MLBは27日(日本時間28日)レギュラーシーズン全日程を終了。きょう29日(同30日)からはポストシーズンが開幕した。今季は新型コロナウイルス感染症の影響で60試合限定での開催となったが、ポストシーズン出場チームは「10」から「16」に拡大。例年以上の激戦が予想される。
今回はポストシーズンに進出したアメリカン・リーグ8チームの今季成績と、注目選手を紹介していく。
タンパベイ・レイズ
チーム成績 40勝20敗、勝率.667 ア・リーグ東地区1位
注目選手
投手 タイラー・グラスノー
今季成績 11試合(57回1/3)、5勝1敗、91奪三振、防御率4.08、WHIP1.13
打者 ブランドン・ロウ
今季成績 56試合、打率.269、52安打、14本塁打、37打点、3盗塁、OPS.916
10年ぶりにア・リーグ東地区を制し、第1シードを獲得したタンパベイ・レイズ。日本人選手では、筒香嘉智外野手が所属している。今季はタイトルホルダーなど突出した選手はいないものの、伸び盛りの若手選手も多く、バランスの取れた戦力層でリーグ最高勝率を記録した。
注目投手は、先発右腕タイラー・グラスノー投手。今季は規定投球回未満の57回1/3を投げ、防御率4.08とやや物足りない数字となったが、それでもチームの先発陣ではトップの5勝、奪三振率は14.29をマークした。
注目打者は、ブランドン・ロウ内野手だ。今季は主に主軸を担い、自身初の規定打席に到達。14本塁打、OPS.916は、リーグトップ10に入る好成績を残した。
オークランド・アスレチックス
チーム成績 36勝24敗、勝率.600 ア・リーグ西地区1位
注目選手
投手 クリス・バシット
今季成績 11試合(63回)、5勝2敗、55奪三振、防御率2.29、WHIP1.16
打者 ロビー・グロスマン
今季成績 51試合、打率.241、40安打、8本塁打、23打点、8盗塁、OPS.826
両リーグ通じて一番乗りでア・リーグ西地区優勝を決めたオークランド・アスレチックス。今季は打撃陣が軒並み不調となったものの、投手陣の奮闘でカバー。特にブルペン陣はリーグ随一の安定感を誇った。
注目投手は、先発右腕クリス・バシット投手。今季はチーム唯一の規定投球回に到達し5勝、リーグ3位の防御率2.29と高い安定感を誇った。投手陣の柱として自身初のポストシーズンに挑む。
注目打者は、ロビー・グロスマン外野手だ。今季は打率.241、OPS.826と好成績とはいえないものの、ともにチームトップの数字。ポストシーズンではさらなる活躍で打線、そしてチームを牽引していきたい
ミネソタ・ツインズ
チーム成績 36勝24敗、勝率.600
注目選手
投手 前田健太
今季成績 11試合(66回2/3)、6勝1敗、80奪三振、防御率2.70、WHIP0.75
打者 ネルソン・クルーズ
今季成績 53試合、打率.303、56安打、16本塁打、33打点、OPS.992
レギュラーシーズン最終戦までもつれたア・リーグ中地区を制したミネソタ・ツインズ。日本人選手では、前田健太投手が所属している。重量打線を結成した今季は、打撃陣は期待通りに本塁打攻勢を仕掛けた。投手陣もリーグ3位の防御率を記録。注目選手として紹介する投打の柱は、チームを牽引する活躍を見せた。
注目投手は、先発右腕・前田だ。今季はチームトップの6勝を挙げ、防御率はリーグ5位の2.70をマーク。両リーグトップ、歴代2位にランクインする驚異のWHIP0.75を叩き出した。
注目打者は、ネルソン・クルーズ内野手。今季40歳を迎えた大ベテランは、打線の核を担い、打率.303、ともにリーグ5位の16本塁打、OPS.992と衰え知らずの打棒を見せつけた。
クリーブランド・インディアンス
チーム成績 35勝25敗、勝率.583
注目選手
投手 シェーン・ビーバー
今季成績
12試合(77回1/3)、8勝1敗、122奪三振、防御率1.63、WHIP0.87
打者 ホセ・ラミレス
今季成績 58試合、打率.292、64安打、17本塁打、46打点、10盗塁、OPS.993
ツインズと1ゲーム差で惜しくもア・リーグ中地区2位となったクリーブランド・インディアンス。今季は打撃面で低調な成績となったものの、投手陣が躍動し、防御率、奪三振、WHIPなど多くの部門でリーグ1位の成績となった。
注目投手は、チームを支えた先発右腕シェーン・ビーバー投手だ。今季は8勝、122奪三振、防御率1.63で最優秀防御率、最多勝、最多奪三振の投手三冠を受賞。さらなる飛躍を遂げた若きエースは、サイ・ヤング賞もほぼ手中に収めている。
注目打者は、ホセ・ラミレス内野手。今季はチームメイトのほとんどが成績を落とす中、昨季を上回る活躍を見せた。17本塁打はリーグ3位タイ、OPS.993はリーグ2位の数字を残し、強い存在感を放った。
ニューヨーク・ヤンキース
チーム成績 33勝27敗、勝率.550
