球史を振り返れば、どの球団にもポジションの代名詞と言える名選手がいるものだ。強いチームには、必ず確固たる地位を築くレギュラー選手の存在がある。今回は、ポジション毎に球団を支えてきた偉大な選手たちを紹介する。(北海道日本ハムファイターズ・一塁手編)
大杉勝男(おおすぎかつお)
投打:右投右打
身長/体重:181センチ/88キロ
生年月日:1945年3月5日
経歴:関西高-丸井
○本塁打王:2回(1970、71年)
○打点王:2回(1970、72年)
○ベストナイン:5回(1967、69-72年)
○ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞):1回(1972年)
○オールスターゲーム出場:6回(1967、69-70、72、74年)
※日本ハム(東映・日拓)在籍時のみ。ヤクルト時代にオールスター2回出場。
球団の変遷を彩った主砲・大杉。入団3年目の1967年に打率.291、27本塁打を放ちブレイク。70年には打率.339、44本塁打、129打点の成績で二冠王(本塁打・打点)に輝いた。翌年も2年連続となる本塁打王(41本)、72年は2年ぶりの打点王(101打点)を獲得。中心打者として低迷期のチームを支えた。
チーム在籍時の通算成績は、1208試合出場、打率.281、1171安打、287本塁打、819打点、28盗塁となっている。
柏原純一(かしわばらじゅんいち)
投打:右投右打
身長/体重:179センチ/83キロ
生年月日:1952年6月15日
経歴:八代東高
ドラフト:1970年ドラフト8位
○ベストナイン:3回(1978、81-82年)
○ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞):4回(1978-79、81-82年)
○オールスターゲーム出場:3回(1978-79、82年)
攻守で高い貢献度を誇った柏原。日本ハムには1978年にトレード加入。初年度から中軸として7年連続2桁本塁打を記録した。特に80年にはキャリアハイの34本塁打、96打点をマーク。在籍8シーズンでベストナイン3回、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)を4回受賞した。
チーム在籍時の通算成績は、997試合出場、打率.275、979安打、167本塁打、601打点、81盗塁となっている。
大島康徳(おおしまやすのり)
投打:右投右打
身長/体重:182センチ/85キロ
生年月日:1950年10月16日
経歴:中津工
ドラフト:1968年ドラフト3位
※中日時代に本塁打王1回受賞。オールスター4回出場。
中日時代の1983年には、ホームランキングに輝いた大島。日本ハムには1988年にトレード加入した。既にキャリア晩年を迎えていたが、クリーンアップの一角として2年連続全130試合に出場し、4年連続2桁本塁打を記録。94年限りで現役引退を決断したが、同年も代打の切り札として打率.323、OPS.828(出塁率.397+長打率.431)をマークするなど貴重な戦力となっていた。
チーム在籍時の通算成績は、699試合出場、打率.266、548安打、61本塁打、291打点、11盗塁となっている。
小笠原道大(おがさわらみちひろ)
投打:右投左打
身長/体重:178センチ/84キロ
生年月日:1973年10月25日
経歴:暁星国際高-NTT関東
ドラフト:1996年ドラフト3位
○最優秀選手(MVP):1回(2006年)
○首位打者:2回(2002-03年)
○本塁打王:1回(2006年)
○打点王:1回(2006年)
○最高出塁率:1回(2003年)
○最多安打:1回(2000-01年)
○ベストナイン:5回(1999、2001、03-04、06年)※2003、04年は三塁手部門での受賞。
○ゴールデングラブ賞:6回(1999-2003、06年)※2003年は三塁手部門での受賞。
○オールスターゲーム出場:8回(1999-2006年)
○アテネオリンピック出場(2004年)
○ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場:1回(2006年)
※日本ハム在籍時のみ。巨人時代にMVP1回、ベストナイン2回受賞。オールスター3回、第2回WBC出場。
特徴的な打撃フォームから広角に長短打を打ち分けた“ミスターフルスイング”。捕手から内野手へ本格コンバートした1999年に一塁のレギュラーを獲得し、強打の2番打者として打率.285、25本塁打をマーク。以降はリーグ屈指の好打者として2年連続最多安打(2000-01年)、首位打者(2002-03年)をはじめとする数々の打撃タイトルを獲得。在籍最終年となった06年には打率.313、32本塁打、100打点と圧巻の成績で44年ぶり日本一の立役者となり、自身は打撃2冠(本塁打・打点)と最優秀選手(MVP)に輝いた。
チーム在籍時の通算成績は、1157試合出場、打率.320、1335安打、239本塁打、730打点、55盗塁となっている。
中田翔(なかたしょう)
投打:右投右打
身長/体重:184センチ/107キロ
生年月日:1989年4月22日
経歴:大阪桐蔭高
ドラフト:2007年高校生ドラフト1巡目
○打点王:3回(2014、16、20年)
○ベストナイン:5回(2013-16、20年)※2013、14年は外野手部門での受賞。
○ゴールデングラブ賞:4回(2015-16、18、20年)
○オールスターゲーム出場:8回(2011-18年)
○ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場:2回(2013、17年)
○WBSCプレミア12出場:1回(2015年)
現在は巨人でプレーする大砲。チャンスの場面では、確実に走者を返す打撃が際立つ。高校時代から大きな注目を集め、鳴り物入りでドラフト1位入団。高卒4年目の2011年に左翼のレギュラーを掴み、不動の4番打者へと成長。14年に初めて最多打点(100)に輝くと、一塁を主戦場とした16年には、キャリアハイの110打点を稼いで2年ぶりにタイトルを奪還し、10年ぶり日本一の原動力となった。さらに、20年には打率.239ながら31本塁打、108打点をマーク。大阪桐蔭高の後輩にあたる浅村栄斗(楽天)と最後まで二冠王争いを繰り広げ、初の本塁打王こそ逃したものの、3度目の打点王を戴冠。また、一塁守備では機敏な動きと柔らかいハンドリングを武器とし、2021年終了時点でゴールデングラブ賞を4回(2015-16、18、20年)受賞している。
チーム在籍時の通算成績は、1461試合出場、打率.250、1351安打、261本塁打、950打点、14盗塁となっている。
今回挙げた5人以外にも、球団初の外国人選手となったハワイ出身のスタンレー橋本や、他ポジションでの活躍も目立った稲葉篤紀、指名打者(DH)の印象も強いトニー・ソレイタ、フェルナンド・セギノールらはファーストとしても持ち前の打棒を発揮していた。
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