、会場を北京市朝陽区にあるCGV星星影城(頤堤港店) スクリーン9に移動し、ワールドプレミアを開催。
上映前に行われた舞台挨拶では、榊原監督、阿部進之介、池端レイナの3名が登壇し世界初上映を心待ちにしていた多くの観客に向けて作品への想いや役作りについて話した。池端レイナは全ての質問に対し、現在勉強中の中国語でコメント。あまりにも流暢な中国語に会場中がどよめく一幕も。
上映終了後、会場は大きな拍手に包まれ、涙を流す観客の姿も。「リハビリの辛さに共感した、希望を持てない患者との向き合い方、死との向き合い方について考えさせられた。」などのコメントも寄せられ、作品に込められた想いも北京の観客にも伝わったようだ。北京でのワールドプレミア上映が無事に幕を閉じた。
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「この作品は理学療法士というリハビリテーションを行う医療従事者が主人公になっています。僕が2010年まで理学療法士として働いており、その時実際に体験したエピソードを盛り込んだ映画です。今から見ていただくと思いますが、あまり構えすぎず、感じたままに見ていただけたらと思っています。」
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「僕は、事故で半身不随となり胸から下が全く動かないラグビー選手役を演じました。人は立っている時も座っているときも、無意識に胸から下に自然に力が入っているんですが、脊髄に怪我をして胸から下が動かない人は無意識に体が全て脱力している状態にあるんですね。人間は気づかないうちに、普通に座っているだけでも足に力が入っていたりする、それを全て力を抜かなければないというところから始まりまして、その動きをするのがすごく難しかったです。」
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「演じている、という印象を与えたくなかったのでできるだけ自然体で、役作りをしすぎないようにしていました。患者さんの心に寄り添う優しい看護師を目指して演じました。」
榊原監督、阿部進之介、池端レイナの3名は、翌4月16日(月)に北京万達国際影城CBDスクリーン9で行われた日本映画週間のオープニングセレモニーと在中日本大使館で行われたレセプションパーティーに日本映画代表団として出席。
オープニングセレモニーでは、榊原監督、阿部進之介、池端レイナが順にコメント。
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「今回このような素晴らしい映画祭に呼んでいただきありがとうございます。昨日は初上映だったんですが、鑑賞頂いたお客様から、沢山のコメントを頂き感激しています。」
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中国語で「今回北京国際映画祭に私も初めて出席させていただき、こうして私が出演した日本の映画が中国で上映され、また映画祭にこうして招待されたことを嬉しく思っています。」
>「今回この日本映画週間で私たちが心を込めて作った映画「栞」が上映されることをとても嬉しく思っています。命のことに寄り添う映画になっており、それは日本も中国も関係ないと思います。ぜひ皆さんに見ていただいて日本のことを感じていただけたら嬉しいです。」
現地の子供達からパンダのぬいぐるみをプレゼントされる歓迎セレモニーでは、緊張のせいか、阿部進之介に渡す女の子が泣いたまま登場し、阿部がなだめるように話しかける一幕もあり、会場は笑いに包まれ和やかなムードの中、セレモニーが終了。
会場を在中日本大使館にし、レセプションパーティーへ参加。前日のワールドプレミアを鑑賞した在中国日本国大使館 四方敬之・臨時代理大使も、「大変感動的な映画で、鑑賞した日本人も中国人も大変感銘を受けて涙を流す方もおられました。」とコメント。
榊原監督からは、本作が日本公開後、中国での公開準備も進められているとの発表に、会場からは拍手が巻き起こるなど、作品への期待が感じられた。
本作「栞」は、元理学療法士の経歴を持つ榊原監督が、自身の経験を元に紡いだオリジナルストーリーで、三浦貴大演じる理学療法士の青年の葛藤と成長を、医療現場の厳しさと共にリアルに描いたヒューマンドラマとなっている。
映画「栞」の日本での公開は2018年秋公開予定。
■映画作品情報
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タイトル:栞
公開日:2018年秋公開予定
公式HP:shiori-movie.com
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監督:榊原有佑
脚本:眞武泰徳
出演:三浦貴大
:阿部進之介
:白石聖
:池端レイナ
:福本清三
:鶴見辰吾
主題歌:「Winter」
作曲:リアム・ピッカー/西川悟平
編曲:魚返明未
製作:映画「栞」製作委員会
制作プロダクション:and pictures
配給:NexTone
配給協力:ティ・ジョイ
特別協賛:公益社団法人 日本理学療法士協会
協賛:beachwalkers
宣伝協力:POST
【ストーリー】
真面目な性格で、献身的に患者のサポートに取り組む理学療法士の高野雅哉(三浦貴大)。幼いころに母親を亡くし、現在は父親の稔(鶴見辰吾)、妹の遥(白石聖)と離れて暮らしている。ある日、雅哉が働く病院にしばらく会っていなかった父・稔が入院してくる。日に日に弱っていく稔の姿、担当患者の病状の悪化など、理学療法士として何ができるのか自問自答の毎日で無気力感に苛まれる。そんな中、ラグビーの試合中にケガをした新たな入院患者を担当することになった雅哉。その入院患者の懸命に生きようとする姿に感化され、徐々に仕事への熱意を取り戻していく雅哉だったが…。
病院という身近な人の死を経験する場所で、理学療法士として雅哉の選択していく生き方とは。