「諮る」って単語、読めますか? 義務教育で習う常用漢字、読めないとたいへん由々しき事態です!
大人になってから、久しぶりに中学校の教科書を見てみたら「え? 意外と難しい!」…そんな事態が起こるとしたら、どんな科目でしょうか? 複雑な化学式や計算式のある理科や数学は、容易に想像ができますよね。まさか、中学校で習う漢字が読めないなんて、そんな恥ずかしいこと、起こるわけないわ!
…と、断言できますか? 義務教育、つまり小・中学校の国語科で習う漢字は、常用漢字・全2136字です。
(※小学校は来年・2020年度から、中学校は再来年の2021年度から、学習指導要領が新しくなりますが、義務教育の全9年間で全常用漢字を学習する、という点についてはそのままです)
中学生で習う漢字が読めない、ということは、日本人の常識として使いこなせるべき常用漢字を覚えていない、ということで、大人の女性としてそんな事態は是が非でも避けたいですよね?
というわけで今回は、中学校で習う、意外と難しい漢字を今一度ふりかえっておさらいしてみましょう。クイズです。
【問題1】
中学校で習う「諮」という漢字の訓読み、「諮る」の読み仮名をお答えください。
※「どうしましょう! 即答できないわ!」とお困りの方は、スクロールしてヒントをご覧ください。
ヒント1:「諮」の、音読みは「シ」です。この字を使った熟語には「諮問(しもん)」などがあります。
ヒント2:「諮る」は「〇〇る」と、訓読みでは、ひらがな2文字に送り仮名の「る」をつけた単語になります。
いかがでしょうか? おわかりになりましたか?
正解は… 諮(はか)る です。
意味は「問う・相談する」です。使い方としては「この場で簡単に答えが出せる問題ではないので、会議に諮ることにいたします」のように、かなりかしこまった状態で「問う・相談する」時に使用します。
「諮」という漢字単体には「上の者が下の者に相談を持ち掛ける」という意味があり、ヒント1で取り上げた「諮問」という単語は、「諮問機関」などに使われます。
しかし「諮る」と送り仮名のついた動詞の場合は、「上の者から下の者に」という限定はなく、正式な場などで「問う・相談する」行為全般に使用できます。
…というところでもうひとつ、クイズです。
【問題2】
前述の例で出た「諮問機関」の意味で正しいのは、以下のどちらでしょうか?
1:裁判員制度に基づき選出された、有権者による裁判員で構成された、事件ごとの一グループのこと。
2:行政機関が意思決定をする際に、専門的な立場から特別の事項の調査・審議を行う、各分野の専門家などで構成されたグループのこと。
どちらでしょうか?
正解は… 2:行政機関が意思決定をする際に、専門的な立場から特別の事項の調査・審議を行う、各分野の専門家などで構成されたグループのこと。 です。
内閣や省庁などが、専門家の意見を必要とするような議題を扱っている際、「〇〇審議会」「○○協議会」「○○審査会」「○○調査会」といった専門家グループの見解が、併せて発表されたりしますよね? ああしたグループが「諮問機関」です。時々、政治のニュースに出てくるため、耳なじみはある言葉ですよね。
「諮」という漢字を習ったばかりの中学生のほうが、この言葉の全体像をきっちりと理解しているかもしれません。「諮る」「諮問」ともに、中学生との会話で戸惑わないよう(笑)、大人として今一度、確認しておきましょう。