その月に合わせたモチーフが印象的な映画を、映画好きのイラストレーター3人が12ヶ月間に渡ってご紹介する12Months Movieです!
夏まっさかりの8月ですね。今月はプールが印象的な作品をご紹介します。映画の中で実にいろんな使われ方をする、とてもユニークなモチーフだと思います。
ファミリー・ツリー / 原題 : The Descendants(子孫たち) (2011)
監督 / アレクサンダー・ペイン
Eika : ジョージ・クルーニー演じるマットはホノルルに住む弁護士。冒頭、「ハワイに住んでいると言うと、楽園に住んでていいねと羨ましがられるが、マジでそんなことない」と愚痴をこぼす彼の言葉通り、仕事で多忙な日々を送る。さらに彼はなんとカメハメハ大王を先祖に持ち、カウアイ島にある広大な土地の受託者でもあった。この土地を売却するかどうかという大きな問題を抱えており、もし売るとなれば彼と彼の親戚には数億ドルという資金は舞い込むのだが、あまりにスケールの大きい土地と話しなのだ。
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丸ゐまん丸 : 予告を見るだけで景色の撮影が素晴らしいし、穏やかな土地感に迫りくる焦りの対比がすばらしい。ずっとかっこいいままのジョージ・クルーニー。実はあまり出演作を観れてなかったので、観てみたいけど、これは間違いなくハワイ行きたくなる!”
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yuki : えいかちゃんのイラストを見てから映画を観たので、マットが走るシーン、最近運動してない人って感じの必死さがとても良かった。笑 プールって綺麗な印象ばかりだったけど、すごく心情を描いてるシーンだったねぇ。”
エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018)
監督 / ボー・バーナム
丸ゐまん丸 : 中学の卒業間際、人と話すのが苦手なケイラ・デイ(エルシー・フィッシャー)は「学年で最も無口賞」をもらってしまった。このままじゃいけないと思い立ち、苦手な友達の誕生日会に行ったり、好きな男の子にアピールしたりと奮闘するも空回り。そんなある日、高校の体験入学の案内役オリヴィア(エミリー・ロビンソン)と出会った。
グーチー!と観終わると誰もが言いたくなる。子供も育てたことがないけど、必死にチャレンジを続けるケイラを観ていて親のような気分になっているところで、父親のマイク(ジョシュ・ハミルトン)が強烈な名セリフを叩き込んでくる。涙腺決壊。未見の方はぜひ覚悟していただきたい。
特にこのプールのシーン。友達もいないこんな所には行きたくないし、水着も着たくない。それでも突き進もうとする娘を送り出す心配性のマイクとリンクした状態で、このプールでの彼女の姿に悶絶することでしょう。ぜひこの暑い中、観て欲しい一作です。
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yuki : グッチ〜!爽やかな青春映画かなと思ってたので、リアルなもどかしさに悶々としたけれど、自分の思春期を思い出してしまう映画だったなぁ。プールの時のお腹のぽっこり感。大人になってから見ると愛おしいんだけどねぇ。”
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Eika : グッチ〜!誕生日パーティーでプールなんてハードル高すぎだしもはや戦場に向かうかのような演出! 今のティーンもこんな感じなんだ〜と、自分の時と何も変わらないという印象が強かった。ソっと続ける自己表現活動とかね…あとまるで試験のようにみんなの前で開ける、選択ミスったプレゼントとかね…
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プールサイド・デイズ(2013)
監督 / ナット・ファクソン|ジム・ラッシュ
yuki : 車の後部座席の、さらに後ろの席に、進行方向と逆向きに座るダンカン(リアム・ジェームズ)。
両親が離婚し、母親の新しい彼氏・トレント(スティーヴ・カレル)の別荘へ向かうところだった。ダンカンとトレント以外は眠る車内で、トレントはダンカンに問いかける「自分に点数をつけるなら何点だ?」と。
内気なダンカンはトレントと打ち解けることができなくて、別荘にいる場所を見つけられずに自転車であてもなく走り出す。プール『ウォーター・ウィズ』を見つけて入ってみると、街で偶然出会った男・オーウェン(サム・ロックウェル)が働いていた。なんとなくダンカンのことが気にかかるオーウェンは、「プールでバイトしないか?」と声をかけてくれるのだった。
邦題は『プールサイド・デイズ』なんですが、原題は、『ずっとずっと後ろ』と言う意味の『The Way Way Back』。まさにずっと後ろの方を見て、後ろ向きな気持ちで始まる物語。
スティーヴ・カレル演じるトレントが、それはもう嫌な感じで(笑) 何が嫌って、自分の正義、正しいことを押し付けてくるのってすごく迷惑じゃないですか。自警団みたいな(笑) 間違ってないから言い返せないんだけど、押し付けてこないでよ!!って感じの役が絶妙にうまくって、私も心底トレントのことが嫌いでした。笑
トニ・コレットがダンカンの母親を演じてるんですが、これもまた(笑) 女を捨てきれないし、お金にはちょっと困ってるし…な女性を演じていて、気持ちはわからなくないんだけど、ダンカンに感情移入して観るとすごくしんどかった。その母親のバンダナの巻き方が、若干『スリー・ビルボード』の時みたい(笑)で、全然キャラが違くて、色々な母親を演じてるトニ・コレットは、本当にすごいなと思いました。
憂鬱な部分ばかりを紹介してしまいましたが、『プールサイド・デイズ』というタイトルにぴったりな部分も沢山あって、とても爽やか!!サム・ロックウェルのアウトローっぽい役がやっぱりハマっていて賑やかで楽しいシーンもてんこもりの映画です!
自分の殻にこもっていたダンカンが、色々な人と出会って、少しだけ成長する物語。夏にとってもオススメの青春映画です!
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Eika : 今作、調べてみると日本では限定公開だったとのこと。イヤな感じのスティーブ・カレルと、アウトロー感あふれるサム・ロックウェルだなんてあらすじを読んだだけで満足してしまいそうなキャスティングだ!めちゃいい!夏は成長が映える季節だね。”
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丸ゐまん丸 : 今年惜しまれながら閉園するとしまえんを思い出しました(流れるプールはとしまえんが発祥)。成長するにはいつもと違うことにチャレンジする、ってことも大事ですよね。『ヘレディタリー/継承』を観た方、今回のトニ・コレットはおっかなくないですよ。
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秋の気配を感じる9月は、本が印象的な映画をご紹介します!
毎月12日に更新です。お楽しみに!