久原翼インタビュー
日本代表の久原翼選手(パナソニックパンサーズ)にお話をうかがった。リーグの優勝について、目指すところなど。
――少し前のことになりますが、リーグ優勝・連覇おめでとうございます。
久原:ありがとうございます。
――内定時代から振り返って。
久原:内定のときから、少しずつ試合には出させていただいていました。でも、いつも途中からの起用で、スタートから出場することがほとんどありませんでした。昨シーズンはスタートから出ることが多くなってきて、その中で優勝できたのは、2017/18シーズンとはまた違った手応えと感慨があり、すごく嬉しい優勝でした。
――連覇のプレッシャーは感じていましたか?
久原:いえ、僕は2017/18シーズンはそんなに出ていなくて、自分で優勝したという感覚があまりなかったので、今年のリーグはただ「優勝するんだ」と思って臨んでいましたし、「連覇した!」という思いではなく、普通に「優勝できてよかったな」という思いです。
――でも、2017/18シーズンのグランドファイナルの最後の瞬間はコートに立っていましたよね。
久原:最後にいただけで、シーズンを通してという感じではなかったので、やはり個人的には「連覇」より今年の優勝が大きいですね。
――新リーグの初代王者でもあります。
久原:周りからそう言っていただけるので、すごく嬉しいです。どのチームもそれを狙っていたと思うので、そこをとれたのは良かったですね。
――ファイナル名古屋大会はすごく接戦でしたが、諦めてしまいそうな場面でも諦めなかったのは。
久原:試合に出ているメンバーも、試合に出てないメンバーも、タイムのときに声をかけてくれます。ベテランも多いので、劣勢になったときにどう戦えばいいのかも知っている。そういう経験値が大きかったのではないかと思います。
――自分自身は?
久原:自分自身も「負ける」とは思っていませんでした。「最後まで諦めない」というチームのモットーでやり抜けたと思います。
――2018/19シーズン、クビアク選手がサーブで狙われて崩されたときでも、寿原選手が踏ん張って耐えていた場面も多かったと思います。リーグ全体を通してどこがポイントになったのでしょうか。
久原:最初に通しで出たのは、天皇杯だったと思います。クビアクが怪我をして入りました。そのときは何もできず、ズルズル負けてしまったので、その悔しさですかね。あの試合は昨シーズンで忘れられない試合です。すごく後悔したので、あんな後悔はもうしないようにという心がけでいました。
――グランドファイナルでは、1セット目終盤で、競り合ったのをとりきったのが大きかったですね。
久原:あれをとられていたら、相手に「まだ行ける」と思われたかもしれないので、形はどうあれ、あのセットを取り切れたことは大きかったと思います。
――あの1セット目終盤もそうですが、アジアクラブでも大事な場面で点をとることができたのではないでしょうか。
久原:そうですね。あまり慌てずに、自分のプレーに集中することができるようになったと思います。
――お兄さん(久原大輝)がJTサンダーズにいて、決勝での兄弟対決バージョン2については。バージョン1の深津兄弟についてはメディアにも結構取り上げられて、話題になりましたね。
久原:兄弟対決については…特に思わないです(笑)
ただ、すごく光栄というか幸せなことだなと思います。決勝で兄弟対決なんていうことは、誰もができることではないですから。そこは、今まで指導していただいた方とか、応援してくださった方への恩返しになったと思います。
――お互いにサーブで狙ったりはしないのですか。
久原:サーブの狙い所は、ベンチから指示があるので、そこをしっかり狙います。(兄を)意識してしまうと、そこばかり狙ってしまうので(笑)