「ラフレシア」という世界最大の花をご存じですか?その巨大さだけでなく、強烈な臭いを放つ花としても有名です。ラフレシアには茎も根もありません。では、どのようにして栄養を摂っているのでしょうか。ラフレシアの秘密と魅力、日本で見られる場所をご紹介します。
ラフレシアとは
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「ラフレシア(Rafflesia)」と聞いたとき、パパママ世代であれば「ポケモン」をイメージするかもしれません。世界最大の花として有名なラフレシアですが、それ以外にも糞のような強烈な匂いを出すことで知られています。
生態がほかの植物とは大きく異なっており、ラフレシアには茎も根も葉もありません。花だけがぽつんと存在しています。じつはラフレシアは、ブドウ科の植物の根に寄生して、栄養のすべてをその寄主からもらって育つ「寄生植物」です。
ラフレシア属のなかで最も有名なものは、「ラフレシア・アルノルディイ(Rafflesia arnoldii)」。植民地開拓時代、ヨーロッパ人ではじめてラフレシアを発見したトーマス・ラッフルズの名前にちなんで命名されました。
ラフレシア・アルノルディイは、開花した花の直径が約90cmにまで大きくなります。当時はその巨大さと独特の質感、死肉のような悪臭を漂わせる姿から、人食い花として恐れられていたようです。ほかにも「ラフレシア・テングゥ-アドリンィ」や、小型の「ラフレシア・プリケイ」などさまざまな種類があり、その数は10種類以上に及びます。
ラフレシアが咲いている場所は?
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ラフレシアは世界中でも限られた場所にのみ分布しており、東南アジア〜マレー半島にかけての、いわゆる「ジャングル」と呼ばれるような場所に多く生息しています。また、ラフレシアはいつでも見られるというわけではありません。つぼみになるまでに9カ月から、長いもので2、3年程度かかるものもあるとされています。
またラフレシアには茎がないため、ジャングルの中に入っても、慣れている人でなければ見つけづらいところが特徴です。ラフレシアが咲く地域ではガイドが同行する見学ツアーを行っていることも多く、その巨大な姿を一目見ようと、毎年多くの観光客が参加しています。日本で見ることはできる?世界一の大きさ、かつ誰もが顔をゆがめるような腐臭を放つ花といえば、「一度その姿を見てみたい」と思う方も多いでしょう。日本で生きた状態のラフレシアが観られるところは、2019年1月現在ありません。
しかし大阪府の「咲くやこの花館」であれば、ラフレシアがはなびらを開いた状態の標本を観ることができます。残念ながら臭いは分かりませんが、花の大きさを実感できるでしょう。
ラフレシアはどんな匂い?強烈に臭い理由
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ラフレシアは上述のとおり、臭いに大きな特徴があります。その臭いは「お手洗いの臭い」や「死肉のよう」などと称されることも珍しくありません。この臭いにこそ、ラフレシアの繁殖の秘密が詰まっているのです。
ラフレシアがくさい臭いを放つと、臭いにつられてクロバエ科オビキンバエ属のハエや、その他の虫が飛んできます。するとハエは雄花の葯(花粉袋)から分泌される、ラフレシアの花粉が混ざった粘液を体にまとうことに。そのままラフレシアの雌花の中心にある、雌しべの柱頭に触れます。
ラフレシアはハエの体を介して受粉し、繁殖しているということ。強烈な臭いは、生存ための術というわけです。ラフレシアの独特の色彩や多肉植物のような肉質の花弁は、死肉を思わせるためではないかとも考えられています。
ラフレシアは世界最大の花?
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ラフレシアは世界最大の花だと紹介しましたが、ギネスブックによると世界最大の花は「ショクダイオオコンニャク」とされています。しかしショクダイオオコンニャクの「花」とされる部分は、花が茎に付いた花序であり、それらをまとめたサイズが世界一ということ。一つひとつの花は大変小さいものです。
単体の花としては、やはりラフレシアが世界最大といえるでしょう。
開花するのは5日だけ!?幻の花と呼ばれる理由
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ラフレシアはつぼみになるまでに、長いもので2~3年かかると前述しました。しかしラフレシアの花が開花するのは、その花の生涯のうちたった5日間程度。咲いたあとは枯れてしまうため、キレイに花の状態を確認できるのは2~3日間程度です。
ラフレシアの花の臭いは強烈ですが、その臭いも咲いている間中ずっと放っているわけではありません。開花直後の、少しの期間のみに限定されます。ラフレシアは探すだけで難しいものですが、開花した強烈な姿を披露しているときを言い当てることはさらに困難です。まさしく「幻の花」と呼ぶにふさわしいでしょう。
ラフレシアの花言葉
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ほかの美しい花々と同じように、ラフレシアにも花言葉があります。ラフレシアの花言葉は「夢現(ゆめうつつ)」です。一般的なお花とは全く異なる色や形、大きさ、臭いを持つラフレシアを目の前にしたら、それが現実なのかそうでないのか分からないというような気持ちになるでしょう。「夢現(ゆめうつつ)」は、そんなラフレシアにぴったりの花言葉です。
ラフレシアには不思議と魅力がいっぱい!
ラフレシアの生態については、まだ解明されていない部分もたくさんあります。その目を疑うような姿形は、世界中の多くの研究者を魅了してきました。お子さまと図鑑で眺めてみたり、大阪府で実際の標本を見てみたりと、ラフレシアの不思議な魅力に触れてみてはいかがでしょうか?