子どもは段階を経て大人へと成長していきます。心身ともに徐々に変化が現れるので、見た目にも成長期に入ったことが分かるほどです。
しかし、子どものなかには成長期になっても変化が現れないことも。そこで今回は、成長期が遅い子に見られる思春期遅発症の特徴や原因を解説します。
子どもの成長期とは
子どもの成長期とは、心身ともに大人に移行する時期のことです。女の子は10歳頃、男の子は12歳頃に成長期が始まるといわれています。
体の変化としては、女の子は乳房発育、育毛発育、月経の順番に始まるのが特徴です。男の子は陰茎増大、陰毛発生と進み、身長が大幅に伸びた後に声変わりが起こり始めます。
成長期が遅いのは思春期遅発症?
成長期に突入する時期は、個人差があります。しかし、なかなか成長期特有の症状が現れないときは思春期遅発症の可能性が高いです。思春期遅発症とは、成長期が見られない病気のことをいいます。
男の子が14歳以上、女の子が12歳を超えても成長期の症状が現れないときは注意することができるでしょう。卵巣や精巣に異常がある場合もあるので、早めに受診し医師に相談しましょう。
思春期遅発症の原因
ここからはなぜ思春期遅発症が起こるのか、その原因を見ていきましょう。
女子で考えられる原因
思春期遅発症が起こる原因は、卵巣機能に異常が見られることがほとんどです。何らかの理由で女性ホルモンが正常に分泌されず、成長期に突入するのが遅くなっています。過度な運動や食事制限をしている場合も注意が必要です。
男子で考えられる原因
男の子の場合は、女の子と異なり、本人の体質や遺伝が原因になっていることが多いです。ただし、性ホルモンを分泌する機能が低下していたり精巣に異常がある場合もあるので、放置せずに受診するのが望ましいです。
思春期遅発症の症状
次に、思春期遅発症の症状を紹介します。該当する項目がある場合は、早めに受診しましょう。
女性によく見られる症状
通常、成長期になると乳房が膨らんだり初潮を迎えたりします。そして、徐々に女性らしい体つきになるのが一般的な流れです。ただ思春期遅発症の場合は、13歳まで乳房に変化がなかったり16歳まで初潮が来なかったりする場合があります。
男性によく見られる症状
成長期に入ると、睾丸や陰茎、隠毛などが急激に発達し始めます。その後声変わりも始まり、体格が男性らしく成長するのが通常です。ただし、思春期遅発症の場合は14歳頃までに、成長期特有の症状が現れないことがあります。
成長期が遅いと感じたら早めに受診しよう!
子どもの成長期に入る時期は、個人差があるため体に変化が現れ始めるのが遅い子もいます。しかし、目安年齢よりも大幅に遅い場合は、思春期遅発症の可能性が高いです。
女の子なら卵巣、男の子なら精巣に異常がある場合もあるため、子どもの成長期が遅いと感じたら早めに受診しましょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得