注目選手
投手 ゲリット・コール
今季成績 12試合(73回)、7勝3敗、94奪三振、防御率2.84、WHIP0.96
打者 DJ・ラメイヒュー
今季成績 50試合、打率.364、71安打、10本塁打、27打点、3盗塁、OPS1.011
ニューヨーク・ヤンキースは、レイズに7ゲーム差をつけられ、ア・リーグ東地区2位。日本人選手では、田中将大投手が所属している。今季は、主軸のアーロン・ジャッジ外野手、ジャンカルロ・スタントン外野手、グレイバー・トーレス内野手らが相次いでIL(故障者リスト)入り。それでも打撃陣は奮闘を見せ、投手陣もまずまずの成績を残したが、地区連覇ならなかった。
注目投手は、昨オフのFA移籍で大きな注目を集めた先発右腕ゲリット・コール投手だ。今季は開幕から安定した投球を披露し、開幕から5戦4勝。アストロズ時代からの連勝記録を20に伸ばし、期待通りの活躍を見せた。連勝記録が途切れると、以降は打ち込まれる場面も見られたが、リーグ2位タイの7勝、94奪三振、防御率2.84と安定した成績を残した。
注目打者は、DJ・ラメイヒュー内野手。今季も打撃職人ぶりは健在で、開幕戦こそスタメン落ちとなったものの、終わってみればリーグトップの打率.364、リーグ唯一の1超えとなるOPS1.011をマークし、コロラド・ロッキーズ時代の2016年以来2度目の首位打者に輝いた。
ヒューストン・アストロズ
チーム成績 29勝31敗、勝率.483
注目選手
投手 フラムバー・バルデス
今季成績 11試合(70回2/3)、5勝3敗、76奪三振、防御率3.57、WHIP1.12
打者 マイケル・ブラントリー
今季成績 46試合、打率.300、51安打、5本塁打、22打点、2盗塁、OPS.840
昨季のア・リーグ覇者ヒューストン・アストロズは、オフのサイン盗み問題の余波もあってか大苦戦。なんとかア・リーグ西地区2位に入り、出場権は死守したが、ア・リーグでは唯一負け越しでのポストシーズン進出となった。
注目投手は、先発左腕フラムバー・バルデス投手だ。今季はコールの移籍、ジャスティン・バーランダー投手の故障などで苦しい台所事情となったが、このチャンスを活かし、初めて規定投球回に到達。5勝、防御率3.57をマークし、チームの勝ち頭となった。
注目打者は、マイケル・ブラントリー外野手。今季はホセ・アルトゥーべ内野手、ユリエスキ・グリエル内野手らの主力選手が大幅に成績を落とす中、チーム唯一の打率.300をマークするなど安定した活躍で苦しむチームを支えた。
シカゴ・ホワイトソックス
チーム成績 35勝25敗、勝率.583
注目選手
投手
ダラス・カイケル
今季成績 12試合(63回1/3)、6勝2敗、42奪三振、防御率1.99、WHIP1.09
打者
ホセ・アブレイユ
今季成績 60試合、打率.317、76安打、19本塁打、60打点、OPS.987
ワイルドカード1枠目を掴んだのは、シカゴ・ホワイトソックス。今季はア・リーグ中地区3位となったが、2位インディアンスとはゲーム差なし、1位ツインズと1ゲーム差という混戦を演じた。強打者が続く破壊力満点の打線は、リーグトップの96本塁打を記録した。
注目投手は、先発左腕ダラス・カイケル投手。昨オフに加入すると、実績通りの活躍で6勝、リーグ2位の防御率1.99とさすがの安定感を見せた。ノーヒットノーランも達成したルーカス・ジオリト投手と左右の二枚看板として、ワイルドカードからの上位進出を狙う。
注目打者は、ホセ・アブレイユ内野手だ。今季は例年を上回るペースで本塁打を量産し、リーグ2位の19本塁打、リーグトップの76安打、60打点をマーク。打率.317、OPS.987も高水準の成績となった。
トロント・ブルージェイズ
チーム成績 32勝28敗、勝率.533
注目選手
投手 柳賢振
今季成績 12試合(67回)、5勝2敗、72奪三振、防御率2.69、WHIP1.15
打者 テオスカー・ヘルナンデス
今季成績 50試合、打率.289、55安打、16本塁打、34打点、6盗塁、OPS.919
最後の1枠を手にしたのは、ア・リーグ東地区3位のトロント・ブルージェイズ。日本人選手では、山口俊投手が所属している。昨オフに積極的な補強を見せ、迎えた今季は移籍組の投手陣と、既存戦力の野手陣が存在感を放った。
注目投手は、コールと同じくFA移籍で注目を集めた先発左腕・柳賢振投手だ。ア・リーグに舞台を移した今季は、序盤はやや苦戦する場面もあったが、チーム唯一の規定投球回に到達。5勝、防御率2.69と実力を発揮した。
注目打者は、テオスカー・ヘルナンデス外野手。今季はキャリアハイの打率.289、OPS.919をマークし、16本塁打はリーグ5位タイの数字をマークし、飛躍の1年となった。
カブス、レッズ…ポストシーズン進出8球団と注目選手は?<ナ・リーグ編>【編集部フォーカス】