自閉症スペクトラム(自閉スペクトラム症)の顔つきには、共通の特徴があると聞いたことはありませんか?顔つきで自閉症を判断できる方法があれば、知りたい人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、自閉症スペクトラムに見られる顔つきやそれ以外の特徴について詳しく解説します。
自閉症スペクトラムとは
自閉症スペクトラムは、先天的な理由で起こる生まれつきの脳機能障害のことです。自閉症スペクトラムの発症率は、全人口の1%に及ぶといわれています。
また、性別で確認すると女性より男性のほうが4倍も発症する確率が高いのも特徴です。
自閉症スペクトラムの顔つき
自閉症スペクトラムには、特徴的な顔つきはありません。従来は、自閉症スペクトラムは「賢そうな顔」をしているといわれていたこともあるようです。
しかし明確な根拠はなく、顔つきだけでは自閉症スペクトラムを判断できないのが現状です。顔つき以外の特徴で、自閉症スペクトラムを判断することをおすすめします。
顔つき以外の特徴
それでは、自閉症スペクトラムを判断するために顔つき以外の特徴について紹介します。もし該当する項目が多い場合は、自閉症スペクトラムの可能性を疑うことができるでしょう。
人にまったく興味がない
自閉症スペクトラムによく見られる特徴のひとつに、人にあまり興味を示さないことがあります。例えば、赤ちゃんにご飯をあげるときにママが口を開けて「あーん」と言ったとしましょう。
赤ちゃんは、ママの行動を見て同じように行動するのが通常です。しかし、自閉症スペクトラムの赤ちゃんは人に興味がない傾向にあるため、ママの真似をして口を開けないことがあります。
クレーン現象で注意を引く
クレーン現象とは、自閉症スペクトラムの子どもに表れることがある行動のひとつ。例えば、自分の手が届かない物があったときに、母親の手を取って対象物まで近づけようとする行動のことです。
クレーンのように人を動かすことから、クレーン現象と呼ばれています。ただし、自閉症スぺクトラム以外の子どもでもクレーン現象が出る場合もあるので、「クレーン現象=自閉症スペクトラム」とは断定できません。
オウム返しが続く
自閉症スペクトラムの子どもは、言葉の遅れが見られることがあります。母親が必死で言葉を教えても、言葉を覚えられずにオウム返しが続いてしまうのです。
オウム返しとは、例えば「パパとママはどっち?」と聞くと、自閉症スペクトラムの子どもは「パパとママはどっち?」と聞き返してきます。答えを言うのではなく、言ったことを言うことがあるのです。
こだわりが強い
特定の物事やルールに対して、強いこだわりがあることも自閉症スペクトラムの特徴です。自分が大事にしていることを優先したいので、少しでもやり方が変わるとパニックを起こしてしまうことがあります。
その一方で、特定の物事に興味が強いので、興味を示した分野で優秀な結果を出すこともあるようです。
自己判断せずに早めの受診がおすすめ!
自閉症スペクトラムは特徴的な顔つきがあるわけではないため、見た目だけで判断することはできません。子どもが自閉症スペクトラムなのか知りたいときは、顔つき以外の特徴に該当するか確認するのが一番です。
もし子どもの行動に違和感を覚えたら、自己判断せずに早めに受診しましょう!
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得