写真:2018グランドファイナル優勝の張本智和(木下グループ)。過去最高世界ランキングは3位。/提供:ittfworld
10月29日、奥原希望が世界バドミントン連盟(BWF)の発表する世界ランキング女子シングルスで1位となった。バドミントン女子シングルスで日本人選手が世界ランキング1位となるのは、山口茜に次いで史上2人目の快挙だ。
卓球世界ランキングの現状
写真:ブルガリアOPの石川佳純(全農)。過去最高世界ランキングは3位。/提供:ittfworld
同じく卓球界にも、国際卓球連盟(ITTF)が発表する世界ランキングが存在する。2019年10月の世界ランキング上位につける日本人選手をみてみよう。
男子では張本智和が5位、丹羽孝希が11位、水谷隼が13位となっている。女子は伊藤美誠が7位、石川佳純が8位、平野美宇が9位につける。
いずれも世界の舞台で長きに渡って活躍しているトップ選手だが、世界ランキング1位は彼らでさえも未だ到達したことのない高い壁だ。
上記の選手たちのこれまでの世界ランキング過去最高順位は、張本:3位、丹羽:5位、水谷:4位、伊藤:5位、石川:3位、平野:5位。これほど実績のある選手たちでも2位以上は達したことのない未知の領域である。
卓球世界ランキングの歴史 世界ランキング1位となった日本人選手も
写真:故・荻村伊智朗氏/提供:アフロ
卓球の世界ランキングは、1928年から存在する。中国選手が上位を独占している印象が強いが、世界ランキングの歴史をさかのぼってみると、日本人で世界ランキング1位の座についた選手が数多く存在した。
1952年:佐藤博治
1954年、1956年:荻村伊智朗
1955年、1957年:田中利明
1956年:大川とみ
1957年、1958年:江口冨士枝
1959年、1964年:松崎キミ代
1965年、1967年:深津尚子
1967年、1968年:長谷川信彦
1967年、1968年:森沢幸子
1969年、1970年:伊藤繁雄
1969年、1970年:小和田敏子
1977年、1978年:河野満
1979年、1980年:小野誠治
以上、実に13名もの選手が世界ランキング1位となっている。だが、1980年の小野誠治氏を最後に日本人選手の世界ランキング1位は誕生していない。
写真:小野誠治氏/撮影:山田真市/アフロ
1980年代以降は、中国・スウェーデンなどが台頭。五輪では1988年ソウル大会から卓球競技が採用されたが、2012年のロンドン大会の女子団体で福原愛氏、平野早矢香氏、石川佳純の3選手が銀メダルを獲得するまで日本がメダルを獲得することはなかった。
世界ランキング1位となる日本人選手の登場に期待
写真:ドイツOPの伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld
世界ランキングは単なる順位付けではない。代表選考に使われることも多く、選手にとって重要な意味を持つ。五輪の代表選考にも使われており、東京五輪を目指して選手たちがしのぎを削っている。
日本代表のシングルス2名は、2020年1月発表の世界ランキング上位2名が選出される予定だ。五輪出場枠を争う選手たちはワールドツアーをはじめとした国際大会に数多く出場し、1つでも上のランキングを目指している。
世界ランキング上位につける日本人選手の数は徐々に増えてきている。10位以内に複数の日本人選手がランクインするのも見慣れた光景になってきた。
さらに選手層が厚くなり、中国に迫る力を備えることができれば、世界ランキング1位に到達する選手が現れるのも夢ではない。そうすれば、悲願の五輪金メダルも近づいてくるはずだ。
文:石丸眼鏡