2021年シーズンも佳境を迎えているメジャーリーグ。年々選手の市場価格が高騰し、近年では北米スポーツ史上最高契約の更新が相次いだ。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて状況は一転。昨季は60試合制となったことで、選手の年俸は本来の約37%となり、平均年俸も2019年の437万5000ドルから117万7000ドルに激減した。
この事態は、日本人選手にとっても例外ではない。昨オフは菅野智之投手がメジャーリーグ挑戦を表明するも、条件面が折り合わず日本球界残留を決意。7年間メジャーの第一線でプレーした田中将大投手も帰国を決めるなど、日本人選手にとっても、高額契約を結ぶことが困難な状況となっているようだ。
これから、歴代日本人メジャーリーガーの最高年俸ランキングを紹介していく。時代によって1ドルの価値が変化する様や、日米の年俸格差、そして成功した選手の存在が後続の選手らの契約に与える影響を感じることができるかもしれない。
(※年俸は2021年シーズンまでのデータを使用、『BASEBALL REFERENCE』を参照。1ドル110円で統一した。)
20位 青木宣親
最高年俸:620万ドル(約6億8200万円)
対象年度:2016年(シアトル・マリナーズ所属)
2011年オフにブリュワーズと2年契約を結んだ青木宣親。100万ドルからのスタートとなったが、1年目の12年は151試合出場で打率.288、150安打、10本塁打、30盗塁と下馬評を覆す活躍を見せた。
以降も持ち前のシュアな打撃を発揮し、13年オフにはカンザスシティ・ロイヤルズへトレード移籍。14年も132試合出場で打率.285、140安打、17盗塁と安定した活躍を見せた。
サンフランシスコ・ジャイアンツでプレーした15年はけがと、頭部死球等で起きた脳震盪の後遺症である目眩に苦しんだが、15年オフにはシアトル・マリナーズと1年総額550万ドルで契約。規定打席には届かなかったが、118試合出場で打率.283をマークし、前所属のジャイアンツでの契約に組み込まれていたオプションも加算され、16年の年俸は計620万ドルとなった。
17位タイ 筒香嘉智
最高年俸:700万ドル(約7億7000万円)
対象年度:2021年(タンパベイ・レイズ、ロサンゼルス・ドジャース、ピッツバーグ・パイレーツ所属)
NPBでは10年間で205本塁打を放った左の大砲・筒香嘉智。2019年オフにタンパベイ・レイズと2年総額1200万ドルで契約を交わした。
メジャー1年目となった20年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で60試合制に。「3番・三塁」で迎えた開幕戦では、初安打を初本塁打で記録するなど鮮烈デビューを飾ったが、以降は数字が伸び悩み、打率.197、8本塁打の成績。チームはアメリカン・リーグを制し、ワールドシリーズ進出を果たした。
21年シーズンも開幕から調子が上がらず、5月15日に金銭トレードでナショナル・リーグのロサンゼルス・ドジャースに移籍。しかしドジャースでも結果は残せず、8月16日にはピッツバーグ・パイレーツに活躍の場を移した。すると、パイレーツでは持ち前の打棒が爆発。代打で3打数連続本塁打を放つなど長打を連発し、レギュラー格となっている。
17位タイ 秋山翔吾
最高年俸:700万ドル(約7億7000万円)
対象年度:2021年(シンシナティ・レッズ所属)
NPBではシーズン216安打の最多記録を樹立した秋山翔吾。首位打者1度、最多安打4度の安打製造機は、2019年オフにメジャーで唯一日本人選手が所属したことシンシナティ・レッズと3年総額2100万ドル(約22億500万円)で契約を結んだ。
メジャー1年目の20年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で60試合制となった。開幕からメジャーへの適応に苦しんでいたが、終盤は調子を上げ、打率.245でシーズンを終えた。
さらなる飛躍が期待される21年だったが、左太もも裏を痛め、開幕を負傷者リスト(IL)で迎えた。復帰後は、外野守備で再三の好守を見せる一方で、打撃面で苦しんでおり、途中出場の機会が目立っている。
17位タイ 田澤純一
最高年俸:700万ドル(約7億7000万円)
対象年度:2018年(マイアミ・マーリンズ、ロサンゼルス・エンゼルス所属)
2008年オフに日本球界を経由せず、レッドソックスと3年契約を結んだ田澤純一。1年目の09年からメジャー登板を果たし、12年にはリリーフとして37試合に登板するなど着実なステップアップを見せた。
クローザー候補にも名前が挙がった13年は71試合に登板し、5勝4敗25ホールド、防御率3.16をマーク。セットアッパーとしてワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。
以降もリリーフ陣に欠かせない存在として大事な場面で登板を重ねた田澤。16年オフにはマイアミ・マーリンズと2年総額1200万ドルで契約を交わし、18年はマーリンズ、ロサンゼルス・エンゼルスの2球団でプレーした。
16位 城島健司
最高年俸:766万6666ドル(約8億4300万円)
対象年度:2009年(シアトル・マリナーズ所属)
2005年オフにマリナーズと3年契約を結んだ城島健司。現在でも日本人捕手としては唯一のメジャー挑戦者となっている。
1年目の06年は144試合に出場し、打率.291、18本塁打をマークするなど結果を残した。以降もチームの正捕手として活躍を続け、翌07年は135試合出場で打率.287、14本塁打をマーク。08年は打率.227、7本塁打と苦しんだが、オフには3年総額2400万ドルで再契約を交わした。
しかし09年はけがの影響と若手の台頭もあって出場機会が大きく減少。71試合の出場にとどまり、残り2年の契約を破棄して日本球界復帰を決断した。
<1〜5位>
<6〜10位>
<11〜15位>
<21〜25位>
<26〜30位>
<300万ドル以上の選手たち>
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