【総合20位】マイク・ソロカ
18年にMLBデビューを果たすと、今季は先発ローテーションに定着し、29先発で13勝。若返りの進むチームの象徴の1人として大きな期待を背負っている右腕だ。
21歳で迎えた昨季は13勝を挙げ、オールスターゲーム出場と新人王投票2位に輝いた。特筆すべきは9イニングあたりで許した本塁打数が0.7で、本ランキング4位のモートンと並んでMLB1位。三振は多くないが、若くして打たせて取るスタイルを確立している。
投球の最大の軸となるのはシンカー(44.6%)で、次ぐのはスライダー(24.3%)。直球はわずか18.7%で、珍しい構成となっている。ゆったりとしたフォームから淡々と投げ込む姿は風格たっぷりで、打者を翻弄した。独特の存在感を持つ投手となっている。
本ランキング最年少の右腕は将来性抜群。ロナルド・アクーニャJr.外野手、オジー・アルビーズ内野手ら、若手が台頭しているブレーブスにおいて、投手陣の象徴ともいえる投手だ。2年連続で地区制覇しながら、世界一は95年から遠ざかるチームを頂点に導きたい。
【総合19位】マイク・マイナー
テキサスの左腕エースが自己最高の1年を送った。2015年から左肩の故障で長期離脱、マイナーも経験。リリーフで復活し、レンジャーズ移籍後2年は先発で結果を出している。
32試合に先発し、208回1/3で14勝と、先発投手として十分な働きを見せた。200奪三振も達成し、自身初のオールスターゲーム出場も果たした。4月にはロサンゼルス・エンゼルスを相手に自身初の完封勝利もマークするなど、充実の1年を送ったと言えるだろう。
直球(44.6%)、チェンジアップ(24.6%)、スライダー(19.4%)、カーブ(11.4%)と、シンプルな構成で打者を手玉に取った。直球の平均球速は92.5マイル(約149キロ)で、平均回転数は2650/分と圧巻の数字。伸びるような軌道が脅威となった。
故障により一時はマイナーも経験した左腕がついに花開いている。チームは3年連続で地区優勝を逃したが、左腕のマイナー、右腕のリンと2人のエースがしっかりと結果を残した。史上初の世界一に向け一丸となるチームを今季も支えたい。
【総合18位】ダルビッシュ有
故障に泣いた数年を経て、ついに最強右腕が帰ってきた。前半戦は制球に苦しんだが、後半戦は生まれ変わったような投球を披露。制球と球威を兼ね備えたスタイルは圧巻だった。
178回2/3を投げ229奪三振、防御率も3点台に乗せた。前半戦は四球が多かったが、後半戦は防御率2.76、81回1/3で与四球7だった(前半は97回で49個)。8月には142打者連続で無四球の快挙も達成した。物足りないのは6にとどまった勝利数のみだろうか。
すべての球種が武器になるシーズンだった。ホップ成分の強い直球と、同じ軌道から落ちるカットボールのコンビネーションに加え、日本時代から武器とする大きなスライダー、シンカーも操った。スプリットやナックルカーブも解禁し、圧倒的なペースで三振を奪い続けた。
復活を感じさせる後半戦を送り、今季にかかる期待は過去最大級だ。年間を通じて活躍すればサイ・ヤング賞も見えてくるとされている。自身のTwitterで披露した新球種“スプリーム”(スプリットとツーシームの間の変化、仮称)にも注目だ。
【総合17位】アーロン・ノラ
18年にはリーグトップのWAR(同リーグの平均的な選手が出場した場合に比べて上乗せした勝利数)10.5をマークした右腕は昨季も健在。フィリーズのエースとして君臨した。
自身2年連続となる投球回200超え、奪三振も200超えを同時達成したエース右腕。キャリア5年にして通算53勝をマークしている。昨季は四球が80とやや多いのが気がかりではあるが、補って余りある奪三振能力は魅力的だ。
直球(35.4%)、カーブ(35.2%)、チェンジアップ(18.6%)、シンカー(10.8%)と、シンプルな構成をバランスよく投げ込んだ。直球の回転数は少ないが、コンビネーションで三振を次々と奪うスタイル。試合を作る能力はすでに一級品だ。
若くして多くの場数も踏み、MLBを代表する先発投手に向け急成長中。近年大型補強を続け、世界一に向け着実に強化が進むフィリーズを背負う気概は十分だ。若き右腕の投球は今季も進化を続けてくれることだろう。
【総合16位】パトリック・コービン
FA移籍で加入した年にいきなりの世界一を経験。左腕エースとして年間を通じて投げ抜き、ポストシーズンでは救援も務めてチームの躍進の原動力となった。
リーグ5位の202回と十分なイニングを稼ぎ、キャリアハイに並ぶ14勝を挙げるなど、FA戦士として期待通りの数字を残した。3年連続守備率10割も立派だ。圧巻はポストシーズンで、層の薄い中継ぎに回り、2勝をあげるなど弱点を埋める大車輪の活躍だった。
スライダー(37.1%)、シンカー(34.3%)など変化球が投球のほとんどを占めるスタイル。スライダーは鋭く曲がり落ち、直球とシンカーの平均球速は91.8マイル(約147キロ)だった。18年から投げ始めたカーブも有効で、躍進のカギとなった。
2年連続の世界一を目指すナショナルズにとって、左腕エースの活躍は今季も必須条件。年間を通じてチームを支える柱として、大きな期待がかかる中、満足のいく数字を残し続けられるだろうか。世界一を味わった左腕の新たな1年に注目が集まる。
ランキング一覧に戻る
外部リンク