大谷翔平投手との選手契約が正式に発表されたロサンゼルス・エンゼルス。2002年以来2度目となるワールドシリーズ制覇に向けて、今オフには大谷だけでなく、他の選手についても積極的に補強を進めており、今後も新加入の選手が増えそうだ。そのため、来季は2017年シーズンとは異なる陣容のエンゼルスを見ることができそうだ。
また、今季オフには経験豊富で実績のある野手も加入しており、プレー以外の面でも米国1年目となる大谷の力となってくれそうだ。
今回は、来季から攻守で大谷を支えることになるエンゼルス野手陣8人を紹介する。
■現役最強野手
マイク・トラウト(2017年成績:114試合、打率.306、33本塁打、72打点、22盗塁、OPS1.071)
メジャーリーグを代表するスーパースターのトラウト。走攻守の全てが備わっており、唯一の弱点は肩の強さがやや平均未満というところだけという総合力が非常に高い選手だ。
セイバーメトリクスの指標でも現役選手屈指の数値をマークしており、ルーキーイヤーの2012年以降、毎年MVP投票で1位か2位に選出され続けていた。
今季は開幕後から絶好調で圧倒的な成績を残していたが、5月に二盗を試みた際にヘッドスライディングで左手親指を負傷し、約6週間離脱という憂き目にあった。その影響で今季のトラウトはMVP投票で2位以下となり、このことは全米でも大きく話題となった。
とはいえ、キャリアを通しては故障にも非常に強く、20歳という若い時期から圧倒的な成績を残し続けていることから「現役最強野手」との呼び声が高い。
■2000年代を代表する強打者
アルバート・プホルス(2017年成績:149試合、打率.241、23本塁打、101打点、3盗塁、OPS.672)
通算2968安打、619本塁打、14回の100打点超えをマークするなど2000年代を代表する強打者として君臨したプホルス。
37歳で迎えた今季は打率.241と振るわなかったが、2年連続14度目の100打点をクリア。エンゼルス入団後は高い年俸と活躍が見合っていないことから批判の対象にされることも多いが、実績は現役選手で最高クラスだ。
通算3000本安打にも残り32本、2000打点には82打点と迫っており、節目の大記録到達まで残りわずかとなっている。
近年はDHで出場することが多いが、大谷加入の影響で来期以降は一塁手としての出場機会が増加すると見られている。大谷がDHに座った場合のプホルスの起用法は、全米で議論が沸き起こるほど話題となっている。
■身体能力は米国屈指の外野手
ジャスティン・アップトン(2017年成績:152試合、打率.273、35本塁打、109打点、14盗塁、OPS.901 ※デトロイト・タイガース在籍時と合計)
今季途中にデトロイト・タイガースからトレードで移籍してきたアップトン。11年間で通算256本塁打を誇る長打力が魅了的で、今季はタイガースとエンゼルスの2球団で計35本塁打を放った。
身体能力の高さは米国でも屈指で、走攻守で高い実力を誇っており、これまで所属してきた球団でも外野手のレギュラーとして存在感を放ってきた。
エンゼルス移籍後は27試合で打率.245ながら7本塁打を放っており、新天地にも慣れた来季は更なる成績向上も期待できるだろう。
■安定した守備力と長打力が持ち味の右翼レギュラー
コール・カルフーン(2017年成績:155試合、打率.244、19本塁打、71打点、5盗塁、OPS.725)
右翼のレギュラーとして活躍を続けているカルフーン。今季の打率は.244と振るわなかったが、毎年20本塁打近くを記録する長打力、2015年にゴールドグラブ賞に選出された守備力は魅力的だ。
今季は前年に比べて打撃成績が低下する悔しいシーズンとなっただけに、来季の巻き返しに期待がかかる。
■圧倒的な守備力を誇る正遊撃手
アンドレルトン・シモンズ(2017年成績:158試合、打率.278、14本塁打、69打点、19盗塁、OPS.752)
球界屈指の守備力との呼び声が高いシモンズ。今季の開幕前に行われたWBCではオランダ代表として出場していた。
2013年にはシーズンでは史上最高値となる守備防御点を記録するなど、守備範囲の広さ、肩の強さは球界屈指だ。普通の選手では真似ができないようなプレーでも、シモンズにかかればお手の物という場面がシーズン中にもよく見られる。
また、近年は打撃力も向上しており、攻守で大谷を助けてくれることは間違いないだろう。
■前レッズの新三塁手候補
ザック・コザート(2017年成績:122試合、打率.297、24本塁打、63打点、3盗塁、OPS.933 ※シンシナティ・レッズでの成績)
2011年にシンシナティ・レッズでメジャーデビューを果たし、同球団の正遊撃手として君臨したコザート。高い守備力に定評があり、2017年にはキャリアハイとなる24本塁打、打率.297をマークした。今オフにはFA市場の注目選手の1人として名を連ね、去就が注目されていた1人だ。
エンゼルスではメジャー屈指の守備力を持つシモンズが正遊撃手として定着していることもあり、コザートは三塁手としての起用が濃厚と見られている。
■WBC米国代表の正二塁手
イアン・キンズラー(2017年成績:139試合、打率.236、22本塁打、52打点、14盗塁、OPS.725 ※デトロイト・タイガースでの成績)
2017年オフにデトロイト・タイガースからトレードで移籍してきたキンズラー。今季の開幕前にはWBC米国代表の正二塁手として活躍し、初優勝に大きく貢献した。
強打の二塁手として知られているが、俊足を活かした二塁守備にも定評がある。近年こそ年齢の影響などで守備範囲などに衰えが見られるが、セイバーメトリクスの指標では依然としてプラスの数値を叩き出しており、実力が健在であることを証明した。
新天地となるエンゼルスではシモンズと共に二遊間を守ることが期待されている。
■移籍後に飛躍した守備職人
マーティン・マルドナド(2017年成績:138試合、打率.221、14本塁打、38打点、0盗塁、OPS.645)
今季はエンゼルスで最も多くの試合に出場した捕手であるマルドナド。昨季オフにブリュワーズから移籍し、1年目から球団の期待に応えて出場機会を増やした。これまでの最多出場は79試合だったが、今季はゴールドグラブ賞に初選出されるなど大きく飛躍を遂げた。
失策数はわずかに2と安定した守備力と強肩でエンゼルス投手陣をけん引。大谷の入団が決まった際には日本時代の映像を送るよう球団に頼むなど、研究熱心な面も持ち合わせる。
守備力はメジャーでも屈指の域に入り、遅咲きの苦労人で経験豊富も豊富なことから、来季は様々な面で大谷の力となってくれることだろう。